オリンピックでの日本選手の活躍などもあってメジャーなスポーツになりつつあるアーチェリー。でも日本人が目にしているアーチェリーは、実はたくさんある競技のごく一部なのです。
そもそもアーチェリーとはどのようなスポーツで、どのような競技があるのでしょうか?
ここではアーチェリーの定義と、さまざまな競技方法を紹介します。
アーチェリーとは|豆知識
そもそもアーチェリーとは、弓と矢を使って得点を競う競技。弓を使って、決められた距離から決められた的に向かって矢を放ち、当たった場所によって得点を付けます。中でも特にヨーロッパ発祥のルールに則ったものをアーチェリーと呼び、和弓を使った弓道などとは区別しています。
道具の名前?
日本ではアーチェリーで使う弓矢のことも「アーチェリー」と呼びがち。ではアーチェリーを使うから競技名もアーチェリーと呼ぶのかというと、それは違います。
欧米では、あの弓の名前は「ボウ(弓)」で、アーチェリーとは呼びません。日本では洋弓はスポーツのアーチェリーでしか使わないため混同していますが、欧米では本来、弓矢は狩猟にも使うもの。アーチェリーは道具ではなく、弓で矢を射って行う競技を表す言葉なのです。
和弓でも参加可能?
あの弓矢をアーチェリーとは呼ばないのなら、アーチェリー競技に和弓で参加することも可能なのでしょうか。
なんと可能なのです。実際、過去には国際大会に和弓で出場した選手もいます。ただし和弓の命中率は洋弓と比べて格段に低く、成績は良くなかったそうです。
アーチェリーとは|弓の主な種類
アーチェリーで使う洋弓は精度を上げるためにさまざまな工夫が凝らされています。最も簡単な仕組みのものから順に解説しましょう。
ベアボウ
ベアボウは直訳すると裸弓。最もシンプルな弓です。しかし一体構造の和弓と比べるとまだ少し複雑で、一般的には持ち手部分の「ハンドル」と、しなる部分の「リム」に分離可能。リムの素材などを変えることで性能を調整できます。
競技名を略して書く場合には「BB」と書きます。
リカーブボウ
リカーブボウは、ベアボウにさまざまなパーツを付けたものです。狙いをつける「サイト(照準器)」や、弓を安定させる「スタビライザー(安定器)」などが付き、より機能的になります。
リム部分がS字になっているため「リカーブ(再び曲がった)」という名前ですが、この部分はベアボウも同じ。競技上の区別ではサイトなどの補助パーツがついたものをリカーブと呼びます。
略した記載は「RB」です。
コンパウンドボウ
コンパウンドボウは弓の上下に歪な形の滑車がついたもの。この滑車を利用することで、少ない力で引くことができます。安定して狙いやすい上に矢の速度も上がる、現在最も進化した弓です。
日本ではまだマイナーですがヨーロッパでは人気も高く、将来はオリンピック種目になる可能性もあります。
略した記載は「CB」ではなく「CP」です。
アーチェリーとは|競技の種類
日本人にもお馴染みのアーチェリーは、屋外で遠距離の的を狙う「アウトドア・ターゲットアーチェリー」。オリンピックで行われている競技です。
しかしその他にもメジャーなものからマイナーなものまで、さまざまな競技があります。
インドアアーチェリー
インドアアーチェリーはその名の通り屋内で行う競技。ルールはアウトドア・ターゲットアーチェリーとほぼ同じですが、その距離が最長90mのアウトドアとは違い、18mとかなり短くなります。
その代わりに10点となる的の中心の大きさは直径4cmと極小(アウトドアの長距離種目は直径12.2cm)。風などの影響を受けず、長距離を飛ばす必要もない代わりに、より精度の高いセッティングが必要となります。
フィールドアーチェリー
フィールドアーチェリーは、ゴルフのようにコースを巡る競技。山や森林など自然の地形を生かした場所に的が設置されていて、順にクリアしながら進みます。的までの距離が場所によって変わる上、的の位置が高い「うち上げ」や、的の位置が低い「うち下ろし」も。距離や角度を読む特別なテクニックが必要になります。
3Dアーチェリー
3Dアーチェリーはフィールドアーチェリーの的を動物模型に置き換えた競技。弓矢を使った狩猟を再現したスポーツとなります。
一般的なアーチェリー競技の場合、得点は10点、9点……と1点刻みですが、3Dアーチェリーは的が動物模型なので少し特殊。心臓付近が10点でその周囲が8点、爪以外のボディーに当たれば5点となります。
フライトアーチェリー
フライトアーチェリーは矢の飛距離を競う競技。日本ではとてもマイナーです。一般的な弓のほか、寝転んで両足で弓を支える「足弓」という部門もあります。一流選手になると800mも飛ばすため、飛行場のような広大な場所で行われます。
スキーアーチェリー
スキーアーチェリーはアーチェリーとクロスカントリースキーの複合競技。バイアスロンの銃をアーチェリーに持ち替えた競技です。弓と矢を背負ってクロスカントリースキーの周回コースを3回から5回まわり、1周ごとに18m先にある的を狙います。
外した的がある場合はペナルティとして距離かタイムを加算。ゴールまでの所要時間によって順位が決まります。
まとめ
アーチェリーは弓矢を使って的を狙うヨーロッパ発祥のスポーツ。定義が広いため、道具の種類や競技方法には多くの種類があります。
中には日本ではまだマイナーながらとても楽しそうな競技も。気分爽快なアーチェリーは、今後ブームになるかもしれません。
【関連記事はこちら】⇩
・【アーチェリー】ルールは簡単!大会形式にも注目して楽しもう!
・【アーチェリー】初心者から始める方法をご紹介!実は安くて簡単!