「スポーツにケガはつきものだ」という考え方は広く知られているかと思います。
激しく動いている中でケガをしてしまうことも多々ありますが、防げるケガも数多くあります。
ケガに対する知識があることでケガをしたとしても早期に対処する、または未然に防ぎたいですよね。
今回はスポーツで起こりやすいケガについて紹介するとともに、起こってしまった際の対処法を伝えていこうかと思います。
今回記事を執筆している筆者は、理学療法士という国家資格を保有しております。
また、医療機関で多くのアスリートのケガを治療してきました。
そのような経験もこの記事では入れこんで書いていきます。
足首のケガ
足は唯一地面に接する場所です。
地面に接する足が崩れるとあらゆる場所にケガが起こりやすくなります。
足首の代表的なケガは以下の通りです。
・足関節捻挫:いわゆる捻挫と言われるものです。
特に着地の際に足を内側に捻る内反捻挫がもっとも多いです。
足首の捻挫は初期の対応がかなり大事になってきます。
ケガした際にしっかりとした対応・リハビリがなされていないと足の変形を助長して捻挫癖がつきやすくなります。
足首を捻った際にはアイシング(10~15分)をしながら患部を圧迫することが大事です。
そして、速やかに整形外科病院やクリニックに受診することをオススメします。
・アキレス腱炎:アキレス腱炎は、着地や蹴り出しの際にふくらはぎ~アキレス腱にかけて痛みが生じるケガです。
ふくらはぎの固さやアキレス腱に負担がかかる体の使い方を繰り返すとアキレス腱炎になりやすいです。
初期はアキレス腱に熱を持ったり、腫れたりする場合があります。
その際はアイシング(10~15分)を行い、整形外科クリニックを早期に受診しましょう。
アキレス腱炎を改善させるには、アキレス腱に負担がかかる体の使い方や柔軟性を改善させることが大事です。
インソールを使うのも対処法の一つです。
膝のケガ
膝は足と股関節の間にある関節です。
そのため他の関節の影響を多分に受け、負担がかかりやすいのです。膝関節の代表的なケガは以下の通りです。
・前十字靭帯損傷:前十字靭帯は膝の靭帯の中で最もケガをしやすい場所と言われています。
特に着地の際に断裂・損傷しやすく、完全に断裂した場合は手術が適応されます。
手術した際にはスポーツ復帰までに約1年を要する大けがです。
成長期の場合は骨端線が閉鎖していない為、運動を制限して骨端線が閉鎖してから手術を受けるケースもあります。
いずれにしろスポーツ復帰までに長期間を要する怪我です。
着地の際に膝を捻った場合は前十字靭帯損傷が疑われるため、速やかに整形外科の受診をすることが重要です。
・ジャンパー膝、オスグッドシュラッター病:太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)に負担がかかることで、膝のお皿下の骨に痛みが生じるケガです。
スポーツを盛んにしているジュニアアスリートに多い怪我です。
オーバーユース障害と言って体を動かす際に太もも前の筋肉ばかりを使ってしまう方に多い慢性障害です。
ストレッチ、体の使い方を変えなければ、また再発の危険性があるので適切なリハビリが必要です。
特にスポーツを大きく制限することはせず、リハビリしながら治せるケガです。
・内側側副靭帯損傷:前十字靭帯と一緒に痛めやすい靭帯です。
着地の際に膝が内側に入りながら、捻じれることで損傷してしまう靭帯です。
内側側副靭帯単独での損傷では保存療法が選択されますが、前十字靭帯も断裂した場合は手術が選択されることが多いです。
着地の際に膝を捻って、内側に痛みがある場合は内側側副靭帯損傷の疑いがありますので、早急に整形外科に行く必要があります。
腰のケガ
・腰椎分離すべり症:成長期のジュニアアスリートに多い怪我です。
腰を反ったり、捻ったりする動きが多いと痛めやすいです。
腰椎分離が起こっていると、骨がくっつくかくっつかないかはレントゲンで判断するしかありません。
医師の判断の基、骨癒合が臨めるものは硬質コルセットを装着して骨がくっつくのを待ちます。
股関節や胸椎と呼ばれる部分が固くなることで腰椎分離滑り症になりやすいためストレッチや筋力強化などのリハビリが必要です。
肩のケガ
・腱板損傷:腱板(棘下筋、棘上筋、小円筋、大円筋)と呼ばれる肩のインナーマッスルを痛めてしまうケガです。
肩を多用するオーバーハンドスポーツを行うアスリートに多い怪我です。
肩の使い方や胸椎、肩甲骨の柔軟性が出ていないと腱板に負担がかかりやすいため、ストレッチや筋力強化などのリハビリが必要になってきます。
基本的には腱板は4本あるため、一部が損傷したとしても他の機能で代償することが可能です。
損傷度が大きい場合は手術が適応されます。
肩を動かした際に肩の中が痛くなる方は整形外科でレントゲン・MRIを撮ってもらうことをオススメします。
まとめ
代表的な各部位のケガを紹介してきました。
それぞれのケガに応じて対応方法や方針は違ってきます。
今回の記事を読むことで少しでもアスリートが陥りやすい怪我を知っていただければ幸いです。
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