オリンピック種目でありながら小学校の授業でも行われる走り幅跳び。
走って遠くにジャンプするだけですが、得意不得意の差がとても大きくなる競技です。
それだけに走り幅跳びは苦手で嫌いという人も。
ところが走り幅跳びにはちょっと気をつけるだけで記録を伸ばせるコツがあるのです。
今回は、ぜひ覚えたい走り幅跳びのコツとポイントをご紹介します。
【走り幅跳び】助走のコツ
走り幅跳びの記録を伸ばすとき、最も重要と言われるのは、実は助走です。
助走でうまくスピードに乗れば、距離は自然に伸びるもの。
逆にうまく跳べない人は助走の途中でスピードを落としているのです。
ただし、ただ速ければ良いというわけではないのが走り幅跳びの難しいところ。
具体的にはどのようなコツがあるのでしょうか。
【関連記事はこちら】⇩
・【走り幅跳び】ルール一覧!測定方法や着地の仕方も解説!
・【高跳び】飛び方のコツや種類を解説!記録が伸びる方法とは!?
コツ① 走り方
走り幅跳びの助走は、最初はゆっくり、徐々に加速し、最後は踏切に向けてリズムをつけて走ります。
100m走の場合、スタート後は前傾姿勢を保って加速しますが、走り幅跳びではあまり長く前傾姿勢を保たないのがポイント。
助走中盤までにスピードに乗ったら、姿勢をまっすぐにして踏み切り板に向かいます。
これは前方上に向かって跳ぶために必要な姿勢。
体を起こすためのポイントは目線です。
下ではなく前を見ることで自然に体が起きていきます。
コツ② スピード
走り幅跳びの助走でよくあるミスは、踏切直前にスピードが落ちてしまうこと。
そうなる原因の1つが、全速力で走ってしまうことです。
特に鍛えていない人が全力で助走をすると、途中で疲れて失速してしまう場合がほとんど。
そうならないためには、あまり距離を伸ばしすぎないことと、全速力の9割の速度を目指すことがポイントです。
距離は初心者なら20~30m、10~15歩の歩数が目安となります。
全力で走ってはいけないもう一つの理由は、体に力が入って踏み切り動作にスムースに移れなくなること。
速度を9割程度に抑えれば、リラックスした状態で踏み切りができます。
【走り幅跳び】踏み切りのコツ
踏切でありがちなのは、踏み切り板ぎりぎりを狙おうとして失速してしまうこと。
練習を重ねて毎回同じ位置で踏み切れるようになるのが理想ですが、そこまでできないときは、優先順位を変えて行う必要があります。
コツ③ 目線
踏み切りのときに絶対やってはいけないのは、踏み切り板を確かめようと目線を落としてしまうこと。
この動作でブレーキがかかり、助走のスピードがガクッと落ちてしまいます。
踏み切りのときは、目線は下ではなく少し上を向いているのが理想。
助走の中盤から前を見て踏切板を確認しながら走り、直前ではむしろ踏み切り板から目線を外して前方上を見るよう意識するのがポイントです。
踏み切り板のオーバーはファールになりますが、多少後ろから跳ぶのはこの際良しとします。
少しくらい距離を損しても、速度を落として足を合わせるよりはずっと記録は伸びるはずです。
コツ④ 重心
その場で跳ぶときには、膝を曲げて一度重心を下に落としてからジャンプします。しかし走り幅跳びでは重心を落とすことを意識するとブレーキをかけることになってしまいます。
走り幅跳びは助走のスピードを活かすこと肝心。
かかとから踏み切るようにすればごく自然に重心は落とすことができますから、それ以上に膝で沈み込まないよう注意するのがポイントになります。
実は踏み込む脚の膝は曲げない方が大きな筋力を発揮できるのです。
コツ⑤ スイングス
踏み切りのときに後ろ脚を前に持ってくる動作がスイングス。
走り幅跳びは踏み切り板を踏む強さではなく、スイングスで足をいかに速く振り出すかが重要なポイントです。
板を踏む脚は膝を曲げないことだけ意識して、むしろ振り上げる脚に集中。
体が踏み切り板の上を通過する瞬間にはすでに体よりも前にあるよう、ワンテンポ早いタイミングで、できるだけ速く前に振り上げます。
【走り幅跳び】ジャンプのコツ
踏み切り〜ジャンプ〜着地はそれぞれバラバラに考えるのではなく、一連の動きとしてとらえます。
特に重要なのは、腕の動きです。
コツ⑥ ブロッキング
跳び出しでぜひ行いたいのがブロッキングです。
これは踏み切りの瞬間のポーズをガチっと固めて崩さないままポーンと跳んで行く技術。
踏み切りのときのポーズは、左足での踏み切りなら、右手はアッパー、左手は後ろひじ打ち、右脚は膝蹴り、左脚は板を蹴って自然に伸ばした状態というイメージです。
この動作で体を固定するよう意識すると、大きな反発力を感じるはず。
ブロッキングを意識しないと板を蹴った脚の膝をすぐに曲げてしまいがちですから、ここに注意します。
このブロッキングを行うだけでも距離はかなり伸びるかもしれません。
コツ⑦ 重心
ブロッキングのポーズの中でも重要なポイントが、手のアッパー。
空中で腕を大きく振り上げることで重心が上がり、体を上に、そして前に押し出す力が働きます。
ジャンプの頂上まで重心は前方の少し上という意識。
そして着地の前には振り上げた腕と脚を前に出し、重心を前に移動します。
重心がうまく前に移動していないと、着地した足よりも後ろにお尻が着いてしまいがち。
着地はかかとから行い、次にお尻が地面に着きますが、重心を前にキープしていれば、お尻が後ろに着地するのを防ぐことができます。
まとめ
練習する機会が少ない走り幅跳びは、コツを押さえて何度か練習すれば大きく記録が伸びる競技です。
特に踏み切りで歩幅を合わせている人は、かなりブレーキをかけて損をしているはず。
まずは歩幅を調整してからスタートし、踏み切り板を見なくても自信を持って踏み切れるようになれば、数十センチは記録が伸びることになります。
今回ご紹介した助走、踏み切り、ジャンプのコツを意識しながら、ぜひ練習してみてください。
【関連記事はこちら】⇩
・【走り幅跳び】ルール一覧!測定方法や着地の仕方も解説!
・【ハードル走】速く走るコツ5選!練習方法も徹底調査!