「殿堂入り」とはある分野で非常に大きな成果や業績があることを指します。
分割すると「殿堂」は大きくて立派な建物を幅広く指す言葉で、そこから「〇〇の殿堂」といったように、特定の分野について中心的な役割を果たす建物や場所を指します。
そうした殿堂に納められるほど、特定の分野で活躍したものを「殿堂入り」と言います。
数々の分野に殿堂入りがありますが、野球にも殿堂入りというものがあります。
今回は野球の殿堂入りとはどういうものなのか、過去に殿堂入りを果たした選手にはどのような選手がいるのかを紹介します。
野球の殿堂入りとは
野球殿堂は1959年、野球の発展に大きく貢献した人たちの功績や活躍を讃え、表彰することを目的に創設されました。
選手だけでなく、監督やコーチなど発展に大きく寄与した人物であれば選ばれる可能性があります。
殿堂ホールは東京都文京区にある東京ドームに併設されている野球殿堂博物館の中に創設されています。
野球の殿堂入りはプロ野球界で功績のあった「競技者表彰」と、アマチュアを含め球界に貢献のあった人が対象となる「特別表彰」に分かれており、さらに「競技者表彰」は選手経験者の「プレーヤー表彰」と、指導者も対象となる「エキスパート表彰」に分かれています。
それぞれ紹介していきます。
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競技者表彰
①プレーヤー部門
・対象者:プロ野球で引退後5年を経過してその後15年間の者
・選出委員:野球報道に関して15年以上の経験を持つ者
・選出方法:30人の候補者を選び、選出委員1名につき7名以内の連記で投票し、3分の2の有効投票があれば75%以上の投票者が選出される
②エキスパート部門
・対象者:引退した監督・コーチ、審判で引退後6ヶ月以上経過している者やプレーヤー部門の有資格者だったもので、引退後21年以上経過している者
・選出委員:野球殿堂入りした競技者及び、競技者表彰の幹事
・選出方法:10人の候補者を選び、選出委員が3名以内の連記で投票し、3分の2以上の有効投票があれば75%以上の得票者が選出される
特別表彰
・対象者:アマチュア野球の競技者を対象に、選手は引退から5年、監督・コーチ・審判員は引退から6ヶ月を記録している者
・選出委員:プロ野球役員及び元役員、アマチュア野球役員、野球関係学識経験者、計14名
・選出方法:選出委員1名について3名以内の連記で投票し、3分の2以上の有効投票で、755以上の得票者が選出される
野球の殿堂入りを果たした人物一覧
では野球の殿堂入りを果たした人物にはどのような人物がいるのでしょうか。
一部紹介します。
ヴィクトル・スタルヒン
【個人プロフィール】
生年月日:1916年5月1日
出身地:ロシア帝国
利き手(投・打):右・右
プロ野球歴:パシフィック・太陽ロビンス、金星スターズ・大映スターズ、高橋ユニオンズ・トンボユニオンズ
タイトル・表彰歴:最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最高殊勲選手、ベストナイン、野球殿堂競技者表彰【殿堂入り】
表彰年:1960年
表彰区分:競技者表彰
ヴィクトル・スタルヒンは長い歴史のある日本プロ野球を代表する大投手の1人です。
数々の記録を達成し、日本球界において、初めて野球殿堂入りを果たしました。
高津臣吾
【個人プロフィール】
生年月日:1968年11月25日
出身地:広島県
利き手(投・打):右・右
プロ野球歴:ヤクルトスワローズ、シカゴ・ホワイトソックス、ニューヨーク・メッツ、東京ヤクルトスワローズ、ウリ・ヒーローズ、興農ブルズ、新潟アルビレックスBC
タイトル・表彰歴:最優秀救援投手、野球殿堂競技者表彰【殿堂入り】
表彰年:2022年
表彰区分:競技者表彰(プレーヤー部門)
高津臣吾は日本を代表するクローザーとして活躍した投手の1人で、日米通算313セーブをあげ、日本プロ野球だけでなく、メジャーリーグも盛り上げました。
さらには、監督としてもチームを20年ぶりに日本一へ導くなどの功績を讃え、2022年に野球殿堂競技者表彰を受賞しました。
山本昌
【個人プロフィール】
生年月日:1965年8月11日
出身地:神奈川県
利き手(投・打):左・左
プロ野球歴:中日ドラゴンズ
タイトル・表彰歴:最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、沢村栄治賞、野球殿堂競技者表彰【殿堂入り】
表彰年:2022年
表彰区分:競技者表彰(プレーヤー部門)
実働29年間のプロ野球人生を中日ドラゴンズでプレーした山本昌は史上最年長で200勝を達成するなどして、「中年の星」と呼ばれていました。
そんな「中年の星」と呼ばれた山本昌も2022年に野球殿堂競技者表彰を受賞しています。
田淵幸一
【個人プロフィール】
生年月日:1946年9月24日
出身地:東京都
利き手(投・打):右・右
プロ野球歴:阪神タイガース、西武ライオンズ
タイトル・表彰歴:本塁打王、新人王、ベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞、野球殿堂エキスパート部門【殿堂入り】
表彰年:2020年
表彰区分:競技者表彰(エキスパート部門)
「ブチ」「ブッちゃん」などの愛称で親しまれていた田淵幸一は現役時代阪神タイガースの主砲として活躍し、西武ライオンズではチームの2年連続リーグ優勝・日本一に貢献しました。
引退後は監督・コーチなども務めました。
そんな田淵幸一は2020年に野球殿堂競技者表彰エキスパート部門を受賞しています。
松前重義
【個人プロフィール】
生年月日:1901年10月24日
出身地:熊本県【殿堂入り】
表彰年:2022年
表彰区分:特別表彰
松前重義は武蔵野グリーンパーク野球場建設に携わったことや1964年に首都大学野球連盟を設立し初代会長を務めました。
さらには、旧ソビエト連邦時代にモスクワ大学へ野球場を寄贈するなど、野球の国際化にも尽力したことにより2022年に野球殿堂特別表彰を受賞しました。
まとめ
今回は野球殿堂入りを果たした人物について紹介しました。
殿堂入りする人物が増えているということはそれだけ日本野球界が盛り上がっているということです。
今後どのような人物が殿堂入りを果たすのか楽しみです。
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