アーチェリーはとてもシンプルなスポーツで、弓を使用して矢を的に当て、その得点を競うものです。
自分の体格や力量に合った道具を使用できることから、年齢や性別を問わず、また障害を持った方も無理なく競技に参加することができます。
オリンピックを目指すトップアーチャーから、生涯スポーツとして楽しむ人まで、幅広く楽しむことができ、また奥が深いスポーツでもあります。
世界中で楽しまれているアーチェリー。
今回はその起源から、どのような内容の競技があるのかを解説致します。
アーチェリーの起源・歴史について
アーチェリーの起源は紀元前2万年頃、狩猟のために弓矢を使用したのが始まりとされています。
その後、武器として使用されるようになりました。
やがて、鉄砲の登場で表舞台から姿を消したアーチェーリーがスポーツとして確立されたのは、16世紀にイギリスの王ヘンリー8世によって開催された,アーチェリーのコンテストがきっかけでした。
日本では、1947年に結成された「日本洋弓会」が、1956年に「日本アーチェリー協会」と改名され、同年「日本学生アーチェリー連盟」が成立された頃から本格的にアーチェリーが行われるようになりました。
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アーチェリーと関連のあるスポーツ・派生したスポーツ
日本にはアーチェリーと似た競技に、古来弓道があります。
同じように弓を使用し的に矢を当てるといった競技内容に何が違うのかと疑問を持つ方もいるのでしょう。
ここでは、アーチェリーと弓道はどこが違うのか解説いたします。
アーチェリーと弓道の違いは、一言でいうと目的が違います。アーチェリーは練習により命中精度を高め、得点を競うスポーツであるのに対し、弓道はその立ち振舞や型など精神の鍛錬を目的とした武道になります。
技術的な部分でいろいろと違いもありますが、道具を見るとその目的の違いがよくわかります。弓道の弓や矢は昔からほとんど進化していません。
こうしたことから正しい型の習得が難しく、正しく引かないと怪我をすることもあるため、初心者は的前に立つのに半年ほどかかると言われます。
これに比べ、アーチェリーは初心者でも体に合った道具を使用し、直ぐにでも的前に立って矢を放つことが可能です。
どちらが良いといったことはなく、目的を理解した上で楽しむことができたら良いのではないでしょうか。
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アーチェーリーの競技人口について
アメリカやイギリス、また競合国であるお隣、韓国などでは盛んに行われているアーチェリー競技ですが、日本では残念ながらまだまだメジャーとは言えません。
アーチェリーの競技人口は1万2,000人ほどと言われます。先述の弓道と比較すると弓道連盟に登録している人数が12万6,000人とアーチェリーと比べ、はるかに多くの人が弓道をおこなっています。
ただ、他のメジャーなスポーツに比べ競技人口が少ない分、努力によっては表舞台に立ちやすい競技ともいえます。実際アーチェリーを始めて、2~3年で全国大会へ出場した選手がいるほどです。
アーチェリー競技について
アーチェリーは非常に多くの競技形態のあるスポーツです。
基本的に弓を使い、矢を的に当てその得点を競うといったシンプルなものですが、的までの距離やフィールドの形状などによって形態が変わります。
では、日本で行われている3つの競技について解説いたします。
アウトドアターゲットアーチェリー
省略して「ターゲット」とも呼ばれている競技形態で、屋外で地面の平坦な射撃場から、4つの距離(男子90、70、50、30m・女子70、60、50、30m)に設置された的に向かいそれぞれの距離で36射、合計144射しその得点を競う競技です。
弓の形により「リカーブボウ」「コンパクトボウ」「ベアボウ」の3部門があります。
オリンピックではこの「ターゲット」をベースに競技が行われていますが、通常6〜7時間ほどかかる競技内容を、リカーブボウ部門のみ、120mの距離を72射で予選を行うなど、スピード化された内容で行われています。
フィールドアーチェリー
直径が4種類(20cm、40cm、60cm、80cm)計24の標的に3射ずつ打込み合計点を競う競技です。
ターゲットと同じようにアウトドアで行われますが、標的までの距離が表示されていないアンマークドコースがあったり、射撃場が平坦ではなく地形により変化するため射ち上げや射ち下ろしなどの姿勢の変化があったりと、ターゲットとは違うシューティングテクニックを必要とする内容となっています。
インドアアーチェリー
冬季などに行われることの多い屋内での競技です。
ルールについては、ほぼターゲットと同じですが、標的が直径40cm、距離は18mのみと標的サイズや距離が屋内用へと変わります。
1ラウンドは、1エンド3射で20本、合計60射するといったもので、1エンドの制限時間が2分と決められています。
世界から見た日本のアーチェリーの強さのレベル
アーチェリーの強豪国はなんといっても韓国です。
2021年に開催された東京オリンピック2020でも男子個人以外の4競技で金メダルを獲得、女子団体は1992年のバルセロナ大会以来、実に8連覇と圧倒的な強さを誇っています。
男子で韓国の次に強豪国と言われるのがアメリカで、イタリア、オーストラリアなどが続きます。女子は、韓国の他に中国、ロシアなどの名前があがります。
日本はというと東京オリンピック2020で、男子個人の古川高晴選手が銅メダル。男子団体でも銅メダルと2個のメダルを獲得し全体でメダル獲得数7位となりました。
今のところ韓国やアメリカには及びませんが、常にメダル候補として名を連ねている存在で、今後の活躍が期待できます。
まとめ
日本では、マイナーなスポーツであるアーチェリーですが、1984年のロスアンゼルスオリンピックで銅メダル、その後2004年のアテネ大会で銀メダルを取り「中年の星」と言われた山本博さんをはじめ、多くのメダリストを排出している注目すべきスポーツです。
年齢や性別を気にすることなく始められ、そして長く続けることができるアーチェリー。
その魅力を伝え広めていくのが今後の課題です。
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