公営競技として多くの人に日々楽しまれている競馬ですが、イギリス発祥の競技ということをご存知でしょうか。1539年にイギリスで初めて競馬場が誕生し、17世紀以降から各国で親しまれるようになりました。
現在日本では各地に競馬場があり、公営競技の中でも一番売り上げが高いジャンルとして人気があります。多くの人が投資したお金は、もちろん騎手にも還元されていきますが、騎手は年間でどれだけ稼げるのか。
今回は気になる騎手の収入事情を調査してみました。
騎手(JRA)の年収について
多くの人が想像する”騎手”はJRA(日本中央競馬会)の試験に合格し、免許を交付された人のことを指します。ここではJRAの騎手の収入にスポットを当てて解説していきます。
騎手の収入源はレースがメインとなりますが、細かく記載すると以下の通りです。
-レース-
・賞金…賞金の5%
・騎手奨励手当…1出走16,500円
・騎乗手当…G1・63,000円 重賞・43,000円 一般・26,000円
-その他-
・調教手当…数千円
・騎乗契約料
・メディア出演料
以上が騎手の収入となります。この中で収入として一番大きいのは、やはり賞金の5%です。
日本では有馬記念とジャパンカップが最も高額なレースで、1着3億円の賞金。この場合、レースに勝った騎手は1,500万円稼ぐことができます。
世界で最も高額賞金が手に入るサウジカップでは、1着10億5,000万円の賞金なので、勝利すれば一度に5,000万円もの大金を稼ぐことができるのです。サウジカップでは、2020年に2人の日本人選手が活躍して、業界では話題になりました。
賞金以外にも、騎手はレースに出場するだけで収入を得ることができます。レースに出場して得られる収入は「騎手奨励手当」「騎乗手当」の2種類です。
騎手奨励手当は中央競馬の競走に騎乗した騎手に対して交付される手当、騎乗手当は騎乗1回につき交付される手当です。これらの手当から、新人の騎手でも1レースで最低42,500円の収入を得ることができるので、レースに勝てなくても出場さえできれば最低限の生活をすることは可能と言えます。
また、一般的な騎手で年収の平均は5,000万円と言われているので、多くの選手が手当だけで収まらず、レースの賞金を手にしていることが分かります。
実力世界で危険が伴う競技であるからこそ、大きなお金を稼いでいくことが可能な競技です。
日本人トップ騎手の収入について
日本人騎手はかなり優秀で、世界から見ても圧倒的な実力を誇ります。その証に、世界の騎手の生涯獲得賞金トップ50では数多くの日本人選手がランクインし、トップ10には8人の日本人騎手がランクインしています。
実際にトップ10入りしている日本人騎手がどれくらい稼いでいるのか、以下にまとめました。
1位 武豊騎手 7億9610万ドル(4249勝)
2位 横山典弘騎手 5億6063万ドル(2840勝)
3位 蛯名正義騎手 4億7942万ドル(2538勝)
4位 福永祐一騎手 4億7940万ドル(2410勝)
6位 柴田義巨騎手 4億1698万ドル(2296勝)
7位 岡部幸雄騎手 3億5858万ドル(2943勝)
9位 藤田伸二騎手 3億5006万ドル(1918勝)
10位 岩田康誠騎手 3億4557万ドル(1656勝)
競馬に詳しくない人でも名前くらい聞いたことがあるであろう、日本のレジェンド・武豊騎手は既に約800億円もの賞金を手に入れています。手当やメディア出演料を含めると、さらに大きなお金を稼いでいることが予想できます。
他の競技やスポーツと比べて競技寿命も長いので、競馬は稼ぎやすい競技と言えます。
中央競馬と地方競馬の年収格差
中央競馬に所属する騎手と地方競馬に所属する騎手では、収入に大きな格差があります。
地方競馬に所属する騎手の収入は、中央競馬と同じく賞金や各手当で稼ぎますが、騎乗手当は数千円程度であり、賞金も中央競馬よりかなり低く、「5着に入っても300円しか稼げない」なんてレースもざらにあるようです。
このため、中央競馬の騎手の平均年収が5,000万円に対し、地方競馬はトップの騎手でも年収500万円くらいです。
命懸けでレースに参戦しているにも関わらず、あまりにも大きい収入格差は騎手の間で問題視されているようですが、現状では地方競馬の賞金・手当が改善されることはなく、日々多くのレースが各地方で開催されています。
そのため、地方競馬から中央競馬に移籍を考える騎手も少なくないとのこと。中央競馬で大きなお金が動く分、地方競馬には大きなお金をかけることができないという側面もあるようです。
まとめ
この記事では、公営競技である競馬で活躍する騎手の収入事情について解説していきました。
危険と隣り合わせである騎手は大きなお金を稼ぐことができますが、中央競馬と地方競馬で収入格差があり、問題視されていることも判明しました。
各レースの賞金から騎手の取り分が分かれば、また違った角度から競馬を楽しむことができるのではないでしょうか。