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サービスマンとは!?スキー選手やスノーボード選手を裏で支える!

あまり耳馴染みのない人が多いかもしれない「サービスマン」とは、スキー選手のスキー板や、スノーボード選手のボードを専門にチューンナップする人のことです。

オリンピックなどでも裏方として活躍するスキーとスノーボードの整備士ですが、その仕事はチューンナップだけにはとどまりません。

ここでは多岐に及ぶサービスマンの仕事をご紹介します。

スキーやスノーボードのチューンナップとは

スキーもスノーボードも、道具を使って雪の上を滑るスポーツですが、雪の状態は環境によって大きく変わる上に、使う人の技量もさまざま。

購入したままのスキー板やボードでは、100%の実力を発揮することができません。そこでチューンナップが重要になってくるのです。

このチューンナップは、主にエッジ加工とワックスがけの2つになります。

エッジ加工

ターンのときの板の回転のしやすさとコントロール性に大きく影響するのが、エッジの角度。エッジに角度をつける作業を「エッジビベリング」と言います。

例えばスキー板の場合、雪面に早くエッジが早くかかってほしい場合には、滑走面の両端の角度(ベースエッジ)の角度を小さく、あまり引っ掛けずにスキーを横にずらしたい場合には角度を大きくします。

また板のサイド部分の角度(サイドエッジ)が基準より鋭角になるほどグリップ力は上がりますが、雪を噛みすぎて難しくなるというデメリットもあるため、そのバランスが重要となってきます。

一般レベルでも上達のためにはエッジの角度にこだわったチューニングが必要だと言われています。

ワックスがけ

塗っても塗らなくてもよく分からないという人も多いワックス。ところが、ワックスがないと滑走面が微妙に毛羽立った状態になり、雪との抵抗が大きくなってしまうのです。

メーカーはワックスを塗る前提でスキー板やボードを製造していますので、ワックスがけは一般レベルでも必須だと言えます。

ワックスには「パラフィン系(固形)」「フッ素系(固形)」「グラファイト系(固形)」「液体ワックス」「粉末ワックス」などの種類があり、それぞれに特徴があります。

塗り方で最も良いとされているのは、固形ワックスを専用のアイロンで溶かして滑走面に浸透させる「ホットワックス」とされています。

サービスマンとは?

スキー板やボードのチューンナップ職人の最高峰が「サービスマン」です。

サービスマンの主な仕事は、選手に帯同してのスキー板やボードのチューンナップであり、スキーにはスキーの、スノーボードにはスノーボードのサービスマンがいて、チームや選手個人の道具をチューニングします。

サービスマンの高度なエッジ加工

オリンピックやワールドカップに帯同するサービスマンの場合、選手の要求レベルも桁違いに違ってきます。

「エッジビベリング」には100分の1ミリ単位の技が求められます。しかも選手の滑降スタイルに合わせるだけでなく、世界の気象に対応するエッジ加工の技術も必要です。

海に面した地域や春先は、日中に一度溶けて夜に再び凍ることでザラメ状の雪になる場合があり、このような雪は直線の速度は出にくいのですが、エッジにはよく引っかかり、ターンしやすくなります。

一方、ヨーロッパの山地に多いアイスバーンのような雪は、速度は出やすく、エッジには引っかかりにくいのが特徴であり、標高の高い北米では人工雪と天然雪をミックスしたような独特の雪質になります。

このようにさまざまな雪質がある中、選手が最も滑りやすいエッジに加工していく技術が必要になるのです。

ワックスは数十種類

競技では雪の状態に合わせたワックス選びが非常に重要となってきます。準備が完了した時点で、結果には大きな差が出ているとも言われます。

そのためサービスマンは、会場の気温や湿度、雪の温度や硬さなど数多くのデータを細かく測定し、さらにサービスマンが実際に滑って雪質を確認し、その結果を考慮して、数十種類も持ち込んだワックスの中から、経験値で最適な一つを選びます

その後、選手のタイムトライアルなどでワックスを試し、さらに当日の天候などを見て最終的なワックスを決定するのです。

選手に最も近い仕事

サービスマンは道具のチューンナップだけでなく、試合会場や練習会場への送迎をすることもあります。

またチューンナップには選手の体調や精神状態の把握も重要なため、多くのコミュニケーションを取ることになります。時には選手とコーチの間に入って話すことや、相談に乗ることもあるのです。

アルペン競技などでは、スタート地点まで選手に同行して無事にスタートさせるのも重要な役割であるため、選手は最後にサービスマンに激励されてスタートを切ることになるのです。

選手との信頼関係

例えばアルペンスキー競技の場合、アイスバーンなら滑走順位が遅くても速度が落ちにくい一方、日本のような湿った雪の場合は滑走順位が遅い選手は追い上げが難しいなど、複雑な条件が絡み合ってきます。

選手の体調や、ターン時の引っ掛かりを少し怖がっているなどの精神状態もチェックするなど、チューンナップの方向はまさに無限と言えます。

スキーやスノーボード競技は、常に転倒の危険と隣り合わせの競技であるため、選手の安全を任されたサービスマンと選手の信頼関係がとても重要になります。

まとめ

スキーやスノーボード競技には欠かせない「サービスマン」。

中継で解説者が「いい滑りです」と褒めた場合、サービスマンが良い仕事をしたと言えるかもしれません。

選手の活躍を裏側で支える職人技にもぜひ注目してみてください。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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