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トップ選手への道のり

【ボート競技】プロ選手になるには!?日本人選手も紹介!

以前、「幼少のころから始めていなくても、オリンピックに出場可能な競技はあるか?」という記事で、「ボート競技」が挙げられていたことがありました。

理由としては、「競技人口が少ない」ことや、「経験値が左右するスキル面を、トレーニング次第で向上が見込めるフィジカルでカバーできる」などだったと記憶していますが、「ライバルが少ないというだけで、オリンピックに出られるほど甘くないだろう」と感じたことを思い出します。

ボート競技を見る機会は多くはありませんでしたが、選手のパンパンの太腿を見ただけで、半端ではないトレーニングが要求されることは容易に想像できます。

有史以前から移動や物流の手段として利用されてきたボートが、どのようにして「競技ボート」として成立したのか?世界にはどんなトップ選手がいるのか?などをご紹介します。

ボート競技とは(起源・歴史)

そもそもアフリカで誕生した人類が全世界に拡散する「グレートジャーニー」の行程で、海路を渡る際には「ボート」が不可欠だったと思います。

古代から人々の重要な乗り物であった「ボート」は、水上のスポーツとしても親しまれてきましたが、中世以降には現在のボート競技に近いかたちで定着し、現在では『アマチュアリズムの真髄を守るスポーツ』として、ヨーロッパを中心に高い人気を誇っています。

オリンピックへの参加については、第1回のアテネ五輪(1896年)以外の全大会へ連続して参加しています

日本のボート競技の起源としては、「江戸時代の末期に、長崎でオランダ人がボートを漕いでいた」という話が伝えられていますが、正式な記録としては安政2年(1855年)に長崎の海軍伝習所で「カッター艇の乗艇訓練」が行われたという記録が残っています。

ボート競技のプロ選手

世界の名選手

○スティーヴ・レッドグレーヴ選手(イギリス)

ロサンゼルス五輪(1984年)からのシドニー五輪(2000年)まで、世界中で5人しかいない「5大会連続で金メダルを獲得」した、『イギリス史上最高のオリンピック選手』とも称されている名選手。

世界選手権でも「金10個+銀2個+銅1個=合計13個」のメダルを獲得しています。

○エリサベタ・リパ選手(ルーマニア)

オリンピックで獲得したメダルは通算で「金5個+銀2個+銅1個=合計8個」にのぼり、ボート競技における『男女合わせて最多の金メダル獲得数』を誇るルーマニアの女子選手。

「スウィープ」と「スカル」の両種目での金メダル獲得も讃えられており、現在はルーマニアの「スポーツ大臣」を務めています。

日本の名選手

○中野紘志選手

石川県出身で、一橋大学入学と同時にボート部に所属して競技人生をスタートし、世界U23ボート選手権(2009年・チェコ)で「男子軽量級舵手無しフォア」で銀メダルを獲得。

リオ五輪(2016年)では、軽量ダブルスカルで大元英照とペアを組んで出場し、アジア・オセアニア大陸予選で「2位入賞」という成績で本大会に臨み、決勝に進出し「15位」となりましたが、東京五輪(2021年)の国内最終選考レースで惜しくも敗れ、パリ五輪(2024年)では主戦としていた「軽量級カテゴリー」が無くなることもあり、惜しまれつつ現役を引退しました。

○武田大作選手

シドニー五輪(2000年)とアテネ五輪(2004年)で、日本のボート選手ではオリンピックの最高記録となる「6位入賞」を勝ち取った「日本のボート競技の第一人者」。

アテネ五輪の時には、3位のギリシャと『1秒差』で惜しくもメダルに届きませんでしたが、全日本選手権では男子シングルスカル(1997年)で優勝して以来『7年連続』など合計11回の最多優勝記録を保持しています。

○小日向謙一選手

歯学部を卒業し「歯科医師免許」と「博士号」を所持している異色の経歴を持つ選手。

世界選手権(1994年)に軽量級ダブルスカルで出場して「11位」、同年のアジア大会では3大会ぶりの「金メダル獲得」を果たしました。

大学院生時代に「全日本選手権」「全日本大学選手権」「全日本軽量級選手権」の史上初の3冠を達成した選手として知られています。

ボート競技のプロ選手になるには(道のり)

ボート競技のプロ選手になるための方法には、これという決定版は存在しませんが、ボート競技の強豪校のボート部に入部することから始めることが一つの入り口になると思いますので、高校と大学の強豪校をご紹介します。

また、日本ボート協会が「どのような選手を育てたいのか?」が分かる参考資料として、2020年東京五輪でのメダル獲得を目指して発表した基本的な「強化戦略プラン」と、様々な競技から将来のボート選手を発掘、強化を進めるために実施した[ボート競技・新規・種目転向型「トライアウト」]についてもご紹介しておきます。

強豪校(高校)

1.埼玉県立浦和商業高等学校(埼玉県)

2.成城高等学校(東京都)

3.渋谷教育学園渋谷高等学校(東京都)

4.渋谷女子高等学校(東京都)

5.水本学園高等女学校(福井県)

強豪校(大学)

1.早稲田大学

2.慶應義塾大学

3.中央大学

4.日本大学

5.一橋大学

強化戦略プラン

2014年、日本ボート協会の強化委員会は、2020年東京五輪に向けた国際競技力の向上とメダル獲得の実現に向けて、その基本的な「強化戦略プラン」を発表しました。

○Vision

競技力、普及、ガバナンスの全ての面で世界の強豪国となり、世界レベルでの大会におけるFinalA進出クルーを排出し、究極の目標であるオリンピックでのメダル獲得を実現する。

○Objectives「最大酸素摂取量の向上」

○Strategies「世界で競い合うトップアスリートの育成・強化」

○ボート界における透明性や公平・公正性の向上

○Specific Strategies「世界で競い合うトップアスリートの育成・強化」

○心理支援・栄養

○強化体制の役割分担とコーチの評価方法

ボート競技・新規・種目転向型「トライアウト」

日本ボート協会が「タレント発掘・一貫指導育成事業」として、2020年東京五輪でのメダル獲得を目指し、様々な競技から将来のボート選手を発掘、強化を進めるために実施しました。

五輪でメダル獲得を目指す人たちにできるだけ多くの挑戦をしてもらえるよう全国の20カ所で開催した「自転車エルゴ(Wattbike)を用いた「トライアウト」で、成績上位者には各人に合わせた「育成プログラム」がプランされて、国内や海外での強化合宿への参加などが実施されました。

まとめ

ボート競技の強国としては、オリンピックで通算合計89個のメダルを獲得しているアメリカ、68個のイギリス、48個のドイツ、女子種目での活躍が目立つルーマニアなどが挙げられます。

日本選手のオリンピックでの成績は、シドニー五輪(2000年)、アテネ五輪(2004年)、東京五輪(2021年)に記録した「男子6位」が最高で、まだメダル獲得には至っていません。

これから日本にも有望な若手選手が登場して、中野選手や武田選手、小日向選手といった先輩たちを超えるような成績を上げ、いつかオリンピックのメダルを獲得する日が来ることを期待しています。

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ボート競技の歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】



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