将棋セットを持っている人の多くが1度はやったことがあるはずの「将棋崩し」。
将棋を知らなくても遊べる将棋崩しは、大人から子どもまで楽しめるゲームです。
今回は、とてもシンプルですぐに遊べる将棋崩しのルールをご紹介。
実はユニークなローカルルールもあって、奥が深い遊びなのです。
【将棋崩し】ルール
将棋崩しは「山崩し」とも呼ばれている遊び。
他に「崩し将棋」、「どろぼう将棋」、「カッチン将棋」などとも呼ばれています。
この将棋崩しは、統括している協会などはなく、公式ルールは存在しません。
ただしゲーム内容はとても簡単。
基本的にはほぼ同じルールで行われています。
準備
必要なものは将棋の駒と将棋盤、そして駒が入っている箱です。
駒はプラスチックのものはとても遊びにくいため、木の駒がお勧め。
最初に駒が入ったままの状態で箱を将棋盤の上に裏返して置きます。
このとき駒が外に出てしまわないよう注意してください。
次にそっと箱を持ち上げ、駒の山を作ります。
ここで外にこぼれて単独で倒れている駒があると、先攻の人がかなり有利。
こぼれた駒は山に乗せるか、立てて山にくっつけるようにすると、公平になります。
もし将棋盤や箱がない場合は、平らなテーブルの上に駒を積んで山にするだけでも遊ぶことは可能です。
基本ルール
じゃんけんをして勝った人から順番に、駒を横にゆっくりスライドさせて取ります。
ルールは単純です。
・人差し指1本で駒を動かす
・カチッと音を立てたら失敗(駒を滑らせる音は含まない)
・将棋盤の外に運んだらその駒を獲得
さまざまなローカルルールがあっても、上記の基本ルールは共通です。
次の人への交代
プレーの交代に関しては2つのパターンがあります。
・失敗するまで続けて取れる
・獲得しても失敗しても1プレーで交代
どちらかというと失敗するまで続けるルールの方が一般的です。
マナー
ルールではありませんが、プレー中は静かに見守るのがマナーです。
将棋崩しは集中力のゲーム。
話したり音を立てたりすると「カチッ」という駒の音も聞こえなくなってしまうため、自分も損をすることになってしまいます。
しかし公式のマナーではありませんから、あえて話しかけて相手の集中力を乱す遊びをしても面白いかもしれません。
複数取り
複数取りは、いくつか固まっている駒をまとめて取る技。
ローカルルールでは複数取りを禁じているものもありますが、一般的にはOKとされていて成功すると高得点が狙えます。
【将棋崩し】得点方法
将棋崩しは、勝利条件についても3通りのルールがあります。
駒の数
単純に取った駒の数だけで勝敗を決める方法です。
駒の種類は関係なく、多く取れば勝利となります。
最もシンプルに楽しめるルールです。
王将を取る
順番に駒をとっていきますが、その数は無関係。
王将の駒を取った人が勝ちになります。
王将を取るためにいかに邪魔な駒を移動させていくかが鍵となる遊び方です。
駒に得点
駒の種類によって得点を付け、その合計点で勝敗を決める方法もあります。
得点の付け方にも公式の決まりはありませんが、駒の得点順は将棋をするときの駒の価値に合わせるのが一般的。
こちらはその一例です。
王・玉 | 10点 |
飛・角 | 8点 |
金・銀 | 5点 |
桂・香 | 4点 |
歩 | 1点 |
また将棋の駒をお金の代わりにして遊ぶ「お金将棋」という遊びがあり、そのときに使う金額に合わせて得点を決める場合もあります。
お金将棋の得点は以下の通り。
王・玉 | 100点 |
飛 | 80点 |
角 | 50点 |
銀 | 30点 |
桂 | 10点 |
香 | 5点 |
歩 | 1点 |
お金将棋には「金」の駒に金額はついていませんが、このルールを採用するなら、金は40点ということになります。
いずれにしても得点をつける場合は、以下の駒の価値に合わせてください。
王・玉 > 飛車 ≧ 角 > 金 ≧ 銀 > 桂 ≧ 香 > 歩
本格的な将棋に慣れていない子どもとプレーするとき、この方法を使うと、それぞれの駒の価値を覚えるきっかけにもなります。
【将棋崩し】ローカルルール
公式ルールがない将棋崩しには、ローカルルールも数多く存在します。
シンプルなゲームに変化をつけたいときは、採用してみると良いかもしれません。
立てたままは得点2倍
駒を寝かさず、立てたままの状態で運んだら得点が2倍になるというルール。
駒の数で勝負する場合は2枚分のカウントとなります。
難易度が上がり、逆転要素も加わってゲームがより面白くなるかもしれません。
崩して分ける
複数取りを認めないローカルルール。
重なっている駒は音を立てないように分けてからでないと盤の外には出せないという決まりで、こちらも難易度が上がります。
金ロケット
金を取れたら、その金を将棋盤の上に置き、指で弾いて山に打ち込めるというルール。
失敗するまで続けられる方式のときに使うローカルルールで、一気に山を崩して駒を取りやすくすることができます。
同じようなルールで、角を取ったときには将棋盤の角から指で弾いて崩せるルールや、飛車を取ったときには真上から山に飛車の駒を落として崩せるルールもあります。
ハンドクラッシュ
自分の番が来たとき、拳で山を叩いて崩せるという大胆なローカルルールもあります。
しかしこれをやると将棋崩しの楽しみも崩れがち。
よほど行き詰まったときに1度だけ、ある特定の条件で行うものだと言われています。
まとめ
単純なルールですぐに始められる将棋崩しは集中力と指先の器用さも養えるゲーム。
将棋のルールはまだ難しくて覚えられないという子どもが将棋に触れる第一歩としてもお勧めです。
家に眠っている将棋セットがある方は、家族や友達と楽しんでみてはいかがでしょうか。
昔よく遊んだという方も、ローカルルールを加えれば新たな楽しみを発見できるかもしれません。