近年は野球のMLBで多くの日本人選手が活躍し、バスケットボールのNBAでも八村塁選手や渡邊雄太選手がトップレベルの実力を発揮しています。
では北米4大プロスポーツのひとつ、アイスホッケーのNHLには日本人選手はいるのでしょうか。
今回は、NHLの日本人選手をご紹介。
NHLの年俸事情についても解説します。
【NHL】日本人選手
アイスホッケーが盛んではない日本。その日本生まれの選手にとってNHLはかなり高い壁です。
実は近年、フィリップ・トマシノ、ライアン・スズキ、ニック・スズキ、カイラー・ヤマモト、タイラー・イナモトといった名前の選手がNHL選手になっています。しかし彼らはいずれも外国籍の日系人。生まれも国籍も日本ではありません。
しかし過去には、ごく少数ながら日本人のNHLプレーヤーも誕生しています。
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三浦浩幸
三浦浩幸選手は1998年長野冬季オリンピックの男子アイスホッケー日本代表だったディフェンダー。
北海道釧路市出身の彼は1992年にNHLモントリオール・カナディアンズにドラフト指名(全体260位)されました。
きっかけは長野オリンピックを前にジュニア代表候補の強化を目指して行われた「フェニックスカップ」。
1991年夏に第1回大会を主催し、カナダ、アメリカ、ソ連のU18代表チームを招いたこの大会にはカナダとアメリカの注目選手が数多く出場したため、NHLのスカウトたちも集まりました。三浦浩幸選手はそこでスカウトの目に留まり、日本人初のドラフト指名選手となったのです。
しかしNHLではドラフト指名されても下位はマイナー契約となり、まずは下部リーグで経験を積むのが一般的。三浦選手がNHLのリンクを踏むことはなかったため、残念ながら日本人NHL選手の一人には数えられていません。
福藤豊
三浦選手と同じ北海道釧路市生まれの福藤豊選手は高校在学中にU18、U20日本代表に選出され、卒業直後には18歳7か月の若さでシニアの日本代表メンバーに選ばれたゴールキーパー。
日本リーグでプレーした後、NHLの2つ下のリーグとなるECHLに一年間在籍。再び日本リーグに戻ると、2004年6月のNHLドラフトで日本人二人目となる指名を受けました。
ロサンゼルスキングスの8巡目、全体の238番目だった彼はマイナー契約となりECHLで開幕を迎えます。
しかし一つ上のAHLに昇格したあと、2007年1月13日のNHLセントルイス ブルース戦に第3ピリオドから出場。記念すべき日本人初のNHLデビューを飾ったのです。
この試合では、相手チームの選手がパスを止めずに直接シュートするワンタイムシュートを放ちましたが、福藤選手は素早い動きで左足を伸ばしてスーパーセーブ。そのプレーはアメリカのスポーツ専門テレビ局の番組で、全てのスポーツから選ばれた「トップ10プレー」に選出されました。
結局、福藤選手は先発も含めて4試合に出場。
その後活躍の場をヨーロッパに移したのち、日光アイスバックスに加入しています。
ジョーダン・スペンス
ジョーダン・スペンス選手は、オーストラリアのシドニー出身。
カナダ人の父と日本人の母を持ち、日本とカナダの二重国籍を持っています。
小学生時代は主に大阪で過ごしましたが、13歳でカナダに渡り、ジュニアのホッケー選手として活躍。
2019年のNHLドラフトの4巡目、全体95位でロサンゼルス・キングスに指名されました。
そして2022年3月10日にサンノゼ・シャークス戦でNHL初出場。
日本国籍2人目のNHL出場となり、3月26日には日本国籍でNHL初となる得点も上げています。
平野裕志朗
平野裕志朗選手は、今一番NHLに近いと言われている日本人選手。
北海道苫小牧市出身のフォワードである彼は、アジアリーグの東北フリーブレイズに加入後、海外挑戦制度を利用して1年目からスウェーデンのジュニアリーグに所属しました。
そして2018-19シーズンにはECHLのネイラーズで67試合に出場。19ゴール38アシストを記録しています。
さらに2019年からは昇格してAHLのWBSペンギンズ、2022年1月からはAHLのカナックスで活躍。NHLのカナックスのキャンプにも参加しています。
今後の昇格が非常に期待されている選手です。
NHLの年俸
日本人選手がなんとかして出場しようと挑み続けているNHL。
北米4大プロスポーツの一つであるNHLの年俸はどれほどになるのでしょうか。
北米4大プロスポーツの比較
北米4大プロスポーツには、最低年俸が設定されています。
つまりそれぞれのリーグに登録されていれば、最低でもその年俸は保証されるというもの。
2022年の最低年俸と最高年俸の選手は以下のようになります。
(1ドル=135円で計算)
バスケットボール(NBA)
ルーキー:$1,017,781(約1.4億円)
経験1年:$1,637,966(約2.2億円)
経験2年:$1,836,090(約2.5億円)
経験10年以上:$2,905,851(約3.9億円)
最高年俸:$48,070,014(約64.9億円)ステフィン・カリー
野球(MLB)
最低年俸:$700,000(約9,400万円)
最高年俸:$43,333,333(約58.5億円)マックス・シャーザー
アメリカンフットボール(NFL)
最低年俸:$705,000(約9,500万円)+経験年数により毎年$15,000増加
最高年俸:$61,500,000(約83.0億円)マシュー・スタッフォード
NBAはルーキーでも最低1.4億円もらえる世界。
MLBとNFLはほぼ同じで最低で1億円弱となります。これでもかなりの額。
ではアイスホッケーのNHLはどうかというと、以下のような額になります。
最低年俸:$750,000(約1.0億円)
最高年俸:$12,500,000(約16.9億円)コナー・マクディヴィッド
北米4大プロリーグの中では最も市場価値が低いと言われるNHLですが、最低年俸は実は野球やアメフトより上なのです。
ただしNHL(アイスホッケー)には団体交渉協定があり、給与の上限を設定しているため、最高年俸は他のリーグと比較すれば見劣りするものとなっています。
日本のアイスホッケー選手との比較
日本のプロアイスホッケー選手はアジアリーグに参戦します。
その年俸はトップ選手で1000万円ほど。
平均すると300万円台になると言われています。
それと比較すれば、NHLはまさに夢のような世界なのです。
まとめ
アイスホッケーを国技としているカナダや、子どもの習い事としてごく当たり前にアイスホッケーを行っているアメリカと比べて、日本ではアイスホッケーはかなりのマイナースポーツ。
その日本からNHLの選手になるのは、野球でMLBを目指すより何倍も難しいことなのです。
日本からNHLの選手を次々に輩出するためには、アイスホッケーが劇的に普及する必要があるかもしれません。
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