囲碁を本気でやっていくと、プロ棋士になりたいと思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、テレビやメディアで、プロ棋士を見ることはあっても、どうやってなったら良いのかわからないといった人もいると多いと思います。
プロ棋士になると、囲碁をすること(対局)でお金をもらうことが出来ます。
もちろん、メインの仕事は対局をすることですが、対局をする以外にも囲碁の普及も重要な仕事です。
囲碁の普及活動として、囲碁教室やイベントへの参加、近年では海外へ棋士派遣、インターネット対局サービスを使っての囲碁指導などもプロ棋士が行います。
そういった幅広い活動をすることがプロ棋士の役割です。
ではそのプロ棋士はどうなれば良いのでしょうか。
今回は意外と知らない囲碁のプロ棋士になるまでの道のりとその段位について解説します。
【囲碁】棋士になるためには院生になる必要がある!?
囲碁のプロ棋士になるためには、まず例外を除いて「日本棋院」もしくは「関西棋院」の院生になる必要があります。
院生になることでプロ試験の時に有利になるため、プロ棋士を目指すほとんどの方がどちらかの棋院に所属しています。
しかし後で述べますが、プロ棋士を目指す子どもたちは日本棋院の院生になる場合が多いです。
では「日本棋院」と「関西棋院」、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
日本棋院
日本棋院はプロ棋士数・院生数が日本一の機関で、東京本院・中部支部・大阪支部の3ヶ所存在します。
誰でも院生になれるわけではなく、年齢制限と必要な棋力が定められています。年齢は14歳になる年度末までで、必要な棋力は14歳で東洋囲碁・野狐囲碁の六段程度と言われています。
院生試験は1月、4月、7月、10月にあり、年齢制限があるので、14歳未満なら早めに何歳でも受けることが出来ますが、日本棋院院生制度規定に「合格後、3ヶ月を試用期間とし、院生として継続が難しいと師範が判断した場合、辞退して頂きます。」と記されており、実力が伴ってから受験することをお勧めします。
院生はレベル別でクラスが分けられており、それぞれ約10名ずつでA~Eクラスまであります。
Cクラス以下になると、ほとんどが小学生で、毎年6名がプロ棋士になっていることから、Aクラスに所属していないと、プロへの道はかなり厳しいです。
院生は日本棋院東京本院で行われるプロ試験を受ける必要があり、そこで見事合格すれば、プロ棋士として活動できます。
日本棋院東京本院で行われる試験は以下のようなものがあります。
・夏季棋士採用試験:院生のみが参加することができる試験で、4月から6月の院生研修で総合1位になることでプロ棋士になることが出来ます。
・冬季棋士採用試験:「外来予選」「合同予選」「本戦」の3次試験まであり、外来予選が8月上旬スタートで、本戦が終わるのは11月末です。
「外来予選」は現役院生以外の23歳未満の男女で、審査を通った者が参加することができ、そこで勝ち抜いていくと合同予選に進むことが出来ます。
「合同予選」から現役院生のBクラスが参加し、上位6名が本戦に進みます。
本戦では院生Aクラスが参加し、上位2名がプロ棋士になることが出来ます。
・中部総本部所属棋士採用試験
・関西総本部所属棋士採用試験
・女流棋士採用試験
こちらの3試験では各1名ずつがプロ棋士になることが出来ます。合計6名が毎年プロ棋士となるのです。
関西棋院
関西棋院は日本棋院とライバル関係にある機関で、日本棋院と比べて院生数は少ないです。
関西棋院でプロ棋士になった場合、日本棋院主催のプロ棋士戦に参加することが難しくなるといったハードルがあります。
関西棋院生になるためには男子が13歳未満、女子が15歳未満で、棋力は東洋囲碁・野狐囲碁の五段程度が必要です。
関西棋院からプロになるには、研修手合いで初段格となり、初段格で12勝4敗を達した月にプロ合格となります。
つまり、日本棋院と違って定期的な試験がないため、プロが誕生しないこともあります。
そういった制度が設けられているため、関西棋院はレベルが高くかなり実力主義ということです。
日本棋院は23歳未満でないとプロになることが出来ませんが、関西棋院は大人になってもプロになることが出来ます。
男性であれば満26歳で、女性であれば満30歳でプロ試験を受けることが出来ますが、決められた大会で優勝している必要があるなど、条件はかなり厳しいです。
そして、参加費は50万円とかなり高めに設定されています。
【囲碁】段位
プロになってからも段位というクラス分けがあり、初段から九段まで分けられています。
段位が上がることによって参加できる大会や賞金が変わり、プロ棋士は日々精進し昇段を目指しているのです。
プロ棋士の昇段制度は2003年4月に制定されました。
段位を上げる方法は「タイトル獲得による昇段」「勝数による昇段」「賞金ランキングによる昇段」があり、いずれかの方法で条件を満たすことができれば、見事昇段です。
まとめ
今回は囲碁のプロ棋士になる方法とその段位について解説しました。
今回解説した通り、囲碁のプロになるには年齢制限があり、大人になってからでは目指すことが出来ません。
そのため、子ども頃から囲碁のプロになるために、努力を重ねる必要があるのです。
若いプロ棋士が活躍している現在、どういった棋士が登場してくるのかこれからの盛り上がりが楽しみです。
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