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スポーツにおける笑顔の効果とは?チームやアスリートを強くする!?

皆さんはどのような目的でスポーツをしていますか?

健康のため、仲間がいるから、いろいろあると思いますが、基本にあるのは「スポーツを楽しみたい」という気持ちです。笑顔でプレーしたり、観戦できたりしたら楽しいですよね。

今回は笑顔とスポーツについてあらためて徹底検証し、解説していきます。

東京五輪銀メダルの女子バスケや全英オープン優勝の渋野選手

このところ、レガシーとなったチーム・アスリートのなかで、「笑顔」が印象的だったケースが増えているように感じます。
たとえば、東京2020オリンピック・パラリンピックで銀メダルを獲得した女子バスケットチーム。

当時のヘッドコーチ、トム・ホーバス氏の激しい叱咤激励が話題になる一方、選手たちの明るい笑顔も目立ちましたね。そのことは、バスケットボール日本代表選手の『ありのままの姿』を伝えるYouTubeチャンネル『INSIDE AKATSUKI』で垣間見ることができます。

2019年のゴルフ全英オープンで、日本人として42年ぶりに優勝した渋野日向子選手。ラウンド中に笑顔でお菓子をつまむ姿は、海外でも人気を博しました。

2011年W杯優勝の「なでしこジャパン」と佐々木監督も

少し前なら、2011FIFA女子ワールドカップで優勝した当時のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」でしょうか。レジェンド澤穂希選手をはじめとした選手たちが佐々木則夫監督を「ノリさん」と呼びながらハツラツとプレー。
アメリカとの決勝でPK戦に向かう円陣での佐々木監督の笑顔も印象に残っています。

女子ばかりを挙げましたが、メディアなどで話題になったケースが多かったからでしょう。本当は男子を含めて、もっとたくさんのチーム・アスリートたちが笑顔で良い結果を残していたかもしれません。

女子バレーボールチームの日米の違いに驚愕

「笑って結果が出せるか?」
「楽しく練習して成長できるのか?」
そんな声も聞こえてきそうですが、確かにその疑問は残ります。

スポーツと笑顔を考えたときに思い出すエピソードがあります。

1981年、わたしが高校生のときに観戦した女子バレーボールのワールドカップ。地元で開催された日本対アメリカの試合で、幸いにも当日の試合前練習を見学することができました。

最初にコートに出てきたのは日本代表チーム。張り詰めた雰囲気の練習を見て「これが世界トップレベルの練習チームなんだ」と思いました。

驚いたのは、近距離から猛スピードで打たれるレシーブ練習。試合当日にもかかわらず、ある若手選手が集中的かつ徹底的にやられていました。見ていて怖かったほどです。

笑顔のチームが必ず勝つというわけではない

次にアメリカ代表チームです。逆の意味で驚きました。選手がみんな携帯音楽プレーヤーで音楽を聴きながら、バラバラにコートへ出てくるのです。中には大声で笑っている選手もいます。
練習中もキャッキャいいながらとても楽しそう。それでいながら、とてつもなく高い打点のスパイクをバシバシと打つ。

田舎の高校球児だったわたしは、両チームの違いに唖然としました。
結果はどうだったのか。もつれた試合でしたがアメリカが勝ちました。だから「笑顔のチームが強い」となれば話は単純なのですが、現実はそうではありません。

この試合はアメリカが勝ったものの、大会全体としては4位。一方の日本は準優勝という結果だったからです。

メンタルトレーニングの一環として笑顔がクローズアップ

あれから30年以上たった今、笑顔とスポーツはどのような関係になっているのでしょうか。

当時ともっとも違うのは、アスリートのメンタルトレーニングとして笑顔の役割がクローズアップされてきたことでしょう。たとえば、あるテレビ番組の企画で「笑顔と真剣な顔で100メートルを⾛るとどうなるか?」という簡易実験を行いました。

結果は、意識的に笑顔で⾛った場合は13⼈中7⼈のタイムが平均0.18秒縮まったといいます。また、野球の投球の場合は、笑顔の方が平均して12km/hも球速が上がったという結果が出ました。

「楽しむ」目的なら笑顔でプレーできるのがベスト

これらの情報だけで、「笑顔がアスリートのパフォーマンスを上げる」と結論づけるのは難しいかもしれません。

日本人の場合はどうなのか?
競技や種目、性別によって違いはあるのか?
技術レベルや、子どもと大人との違いは?

――など、確認すべき点が多く残されているからです。

しかし、これだけは言えるのではないでしょうか。

・笑顔が目立つスポーツやアスリートは話題になりやすい
・アスリートの笑顔を見ていると応援したくなる
・試合中に笑顔が多いスポーツは、子どもや周囲の人たちに薦めたくなる
・プレー中に自分の笑顔が多いと、実際のところ楽しい気分だ

皆さんはいかがですか。「楽しむこと」をスポーツの最大の目的にするならば、笑顔でプレーできることがベストなことは間違いありません。
大人はもちろん、子どものスポーツに関しては尚更そうでしょう。

「楽しむ」と「楽をする」。文字は似ているが全く違う

「楽しむ」と「楽をする」(≒さぼる)。

日本語にすると同じ漢字を使うので混同しがちですが、本当の意味は大きく違います。
笑顔で楽しんでいると、大人の指導者から見てさぼっているように感じるのでしょうか。厳しい叱咤の声が飛んできそうです。

日本サッカー協会(JFA)は「指導者の役割」について、次のように明言しています。

「それは一生懸命プレーする選手や子どもたちが楽しくプレーできるようにサポートすることです。楽しくプレーすることは、上達にもつながりますし、困難を乗り越えることにもつながります。一生楽しくプレーを続けることができれば、人生を豊かにすることにもつながります。そうしたサポートをするためにも、指導者自身が指導を楽しむことも大切です」

これはサッカーだけでなく、あらゆるスポーツの指導者に共通するミッション(使命)のように思えます。

まとめ

試合で笑っているからといって、練習で楽をしているアスリートはいません。これは誰もが知っていることです。

笑顔で楽しそうにプレーしているチームが世界に伍して戦っている姿を見ると、気分が良くなって応援したくなり、そして自分もプレーしたくなりませんか?

笑顔がチームを強くする効果や、アスリートのパフォーマンス向上に役立つことがもっと広く実証・実践されれば、そのスポーツの人気はきっと高まることでしょう。

笑顔のアスリートが多いスポーツを選ぶ――子どもの部活やスポーツクラブの選び方に、そんな視点が増えてくると嬉しいですね。



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燕沢新太郎

燕沢新太郎

Smiling first !笑顔のプレーヤーを増やしたい

練習で笑って試合でも笑う。これがスポーツの醍醐味、楽しさですよね。高校まで硬式野球、五十路なかばの現在も現役の草野球プレーヤーです。笑門来福!

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