Jリーグの長いシーズンが終わると、サッカーファンの心を騒がせるのが移籍の問題です。
各チームが活発に補強を行う移籍の時期。
なぜか毎年微妙に前後します。
今回は、Jリーグの移籍期間をご紹介。
世界の主なリーグの移籍期間や、移籍期間の抜け穴も解説します。
【Jリーグ】年2回の移籍期間
チームを移籍するということは、1つのチームでの登録を解除し、別のチームで登録するということ。
登録できる期間のことを登録ウインドーと言います。
これについて定めているのは日本サッカー協会(JFA)の「サッカー選手の登録と移籍等に関する規則」。
その第13条「登録ウインドー」に以下のように書かれています。
Jリーグ又はJFLの第1種チーム及びWEリーグのトップチームについては、選手は、本協会が定めた年2回の移籍を認める期間(以下「登録ウインドー」という)にのみ登録されることができる。
つまりJリーグにはこの選手登録期間が年に2回あるのです。
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第1登録期間
冬の移籍ウインドーとも呼ばれる第1登録期間は、以下のように定められています。
初回の登録ウインドーは、毎年1月の第1金曜日(1月1日又は2日が第1金曜日の場合は、 第2金曜日)から始まり12週間を超えない期間。
つまり1月3日以降の最初の金曜日にスタートし、12週間続きます。
2022年の場合は1月7日の金曜日から4月1日の金曜日までが第1登録期間となりました。
これがストーブリーグと呼ばれる冬から春の移籍期間。選手の移籍が最も盛んになる時期です。
しかし実際には主だった選手は前年のシーズン終盤から移籍の話が出ているのが一般的。移籍話が盛り上がるのは12月からで、シーズンが開幕する2月下旬には落ち着いていることが多くなります。
第2登録期間
夏の移籍ウインドーとも呼ばれる第2登録期間については、以下のように定められています。
2回目の登録ウインドーは、シーズン中に設定され、4週間を超えない期間。
2022年の場合は、7月15日の金曜日から8月12日の金曜日に設定されました。
この期間は4週間と短く、移籍する人数も比較的少なめ。しかし主に日本から海外への移籍や、海外からの外国人選手の移籍が多い期間になります。
【Jリーグ】移籍期間の海外との比較
なぜ夏の移籍ウインドーである第2登録期間は、海外絡みの移籍になることが多いのでしょうか。
その理由は海外リーグの登録期間にあります。
日本サッカー協会が定めている年2回の登録期間は、実は国際サッカー連盟(FIFA)の規則に基づいたもの。FIFAは各国の協会に対して、年2回の登録期間を設けることを義務づけています。
しかも第1登録期間はシーズンとシーズンの間に最大12週間、第2登録期間はシーズン中に最大4週間の期間とも定めているのです。
ただしその時期に関しては国によって大きな違いがあります。
海外リーグの登録期間
国によって登録期間の時期が違う理由は、シーズンの開催時期が違うから。
世界のサッカーシーズンは、大きく分けると秋春制と春秋制に分かれます。
具体的には、ヨーロッパの主流は秋春制(8月開幕~5月閉幕) 。
これに対して日本は春秋制(3月開幕~11月閉幕) を採用しています。
その結果、登録期間はおおよそ以下の時期に分かれるのです。
秋春制(8月開幕~5月閉幕)
国名 イングランド・スペイン・イタリア・ドイツ
フランス・オランダ・ポルトガル
第1登録期間の範囲 6月1日〜8月31日
第2登録期間の範囲 1月1日〜1月31日
春秋制(3月開幕~11月閉幕)
国名 日本・ブラジル・スウェーデン・ノルウェー
第1登録期間の範囲 1月1日〜3月31日
第2登録期間の範囲 7月15日〜8月15日
この他に、アメリカ、オーストラリア、ロシアのリーグは独自のシーズン期間となっていますが、やはりそれぞれの国でFIFAの基準に合わせた第1登録期間と第2登録期間が定められています。
海外移籍の期間
秋春制のヨーロッパの主なリーグがシーズンオフとなり、大きく戦力補強が行われるのは第1登録期間の6月1日から8月31日。
その期間は日本の第2登録期間と重なります。
そのため、日本からの海外移籍や海外からの補強は日本の第2登録期間(夏の移籍ウインドー)になることが多いのです。
【Jリーグ】例外的な移籍
ルール上、基本的な移籍の時期は年に2回ある登録期間のみ。
しかし実際の移籍はそれらの時期に関係なく行われることがよくあります。
どうしてそのようなことが可能なのでしょうか。
期限付き移籍
実は登録期間に縛られずに選手を移籍させ、また元のチームに戻すこともできる便利な制度があるのです。
それは期限付き移籍。
期限付き移籍とは現在所属しているクラブとの契約を維持したまま、期間を定めて他のクラブに移籍するシステムで、レンタル移籍とも呼ばれています。
日本人選手が海外移籍する場合、期限付き移籍で移籍することも多く、FC東京からイタリアのチェゼーナに移籍した長友佑都選手や、セレッソ大阪からスペインのマジョルカに移籍した大久保嘉人選手なども期限付き移籍。
移籍金が発生しない代わり、移籍先のクラブは選手への年俸に加えて移籍元への貸与料を支払うことになります。
また期限付き移籍終了後に買い取りオプションと呼ばれる移籍金を支払い、完全移籍させて獲得させることも可能。
このシステムがあるため、中途半端な時期に移籍が行われることもあるのです。
まとめ
FIFAが定める基準に従って第1登録期間と第2登録期間が定められている移籍期間。
多くの選手はこの期間に移籍をすることになりますが、期限付き移籍という便利な抜け道もあります。このため、移籍はないと安心していたファンが寝耳に水の電撃移籍で驚かされることも。
移籍期間の決まりがあるからといって安心はできないのがサッカー界なのです。
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