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トップ選手への道のり

カポエイラのプロになるには?文化・哲学の紹介も!

格闘技をベースとした、一般向けエクササイズが広がってきています。ただ相手に勝つだけでなく、リスペクトし合いながら互いに高めていくことが楽しさです。

そこでいま、静かなブームになりつつあるのがブラジル発祥の「カポエイラ」。

その特徴とトップに立つための大事なポイントをまとめてみました。

カポエイラは勝敗のないスポーツ

どんなスポーツでも世界のトップに立つのは難しいですが、カポエイラはとくに難しいです。なぜなら、本来は勝敗がないスポーツなのです。

カポエイラ(カポエラとも呼ばれる)はブラジル発祥の格闘技の一種といわれています。総合格闘家のなかにもカポエイラをベースとして戦っている有名選手がいます。

そのため、一般に格闘技と認識されることが多いのですが、本当は違います。格闘技とダンス、音楽などが融合したブラジルのスポーツであり、正しくは伝統芸能なのです。

元々は16世紀に、アフリカからブラジルに送られた奴隷の人々が、自らの護身術としてあみ出して発展させてきました。音楽とダンスの要素は、雇い主たちの目をあざむくためのカモフラージュのため。

カポエイラの技として印象的な蹴り上げるような鋭い後ろ回し蹴りは、カポエイラの一側面でしかないのです。

ユネスコの無形文化遺産に認定されている

カポエイラは2014年、ユネスコの無形文化遺産に認定されました(Capoeira circle=「カポエイラの円陣」として)。日本で認定されているのは、歌舞伎などの伝統芸能やお祭り、工芸品などがあります。

ユネスコでも、「カポエイラはアフリカ系ブラジル人の、文化的慣習であると同時に戦いと踊りであり、伝統とスポーツ、さらには芸術の形として解釈することができます。」と定義しています。

エクササイズやフィットネスとして女性に人気

カポエイラは、円になって特有の楽器を演奏しながら歌をうたい、それらのエネルギーを感じながらダンスの要素を含む円運動などを使って1対1で演武します。教室で習う場合は歌と演奏がない場合があります。ストリートダンスのダンスバトルに似ているかもしれません。

ダンスや音楽を入り口として、カポエイラを始める人も珍しくなく、想像以上に激しくスピーディな動きが求められるため、最近はエクササイズやフィットネスとして、女性からの人気が高まっています。

キッズクラスを併設している教室も多いようです。最初は教室や道場に通って、基本動作を習うことから始め、専門の道場や教室だけでなく、ダンススタジオがレッスンのひとつとしてカポエイラを導入しているところもあります。

まずは会社や自宅付近で習える教室を探してみましょう。

カポエイラのルール

カポエイラのルールは、世界に多く存在する流派によって違っていますが、大枠としては以下の通りです。

・勝敗はつけない
・蹴りなどの攻撃を相手に当てない
・相手の攻撃に当たらないようにする
・両手両足、頭以外は地面に着かない――など。

勝敗はつけないながらも、試合や大会は存在します。その際は格闘技としての勝敗ではなく、演武の採点法で決します。空手の形をイメージすれば理解しやすいかもしれません。

世界カポエイラ連盟(WCF)が主催する大会で日本人が優勝したこともあります。

格闘家への道か指導者・伝道者になるか

トップのカポエイラ選手を目指すなら、カポエイラの動きを発展させて格闘家になるか、カポエイラを極めて指導者・伝道者の道を進むかの2択になります。格闘家の道を選びたい方は、他の格闘技も並行して練習すべきです。

カポエイラに関しては、体のキレを高めたり動きや技を取り入れたりするためのスポーツと考えましょう。実際にほかの格闘技と戦った経験のある指導者でも、カポエイラの動きのみで勝つのは難しいと述べています。

指導者・伝道者になるために国内で練習を積むことは可能ですが、やはり本場ブラジルで修行することが大事。カポエイラが伝統芸能である以上、ブラジルの文化や歴史、生活を現地で身をもって学ぶことは大きな意味をもちます。

日本人で師範(Mestre=メストレ)レベルまで上達した人の多くは、現地で学んだ経験があるようです。

文化・哲学を学ぶプロセスこそがトップへの道

現在は世界160か国に学ぶ人がいるというカポエイラ。そのルールや昇段基準は流派やメストレによって様々です。それを統一してスポーツとして確立し、将来はオリンピック種目にしようとしているのが前述のWCF(世界カポエイラ連盟)です。

WCFの本部はエストニアにあり、スポーツとしての側面を強調するWCFに対して様々な意見があり、統一化は簡単ではなく、2021年10月現在、WCFの日本支部はありません。

個人の競技者としてWCFに登録している日本人は13人。WCFが主催する世界大会で優勝しても、それだけでトップ選手になったとは言い切れません。

尊敬する師匠を見つけて練習を重ね、ブラジル文化やカポエイラの哲学を学ぶプロセスこそがトップ選手になるために必要な事です。

まとめ

格闘技やダンス、音楽、伝統芸能という多彩な顔をもつカポエイラ。

だからこそ、学ぶ楽しさが増すのかもしれません。

ダイナミックで相手の意表を突くような動きは、格闘技としても得るものが大きいはずです。

ブラジルや南米の文化・ライフスタイルが心地よく感じる方にとってカポエイラは、本気でチャレンジする価値をもつスポーツといえます。



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燕沢新太郎

燕沢新太郎

Smiling first !笑顔のプレーヤーを増やしたい

練習で笑って試合でも笑う。これがスポーツの醍醐味、楽しさですよね。高校まで硬式野球、五十路なかばの現在も現役の草野球プレーヤーです。笑門来福!

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