2021年9月より女子初のプロリーグである「WEリーグ」が開幕しました。
多くの女子プロ選手が輩出され、女子サッカーも盛り上がることが予想されます。
そこで、今後新たな発展を遂げていくことが予想される女子サッカー選手の収入について、今回の記事でまとめていきたいと思います。
なでしこリーグ時代の収入
WEリーグ発足前のなでしこリーグ時代の話から始めていきたいと思います。
なでしこリーグに所属するには中学・高校と下部組織でプレーし、才能を見出されてトップチームに昇格するパターンがあります。もう一つは中学・高校・大学と女子サッカー部に所属して活躍することでスカウトの目に留まり、なでしこリーガーになるパターンもあります。
なでしこリーグに所属するようになった選手の中に、プロ選手はほとんどいません。なでしこリーグのほとんどの選手はアマチュア選手として活動していました。なでしこリーガーはスポンサー企業で働きながらサッカーをしている選手がほとんどです。
午前中は社会人として企業で働き、夕方や夜に練習をするのが一般的で、シーズンに入れば休みの日に試合が入ってくるので、体を休める時間が少なく、体力的にも精神的にもきついとされています。
なでしこリーグに所属している選手の平均年収は、サッカー以外の収入も含めて240万円程度とのこと。前述した通り、ほとんどのなでしこリーガーは企業で仕事をしながらサッカーをしているため、収入の大半はサッカーで得られるものではなく、企業で働いた収入です。
練習、トレーニングに打ち込むために時間の融通が利きやすい契約社員やアルバイトとして働いているケースも多く、収入状況としてはかなり低い状態といえます。
WEリーガーの年収
先程までの項目はWEリーグ発足前のなでしこリーグでプレーする選手の収入について書いてきました。ここからは、2021年WEリーグが開幕してからの選手の現状をまとめていきます。
WEリーグでは1クラブ15人以上(A契約が5人以上、BC契約が10人以上)のプロ契約選手が必要で、最低年俸は270万円と設定されています。
プロ契約の中でも3つの基準を設けており、資金のあるチームはより多くの選手とプロ契約できますが、そうでないチームも存在します。仙台を本拠地としているマイナビ仙台は、全選手とプロ契約を結んでいます。
契約の内容としては、Jリーガーと同様に統一契約制度を採用しており、プロA契約・プロB契約・プロC契約の3つのカテゴリーに分かれています。プロA契約は基本年収460万以上、プロBとCは270万円以上460万円以下とされています。
B契約の選手は変動報酬を自由に設定できますが、C契約は出場給と勝利給のみになります。
ABC契約を分けるのは公式戦出場時間とされていて、WEリーグで450分、なでしこリーグ1部で900分、なでしこリーグ2部で1350分を満たした選手はA契約もしくはB契約を結べます。
それ以外の選手はC契約となります。C契約は3年間までしか結べない為、3年の間に実績を残さなければ戦力外となってしまう厳しい契約内容と言えます。
また、クラブの資金もWEリーグ選手の収入に関わってきます。リーグから分配金2000万円をクラブは受け取ることができますが、それだけではプロ契約15人以上の報酬を支払うことは難しいクラブもあるというのが現状です。
このような理由から各クラブに所属するすべての選手がプロ契約を結べるわけではありません。当面の間、WEリーグ所属選手はプロとアマチュア選手が入り交ざった形となることが予想されています。
アマチュア選手はなでしこリーグ時代の選手同様、企業で働きながらサッカーをする環境となるでしょう。
海外でプレーする女子サッカー選手の年収
2021年時、海外でプレーしている選手には岩淵真奈選手、長谷川唯選手、熊谷紗季選手、田中陽子選手など13名います。
各選手の具体的な年俸は記載されていませんが、イングランド女子プロサッカーリーグの平均年収は405万と言われており、スポンサーからの支援金等はあるかと思いますが、各選手500万円程度ではないでしょうか。
女子サッカー選手で世界一収入が多いとされているアレックス・モーガン選手は推定年俸5億8千万円と言われています。アレックス・モーガン選手の在籍していたNWSL(アメリカ女子リーグ)の平均年俸は約300万円と言われています。
女子サッカーリーグ自体の収入は多くないものの、コカ・コーラなどの大型スポンサー契約などが収入の大半を占めているようです。世界トップリーグでも平均年収は300~500万と、決して高くはないのが現状です。
まとめ
今回は女子サッカー選手の収入についてまとめていきました。
これからWEリーグで活躍する選手を多くするには、少しでも収入面での不安を抱かせないことが重要と考えます。
それこそが、サッカーにより集中しやすい環境を作っていくことにつながっていくのではないでしょうか。
今後の女子サッカー界に期待していきましょう。
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