野球のメジャーリーグは試合に関するルールが頻繁に変わることで有名。
2022年にはポストシーズンが大きく変更されて話題になりました。
いったいなぜ、そしてどのように変わったのでしょうか。
今回は、メジャーリーグのポストシーズンについて調査しました。
【MLB】ポストシーズンとは
ポストシーズンについて知るためには、まずメジャーリーグのリーグ編成を理解する必要があります。
MLBのリーグ編成
MLBは全30球団。
日本のセ・リーグとパ・リーグのように、アメリカンリーグとナショナルリーグの2リーグに分かれて、それぞれに15球団が所属しています。
さらに1リーグ15チームは東地区・中地区・西地区の3つに分割。
レギュラーシーズンには各地区5球団がそれぞれ地区優勝を争っているのです。
ポストシーズン
日本ではレギュラーシーズン終了後、セ・パ各リーグの上位3チームがリーグ優勝を争うクライマックスシリーズ(CS)が行われ、続いて両リーグの優勝チームが日本一を争う日本シリーズが行われます。
これがポストシーズンに行われるプレーオフ。
メジャーリーグでも同様のプレーオフが行われますが、リーグ内に地区というものがあるために仕組みがややこしくなります。
例えていうと日本のクライマックスシリーズに当たるものの中に地区シリーズ(DS)とリーグ優勝決定シリーズ(LCA)があるのです。
しかも地区シリーズのトーナメントに出場するチームを4つにするために、ワイルドカードゲームという試合も行います。
このワイルドカードゲームは、各地区の1位を除いたチームの中の勝率1位と2位のチームが1試合だけ戦うというもの。
これに勝ったチームを含めた4チームで地区シリーズを行い、5試合3勝先取するとリーグ優勝決定シリーズに進み、ここで7試合4勝先取して優勝するとようやくワールドシリーズに出場できるという仕組みでした。
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【MLB】ポストシーズンの変更点と理由
これまでのシステムでは、ワイルドカードを含めてポストシーズンのプレーオフに進めるのは各リーグ5チームの合計10チームでした。
それが2022年、各リーグ6チームの合計12チームに増えたのです。
今回枠が増えた各リーグ6番目のチームは地区優勝チーム以外で勝率3位のチーム。
ここにもワールドシリーズ優勝のチャンスが転がり込むことになります。
変更点
10チームから12チームに増えたことで変わったのは、地区シリーズの組み合わせ。
これまではワイルドカードゲームを勝ち上がったチームは地区優勝チームの中の勝率1位チーム(第1シード)と当たり、トーナメントのもう一方では地区優勝チームの勝率2位と3位が対戦していました。
それが2022年からは各リーグ1チーム増えたため、ワイルドカードゲームの対戦が1つ増加。
その結果、第3シードのチーム(地区優勝した中で勝率3位のチーム)は、ワイルドカードゲームからの出場となってしまったのです。
今回の変更で最も大きな影響を受けたのは、この第3シードのチーム。
せっかく地区優勝したのにトーナメントで勝ち残らなければならない試合が増え、ワールドシリーズ優勝までが長い道のりとなってしまいます。
組み合わせと同時に大きく変わったのは、ワイルドカードゲームの試合数。
これまでは1試合のみでしたが、2022年からは3試合2勝先取制に変更されました。
これは第3シードのチームにとってはさらに不利なこと。
3試合も増えたため、ここで勝っても疲れが溜まることになってしまいます。
出場チーム数が増えた理由
ポストシーズンに進出するチーム数が増えたのは、CBA交渉(Collective Bagraining Ageement)の結果。
CBA交渉はオーナーと選手会が行う交渉で、オーナー側はポストシーズン進出を14チームとする案を出していました。
これは出場するチームが多くなるほど試合数が増え、放映権やチケット代などの収入が増えるから。
オーナー側は以前からチーム数を増やすことを主張していたのです。
一方の選手会側は14チームでは多すぎると反対。
結局、折衷案として10チームから12にチームに増え、ワイルドカードゲームも1試合から増えてポストシーズン内のシリーズとして取り込まれることになりました。
その意味で今回オーナー側にとって意味が大きかったのは、チームが増えたことよりもワイルドカードゲームの試合数が増えたこと。
これまではポストシーズンの試合数は両リーグ合計で26試合から43試合でしたが、2022年以降のルールでは32試合から53試合になりました。
最低でも6試合が追加されたことになり、大きな収入増につながったのです。
変更によるメリット
新しいルールの大きなメリットは、消化試合が減ることです。
前述のように、今回のルールでは地区優勝した中の勝率3位のチームはかなり不利な立場になってしまいます。
つまり第1、第2シードに入るために勝ち続ける必要があるということ。
これまでレギュラーシーズンでは地区優勝を決めれば残りは消化試合になりがちでしたが、今後はシーズン終了まで白熱した試合が見られるはずです。
まとめ
レギュラーシーズンにも大きな影響を及ぼすポストシーズンの変更。
ファンとしては試合を少しでも多く見られるのは嬉しいことです。
オーナー側は14チームへの増加を望んでいますから、今後もまたルールの変更はあるかもしれません。
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