富士山女子駅伝は、毎年12月30日に行われる大学日本一を決める駅伝です。坂道も多い厳しいコースでは、ごぼう抜きやどんでん返しも多く、劇的なドラマが生まれることも。
実力伯仲の大学同士が繰り広げる戦いと、富士山麓の雄大な景色を一度に楽しめますよ。
富士山女子駅伝とは?
2004年に創設された全日本大学女子選抜駅伝競走は、全国から選抜された大学のみが参加できる駅伝でした。2013年より富士山が世界遺産に登録されたのを記念してコースが富士山の麓に。コースに伴い大会名も富士山女子駅伝となりました。
開催日は毎年12月30日。女子大学駅伝を締めくくるにふさわしい競い合いを鑑賞できます。2006年までは全6区間30kmのコースでしたが、2013年以降は全7区間43.4kmのコースとなっています。
富士山麓のコースは起伏も激しく、レース展開も目まぐるしく変化。比較的新しい大会のため、区間記録や大会記録がどんどん塗り替えられるのも魅力の一つです。
大学女子駅伝で優勝チームに文部科学大臣杯が授与されるのは富士山女子駅伝と、10月下旬開催される「杜の都駅伝」のみ。杜の都駅伝に出場した上位12チームには、富士山女子駅伝の出場権が与えられています。
富士山女子駅伝の出場チーム数は24チームで、杜の都駅伝の上位12チーム、チーム7名の5000m記録が上位の10チーム、日本学連選抜、静岡学連選抜の2チームが出場します。
富士山麓という起伏の激しいコースで、大学長距離界のトップランナーの競い合いを楽しめるのが富士山女子駅伝です。
富士山女子駅伝のコースを紹介
富士山女子駅伝のコースを紹介。区間ごとの距離や見どころを解説します。
1区(4.1km)
富士宮市の世界遺産、富士山本宮浅間大社からスタートする一区。全区間の中で2番目に短い高速コースです。駅伝の流れを左右する一区には、短い区間ですが各校の有力な選手が集います。
2区(6.8km)
浅間大社前からスタートする2区の特徴は、高低差98mもある長い下り坂です。純粋な走力以外の坂道適性も試される3区。順位変動も見どころの序盤の山場です。
3区(3.3km)、4区(4.4km)
3区と4区はつなぎの区間とも呼ばれます。フラットで走りやすいコースが特徴です。短い区間が得意なスピードランナー同士のつば競り合いは見ていてハラハラさせられます。
4区の富士川河川敷で吹く強い風は、富士山女子駅伝名物の一つです。
5区(10.5km)
富士山女子駅伝の中でも山場となる最長区間の5区。各大学のエースが集う5区の長さは10km以上。
力のある選手によるごぼう抜きは大きな見どころです。チームの順位にも直結するエース同士の対決に注目しましょう。
6区(6.0km)7区(8.3km)
6区は田園地帯を走るフラットなコース。富士山女子駅伝の中では走りやすいコースですが、ランナーには勝負が決する後半区間という重圧がかかります。
7区は全区間の中でもトップクラスの過酷さを誇る最終区間です。走行距離は全区間の中で2番目ですが、コースの高低差は全区間ナンバーワン。4.6kmで169mという高低差は、社会人を含めた全国の女子大会の中でも類を見ない過酷さといわれています。
間近に富士山も迫る7区は富士山女子駅伝を象徴する区間の一つです。
最後まで順位争いから目が離せない臨場感やランナーのラストスパートに注目!
富士山女子駅伝の見どころ
大学女子駅伝の数ある大会の中でも富士山女子駅伝ならではの見どころをご紹介。
大学日本一を決める厳しい戦い
男子の駅伝大会は出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝が三大駅伝として親しまれています。
女子の場合、10月下旬開催の、杜の都駅伝と富士山女子駅伝が、チームで日本一を目指せる貴重な大会です。ちなみに、2013年に富士山女子駅伝と名前を改めて以来、優勝チームは立命館大学と名城大学のみです。
2013年~2017年まで立命館大学が4連覇、2018年~2020年までは名城大学が三連覇しています。2021年大会以降では、3年連続2位の大東文化大学を始めとする他大学の優勝にも、期待が集まっています。
スター選手も登場するプレイベント
富士山女子駅伝は、開催日の前から盛り上がりを見せます。ポスターや横断幕が飾られて街が賑わうだけでなく、オリンピックに出場した名選手も登場するプレイベントが開催。
2013年~2020年までは、マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子選手が講師のランニングクリニックが開催されていました。
世界遺産の麓を走るコース
世界遺産にも登録された日本の象徴の一つ、富士山。富士山の麓という景観豊かで起伏に飛んだコースも魅力の一つです。百人一首にも登場する田子の浦、富士山本宮浅間大社、雪の積もる美しい富士山など、選手たちの姿と合わせてコース周辺の景色を見るのもおすすめ。
データによると富士山女子駅伝が開催される、12月30日の午前中に富士山を見られる確率は80%とのこと。高確率でそびえる富士山と、選手たちの熱闘を一度に楽しめますよ。
まとめ
一年の締めくくりに大学日本一を決定する富士山女子駅伝。
世界遺産にも登録された富士山麓のコースは、起伏があり選手にとっては厳しいコースです。
大学長距離界のトップ選手のみが出場できる駅伝で、選手たちのタスキを繋ぐ姿や、走りをご覧になってみてはいかがでしょうか。
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