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【スプリット】フォークとの違いとは?特徴や投げる投手もご紹介!

野球の変化球の一つ、スプリット。
実は近年になってよく聞くようになった言葉で、どのような球かよく分からないという方も多いはずです。
今回は、野球のスプリットについて解説。
似ている、または同じとも言われるフォークとの違いや、スプリットの使い手もご紹介します。

【スプリット】フォークとの違い

スプリットを解説するとき、避けて通れないのがフォーク。
実はこの二つ、ある意味では同じとも言えるのです。

アメリカでの認識

野球の母国であるアメリカには、そもそもフォークという言葉がありません。
実はフォークは和製英語
名前の由来については、「挟んだ2本の指の形が農具のフォークに見える」という説と「ボールの軌道が食器のフォークに見える」という説がありますが、いずれにしても日本で生まれた言葉です。
アメリカでは、いわゆるフォークを投げてもスプリットと呼ばれます

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日本での認識

日本でスプリットという変化球が初めて投げられたのは、1988年の日米野球
ドジャースのオーレル・ハーシュハイザ―投手が決め球として使い、話題になりました。
しかし日本人にスプリットという言葉が本格的に知られるようになったのは、メジャーリーグ(MLB)の放送が頻繁に行われるようになってから。
MLBのピッチャーがフォークによく似た落ちる球を投げ、解説がそれを「スプリット」と表現していたことから、徐々に浸透してきました。
しかしこの影響で、「フォークとスプリットの違いがよく分からない」という日本人も多いのです。

日本でのスプリットとフォークの違い

そもそもフォークは人差し指と中指でボールを挟み、指の間から抜くように投げる変化球
こうすることでバックスピンが減って浮力が減少し、ボールが急激に落下します
コツは、できるだけ指を大きく開き、深くボールを挟むこと。しかしそのために指に力が入り、その影響で肘の故障が多くなるのが大きな難点です。
この結果、アメリカではより浅くボールを挟むのが一般的に。
フォークよりは挟み方が浅く、ストレートとフォークの中間のような握りになるため、バックスピンの量は増えます。
すると落下の幅は減少。しかし球速はフォークより速くなります
具体的には、フォークは投げてからキャッチャーが捕球するまでに約10回転するのに対して、スプリットは約20回転するという専門家も。
スプリットは高速フォークだという人もいます。
これが日本人には馴染みの薄かったスプリットの正体なのです。
略してSFFとも呼ばれることもあるスプリットの正式名称はスプリットフィンガー・ファストボール(Sprit finger fastball)。
「開いた指の速い球」という意味で、その握りと球速を表現しています。

【スプリット】投げる投手

MLBでは一般的なスプリット。
しかし日本人にもスプリットを得意とする投手は存在します。

桑田真澄

日本人の中で最も早くスプリットを習得し、この変化球を有名にした一人が、桑田真澄投手
研究熱心な彼は、親指の位置とボールの握り方を変えることで、スプリットの中でも大きく落ちる空振り狙いのボールと、小さく落ちるゴロ狙いのボールを使い分けました。

上原浩治

上原浩治投手は2013年にレッドソックスでワールドシリーズを制覇したとき、スプリットを強力な武器にしていました
ストレートの球速が最高でも140km/h前半という彼がMLBで大活躍できたのもスプリットのおかげ。
上原投手は、大きく落ちるボール、小さく落ちるボール、シンカー気味のボールという3種類のスプリットを指の位置で使い分けていたと言われています。

田中将大

よく「えげつないスプリット」と表現されるのが田中将大投手
MLB では「一番美しい球」と評されたこともあります。
指で挟んで投げるスプリットはコントロールが難しく、真ん中低めにしか投げられない投手が多い中、田中投手は内外角に投げ分けられるのが特徴。このためストレートと区別することがより難しくなるのです。
決め球として空振り三振を狙うだけでなく、ゴロを打たせて打ち取ることも狙えるため、早いカウントから武器にしています。

大谷翔平

二刀流で活躍する大谷翔平投手を支えているのも、スプリット
MLBでは「球界で最も打たれない球」と評されています。
彼のスプリットの特徴は、一般的な投手のストレート以上の球速であること。
平均144km/hという豪速球がストレートとほぼ同じ軌道を描いてから突然落ちるのです。
また大谷投手の場合は平均134km/hのスライダーも大きな武器。
160km/hを超えるストレートと全く同じフォーム、同じリリースポイントで投げられ、そこから鋭く変化するため、多くの打者がストレートと思って空振りしてしまいます。

スプリットは日本人投手の大きな武器

フォークよりは肘への負担が小さいスプリット。しかしそれでも故障の危険性はあるため、MLBではスプリットを投げない投手が増えています。
その結果、MLBのバッターは縦に落ちるボールに慣れていないという状況に。
もともとフォークボールを投げていた日本人投手はさまざまな変化量のスプリットを習得しやすいため、MLBでは強力な決め球にすることができると言われているのです。

まとめ

スプリットとフォークの違いは曖昧。
握り方と回転数は個人差もあるため、本人がスプリットと言ったらスプリット、フォークと主張したらフォークという部分もあるのです。
また近年は肘への負担を考えて、高校ではフォークを禁止するという動きも。
投手生命を考えれば、今後は深く握るフォークは減っていき、スプリットが主体になっていく可能性もあります。

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でかむ

でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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