ペタンクは目標とする球に向けて金属製のボールを投げ、対戦相手よりその的に近づけることで得点を競うというゲームで、パラリンピックでも注目されたポッチャに似た競技です。
発祥国はフランス、マイナースポーツと思いきや500万人以上の方々が楽しんいると言われ、なんとサッカーに次いで盛んだとも噂されています。
今やフランスから世界へ普及が進み、もう一つのオリンピックともされるワールドゲームスでも競技が行われるそのペタンクについて今日はご紹介していきます。
ペタンクの起源・歴史
1910年、南フランスにあるラ・シオタという港町が発祥とされています。
その名前の由来は南フランスのプロヴァンス地方の方言でピエ-タンケ、すなわち両足を揃えると言う意味からだと言われています。
実は両足を揃えて投げるのがペタンクのルールでもあり、その由来は納得できるところですね。
そのペタンク、一説によると実は中世に生まれた伝統的なスポーツともされています。
ひょっとするとさらにその原型は紀元前10世紀頃ではないかとも推察されています。
元来、人間は石を使って獲物を取る、石と生活は大変近いものでした。
その石を獲物に正確に投げる技術は生きていくために必要な術であったとも言えます。
その過程の中で人間は扱いやすくするために石を丸くすることを覚え、さらにその生活の術そのものが遊びとなりました。
ペタンクは標的に向けてボールを投げるシンプルなスポーツでもあり、紀元前の人間のそんな生活の一部からやがて生まれたスポーツと言っても過言ではありませんね。
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ペタンクの用具やルール
用具
ブール:プレイヤーが投げる金属製のボールで重さは650g~800g
ビュット:的になる木製若しくは樹脂製のボールでブールよりも小さい
メジャー:どちらのブールがビュットに近いかを計測するために使用
ルール
①先攻のチームが地面に半径30cm~50cmの円を描く
②ビュットの位置はその円から6m~10mに設定
③先攻の1投目の投てきで試合開始
④先攻の後、後攻が一投目を投てき。
⑤先攻の1投目がビュットにより近ければ後攻の攻撃はそこで終了
⑥先攻より遠い場合は、後攻は続けて2投目を投てき
⑦相手チームよりもビュットに近づけられたら攻守交代、遠かったら遠いチームが連投する、これを繰り返す
⑧シングルス、ダブルスの持ち球は一人3球ずつ、トリプルスは一人2球ずつ
⑨両方のチームの球がなくなったら試合終了しスコア計算
⑩一番ビュットに近い球のチームのみ得点、これで1メーヌ終了
※メーヌとはフランス語のターンの意
⑪この要領で先に13点をとった方が勝ち
ボールの投げ方
①ルーレット:ブールをビュットに向かって転がして寄せる
②ドゥミポルテ:ビュットまでの中間にブールを投げ落とし転がして近づける
③ポルテ:ブールを高く投げビュットの間近に落とす
④ティール:ビュットにブールをノーバウンドでヒットさせる
ペタンクの日本での大会や世界大会について
公益社団法人日本ペタンク・ブール連盟の公式ホームページによると、日本での最初の大会が開かれたのは山梨県石和町で1986年第1回日本ペタンク選手権大会の開催。
その後、現在に至るまで全国津々浦々で各種大会が開かれています。
男女ティールに始まり、男女別やジュニア、ベテラン、ミックスと区分されたシングルスダブルストリプルス、と数多くの種目が開催されています。
直近では2022年4月に開催された第32回高槻ペタンク大会に54チームが参加されました。
他、今年度富山県や神奈川県など同程度のチームが参加して盛り上がりを見せています。
少し古くなりますが、このページでは2019年のペタンク公認大会ポイントランキングなども見て取れます。
日本選手権やジャパンオープンなどの全国大会、そして各地で行われる地方大会のポイントが合算されてランキングされています。
さて世界に目を向けるとコロナ禍の影響からか2019年を最後に大会結果の公表はありませんが、2019年11月にカンボジアのプノンペンで世界ジュニアペタンク選手権が開催されました。
日本代表はトリプルスにおいてはシンガポール、チェコ、ポーランド、モーリシャス、ドイツと予選を戦い、2勝3敗で残念ながら予選敗退の結果となりました。
ティール個人戦でも予選27名中22位で残念ながら予選敗退、優勝はフランスチーム、世界の壁は高いことがわかります。
同時に世界女子ペタンク選手権大会も同じくカンボジアのプノンペンで開催されました。
日本代表はトリプルス予選で、チュニジア、ポーランド、スイス、スロバキア、アメリカと対戦し2勝3敗の結果で48チーム中32位の予選敗退、ティール個人戦も43名中29位で予選敗退となりました。
優勝チームのデータは不明でした。
こうなると男子はどうなのか気になりますね。
男子の大会は2018年カナダのデビアンで開催された記録がありました。
トリプルスではポルトガル、スロベニア、ノルウェー、デンマーク、イングランドと対戦し1勝4敗、42チーム中39位の結果となり予選敗退でした。
ティール個人戦は42名中30位で同じく予選敗退。
優勝チームのデータ公表なし。
ちなみにどの国が強豪なのか、カンボジアはかなり強いようで、他聖地のフランスやタイなども世界上位レベルだとされているそうです。
とにかく驚いたのは世界各国でペタンクが競技として成立していることです。
日本選手に頑張ってもらいたいですね。
まとめ
ペタンクは極めてルールもシンプルなら、場所も道具も簡便であり、誰もが気軽に楽しめるスポーツであることがわかりました。
日本のみならず世界各国で数多くの方々がペタンクを愛好しているのがわかりました。
世界の壁が高い、ぜひ日本選手が表彰台に上がる日を待ちわびましょう。
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