ニューイヤー駅伝は、毎年1月1日に行われる男子の実業団日本一を決める駅伝です。学生駅伝の箱根駅伝とともに、お正月の風物詩として親しまれています。
箱根駅伝で活躍したルーキー選手から日の丸を背負う日本代表選手まで、陸上界のスターが集結。
今回は、厳しい予選を勝ち抜いたチームが競い合う、新年最初の駅伝の見どころや歴史を見ていきましょう。
ニューイヤー駅伝の歴史
ニューイヤー駅伝(正式名称、全日本実業団対抗駅伝競走大会)は、日本実業団陸上競技連合が主催する、男子の実業団日本一を決める駅伝です。
記念すべき第一回大会が開催されたのは1957年。三重県内をコースとした全7区間、83.5kmの駅伝としてスタートしました。
コースの監修をしたのはベルリンオリンピクックに出場した陸上選手の村社講平氏です。開催当初は早春の開催でしたが、1988年の第32回大会より1月1日に開催日が変更。開催地も群馬県となりました。
現在の全長100km、全7区間のコースとなったのは、2001年の第45回大会からです。テレビ放送が開始されたのは1988年。TBSや地元の群馬テレビが完全生中継を開始したことにより、お正月の風物詩として親しまれる駅伝です。
ニューイヤー駅伝の予選会と激戦区の東日本!
ニューイヤー駅伝に出場できるのは各地の予選会を突破した実業団チームのみです。前年の秋に東日本、中部・北陸、関西・中国、九州の6地区で予選が行われます。
第53回大会までは本戦の順位に応じたシード権がありましたが、現在は廃止。選手たちは厳しい各地の予選会を勝ち抜く必要があります。
各地域の予選会の中でも激戦区といわれるのが東日本予選です。ニューイヤー駅伝で上位に入るチームがひしめく東日本予選では、古豪と呼ばれるチームが予選落ちしたことがあるほど実力伯仲の競い合いを楽しめます。
ニューイヤー駅伝のコース
ニューイヤー駅伝は全7区間、全長100kmのコースです。数ある区間の中でも注目を集める区間をピックアップしてご紹介します。
インターナショナル区間の2区
2区は全7区間の中で最短の8.3kmの走行距離です。インターナショナル区間とも呼ばれる2区は全区間の中で唯一外国人選手がエントリーできます。
ベストタイムの良い外国人選手が集まる上に、走行距離が短いことからスピーディーな展開を楽しめる区間です。ごぼう抜きを楽しめる区間でもあり、目まぐるしい順位変動を駅伝序盤から楽しめます。
エースが集う最長距離の4区
ニューイヤー駅伝でエース区間と呼ばれるのが4区です。全区間の中で最長の22.4kmの長丁場で、選手の走りをじっくり楽しめます。前半は緩やかな下りですが、後半には緩やかな上りが続く厳しいコースも見どころの一つ。
お正月の風物詩になっている箱根駅伝を沸かせたスター選手や、日本代表選手も毎年多くエントリーしています。
2021年時点の区間記録保持者は、マラソンでも活躍する井上大仁選手の1時間3分57秒です。
最後の一瞬まで見逃せない栄光の7区
ニューイヤー駅伝を締めくくるアンカー区間の7区。15.5kmのコースは最後の最後まで目を離せません。
アンカーを走る選手は、自分や競う選手の持ちタイムから戦略を立てて走ります。記録より勝負に徹する展開も増えるため、最後まで緊張感のある区間です。
7区の名物になっているのが、ラストのスパート合戦です。順位を一つでも押し上げようと走る選手の勇姿を鑑賞してみてください。
ニューイヤー駅伝の見どころ
コースや区間の他にもニューイヤー駅伝ならではの見どころは沢山あります。一流のランナーが集うハイレベルな争いをより楽しむためのポイントをご紹介します。
強豪チームと区間記録
ニューイヤー駅伝、一番の見どころが優勝争い。優勝争いを繰り広げる強豪チームを知っていると、より駅伝観戦を楽しめます。
ニューイヤー駅伝でダントツの優勝回数を誇るのは旭化成。20回以上の優勝回数を誇る名門チームです。2021年時点、ニューイヤー駅伝のコースレコードは旭化成が記録しています。
古豪の旭化成に対して、21世紀の駅伝王者と呼ばれるのが優勝8回のコニカミノルタです。8回の優勝は全て21世紀になってからのもの。優勝回数をこれからどれだけ伸ばしていくのかにも注目です!
優勝争いと並んで注目したいのが、各区間の区間賞。区間賞は、チームの順位を問わず、一区間を一番早いタイムで走ったランナーが獲得する賞です。未来の日本代表候補や実力のある選手を区間賞から見つけてみましょう。
日本屈指のランナーが集う
ニューイヤー駅伝一番の魅力が、箱根駅伝を走ったスターから日本代表クラスの選手が一堂に会する華やかさです。
トラックメインの選手からマラソンメインの選手まで、普段は同じレースで見られない組み合わせも楽しめます。
まとめ
日本代表選手や箱根駅伝を走った選手まで、スターが集うニューイヤー駅伝。実業団日本一を決める駅伝大会は個人の記録やチーム同士の競争の双方に注目です。
毎年テレビで生中継されているため、ぜひお正月に鑑賞してみてください。
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