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剣道の段位について!8段までの道のりをご紹介!

剣道の段位は、持っていれば履歴書に書けるほどのステータス。一方で剣道の段位の内容についてはあまり知られていません。
例えば、将棋の場合は十代で九段という例もありますが、剣道の世界には十代の六段は絶対に存在しないことをご存知でしょうか。
さらに剣道の八段昇段審査は、実は合格率が司法試験よりずっと低い「日本最難関の試験」とも言われています。それはなぜでしょうか?
ここでは剣道の八段に至るまでの長い道のりをご紹介します。

剣道の段位とは

剣道の段位の正式名称は「全日本剣道連盟◯段」。一般財団法人全日本剣道連盟によって承認されるものです。
剣道では勝敗を競い合う大会も行われますが、それだけではなく技術力や精神力等を重視することから定められているのが級位段位
段位制度は大正時代に大日本武徳会が制定し、全日本剣道連盟が引き継ぎました。昇段審査は初段から五段までは都道府県の剣道連盟などが行い、六段以上は全日本剣道連盟が直接審査します。

剣道の段位|①昇段審査

剣道の段位を決める昇段審査はどのような内容で行われるのでしょうか。

昇段審査の内容

昇段審査は主に以下の内容で行います。

①:実技
②:剣道形
③:学科

実技審査は、審査員の前で地稽古形式の試験を行うもの。
試合とは違い、勝ち負けだけではなく正しい姿勢や攻め、打突の正しい動きを審査されます。
実技の審査で受かった人は、剣道形、学科の審査へ。
剣道形は、剣道の稽古で使われる形を実演し、その出来栄えを審査するもの。
初段は1~3本目、二段は1~5本目、三段は1~7本目、四段以降は1~7本目+小太刀1~3本目と、段位が上がるごとに審査する形の本数が増えていきます。

【関連記事はこちら】⇩
【剣道】昇段審査について徹底解説!条件やポイントは〇〇!

剣道の段位|②昇段の条件

剣道の昇段審査を受けるには、現在の段位取得から一定の期間が経過していることが必須。その上で昇段審査を受け、定められた基準をクリアすれば合格となります。
この受審の内容と条件、合格の条件が、段位に伴って徐々に厳しくなっていきます。

昇段審査が受けられる条件

剣道の昇段審査が受けられる条件は、以下のように定められています。

・初段=一級受有者で、満13歳以上の者
・二段=初段受有後1年以上修行した者
・三段=二段受有後2年以上修行した者
・四段=三段受有後3年以上修行した者
・五段=四段受有後4年以上修行した者
・六段=五段受有後5年以上修行した者
・七段=六段受有後6年以上修行した者
・八段=七段受有後10年以上修行し、かつ、年齢46歳以上の者

段位が上がるごとに、その段位での修行期間が1年ずつ長くなっていくのが特徴。一般的には、満13歳で初段になり順調に昇段した場合の年齢は以下のようになります。

・初段=13歳
・二段=14歳
・三段=16歳
・四段=19歳
・五段=23歳
・六段=28歳
・七段=34歳
・八段=46歳

特に大きな大会で優秀な成績を収めた選手などには、五段までは修行年の短縮が認められる場合もありますが、それでも例えば五段の昇段審査可能な条件が「四段受有後4年」から「3年」になる程度。五段までに最大で3年9ヶ月の短縮にしかなりません。
そのため十代の六段はあり得ないのです。このように決まっているのは、剣道が技術力だけでなく修行した年月も合わせて評価するため。
大人になってから剣道を始めた人など、段位の取得が遅い場合は修行期間の短縮が認められる場合もありますが、それも地方代表団体の長が認めた場合のみ。やはり一定期間の修行は必須となります。

段位に対する印象

剣道をあまり知らない人は、段位を聞いてもその違いがあまり分からないもの。しかし修行年に関する条件があるため、経験者は段位を聞けば、おおよそどの程度の相手か判断することができます。
遅くから剣道を始めた人は少し違ったものになりますが、以下のような印象になるのが一般的です。

・三段=高校生まで頑張った人
・四段=大学生まで頑張った人
・五段=社会人でも頑張った人
・六段=剣道を真剣に続けてきた人
・七段=アマチュアのトップクラス
・八段=神様

六段以上で印象が加速度的に高まっていくのは、その合格率が驚くほど低いからです。

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剣道の段位|③圧倒的に低い合格率

昇段審査の合格率は、おおよそ以下の通りとなっています。

・初段=80〜90%
・二段=60〜70%
・三段=40〜50%
・四段=30〜45%
・五段=20〜30%
・六段=約10%
・七段=約8〜10%
・八段=1%未満

六段以上の合格率の低さはかなりのものですが、中でも八段は圧倒的。一般的に難易度が高いと言われる司法試験の約30%とも比較にならないほどの低さになっています。
しかもこれは難関の七段に合格してから10年以上修行を積んだ人による割合。日本の全ての試験の中で最も難しいとすら言われているのです。剣道経験者が八段を神様と感じるのも当然かもしれません。

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剣道八段の人数について!審査に通過する難易度もご紹介!

剣道の段位|④八段のさらに上は?

剣道の段位はかつて十段までありましたが、2000年以降、九段と十段の審査は廃止されました。つまり現在の段位としては八段が最高位です。
しかし剣道には段位に加えて「範士」「教士」「錬士」という称号もあります。称号と段位の関連性については、一時期は不明確だと言われてきましたが、平成11年に見直され、段位は「剣道の技術的力量(精神的要素を含む)」、称号は「これに加える指導力や、見識などを備えた剣道人としての完成度」を示すものと規定されています。
称号は、錬士なら六段、教士なら七段、範士なら八段に達した後に定められた年数を経過するなど条件を満たせば受審できます。最上位の範士の場合、八段取得後さらに8年経ち、地方代表団体での選考と推薦を経てようやく受審することができます。
合格のためには「人格徳操高潔なる者」であることも求められます。日本に数えるほどしかいない範士は一般の剣道家にとってまさに雲の上の存在ですが、八段の昇段審査を行う審査員は、この範士からさらに選ばれた人なのです。

まとめ

13歳で初段に合格したとして、最短でも33年間修行を続けなければ到達しないのが剣道の八段。
現実的には高段位は何度も落ち続け、さらに鍛錬を重ねて挑戦を繰り返すことになります。
剣道の段位は真に尊敬に値する、果てしない道のりなのです。

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スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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