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【アーチェリー】歴史をひも解く!最古の狩猟道具が人気スポーツに!

スポーツには、そのルーツが簡単に想像できるものと想像しにくいものがあります。アーチェリーは明らかに前者。古代の狩猟や戦で使われた武器がスポーツになったことは誰でも分かります。

ではいつ、どのようにしてアーチェリーはスポーツになったのでしょうか?

ここでは波瀾万丈なアーチェリーの歴史を探っていきます。

アーチェリーの歴史 スポーツ以前

人類が弓矢を使い始めたのは少なくとも紀元前2万年前の旧石器時代。10万年前から使われていた最古の狩猟道具だという説もあります。

そして弓矢の発明は人類史にとって大きな意味があったと言われています。それ以前、人類は野獣よりも弱い立場だったのが、長距離から攻撃できる弓矢によって逆転。人類が生存できたのは弓矢のおかげでもあるのです。

狩猟の道具であった弓矢はやがて戦いの道具に。世界各地の戦乱で弓矢が用いられ、国王や領主たちは競って優れた射手を集めました。

初めての競技会

狩猟や戦以外で弓矢を使ったのは15世紀のイギリスの民衆。オウムの形をした「パピンゴー」という的を射る大会が盛んに行われました。

公的なアーチェリー競技を初めて行ったのもやはりイギリスで、ヘンリー8世が1538年に競技会を開催したという記録が残っています。同じ年にはスポーツとして弓矢の技を競う「弓人協会」が発足。その影響で王室や上流階級の娯楽としてアーチェリーが流行しました。

武器としての衰退

弓矢は狩猟や戦の武器として長い間活躍してきましたが、やがてその主役の座を銃に奪われます。ここで弓矢は一度、歴史の表舞台から姿を消すのです。

アーチェリーの歴史 スポーツとしての発展

弓矢を取り巻く状況が変わったのは、19世紀のイギリスとアメリカ。それぞれの地でアーチェリーがスポーツとして発展していきました。

イギリスでのアーチェリー人気

イギリスではアーチェリー場は社交場のようなものとなり、貴族のスポーツとして各地で親しまれました。もっともこの頃には的までの距離などに決まったルールはなく、それぞれのアーチェリー場の大きさに合わせて競技が行われていたそう。

18世紀には182mの距離で競技が行われ、888本中5本しか当たらなかったという記録も残っています。

ヨークラウンドの導入

1844年に、現在の距離に近いヨークラウンドのルールが導入されます。ヨークラウンドは100ヤードから72本、80ヤードから48本、60ヤードから24本、合計144本を射るもので、現在の1440ラウンドというルールの原型になっています。

それぞれの距離は、100ヤードが約91m、80ヤードが約73m、60ヤードが55m。その後1931年にルールがメートル法に変更され、100ヤードは90mといった距離に変更されました。

アメリカでのアーチェリー人気

一方、アメリカでアーチェリーが流行ったのは南北戦争が終わった1870年代。こちらではネイティブアメリカンの武器だった弓術がアメリカ市民の間で社交スポーツとして復活し、競技や娯楽として楽しまれるようになったのです。

アメリカアーチェリー協会の設立

アーチェリーがスポーツとして人気を集めた1870年代末には、アメリカ全土に100ほどの弓術クラブが林立。各クラブの活動を連係するために協会が必要になりました。そこで1879年、ボストンでアメリカアーチェリー協会が発足。第1回競射大会がシカゴで開かれました。

ところがアーチェリー人気はその後の5年間で一気に後退。その理由は、技術の習得や道具の修理保管が難しすぎたからだと言われています。またちょうど同じ時期にテニスや自転車、野球やゴルフなど他のスポーツが流行ったことも逆風となりました。

オリンピック競技に

オリンピックで初めてアーチェリーが行われたのは、1900年の第2回パリ大会。それから1920年の第7回アントワープ大会までは実施されていましたが、以後アーチェリーは競技から外れてしまいます。

人気の浮き沈みが激しいアーチェリーは、長い期間、オリンピックでも冷遇されることになるのです。

復活したのは1972年の第20回ミュンヘン大会。1988年の第24回ソウル大会からは団体競技が追加され、2021年の第32回東京大会では初めて混合団体競技も行われました。

今後はコンパウンド競技も追加される可能性があると言われています。

アーチェリーの歴史 日本のアーチェリーの歴史

日本にアーチェリーが広まったのは、アメリカに移り住んだ日本人の影響です。昭和初期、日本で和弓を学んだ日本人がアメリカに移住後も和弓の道場を開き、修練を続けました。それがきっかけでアメリカのアーチェリー選手との交流がスタート。

1936年にはアメリカで日米親善競射大会が開かれました。その後、帰国した日本人がアーチェリーを日本に紹介。これが日本でも広まるきっかけとなりました。ゴルフやテニス、ボウリングなどは在日外国人が広めたものでしたが、アーチェリーは日本人が逆輸入したのです。

戦後の1947年には「日本洋弓会」が発足。1959年には初の全日本大会が開かれました。オリンピックには1972年のミュンヘン大会から参加。1976年の第21回モントリオール大会では男子個人総合で道永宏選手が早くも銀メダルを獲得しています。

その後、低迷期もありましたが、近年は多くの日本人選手が活躍。日本のアーチェリーは歴史が浅いにもかかわらず、世界の強豪の一角に食い込んでいるのです

まとめ

武器として数万年の歴史を持つ弓矢。スポーツとなったアーチェリーはさまざまな浮き沈みがありながらも、現在では人気競技となっています。

近年は器具の技術革新も進むアーチェリー。今後はどのような進化を見せてくれるのでしょうか。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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