激しくぶつかり合い、泥だらけ、満身創痍の状態で試合を終えるイメージがあるラグビーは、まさに「きつそうなスポーツ」の筆頭です。
そのラグビーは15人が11のポジションを担当。
では、きついスポーツであるラグビーの中でも一番きついポジションはどこなのでしょうか。
そしてそのポジションで花形と呼ばれるのは、どのような特徴を持った選手なのでしょうか。
今回は、ラグビーで一番きついポジションを調査します。
【ラグビー】一番きついポジション
ラグビーのポジションに求められる役割はさまざま。
そして一番きついポジションは何かを考える場合、どういった面できついかによって、答えは違ってきます。
フォワードとバックス
ラグビーのポジションはまずフォワードとバックスの2つに分けられます。
イメージ的には前8人のフォワードはスクラムを組むポジションで、後ろ7人のバックスはパスを回してトライを奪うポジション。
しかし実際には他にも多くの役割があります。
体型的にはフォワードは体が大きくて屈強、バックスはスリムで俊敏な選手が一般的。
ではどちらがよりきついのかというと、それはフォワードです。
フォワードの仕事は実はかなり幅広く、しかもきついものばかり。
スクラムで相手と押し合うだけでなく、ボールがタッチラインの外に出ればラインアウトでボールを奪い合い、バックスが捕まったら突進してボールを確保。
常に走り回り、相手選手にぶつかることも求められます。
フォワードはバックスよりきついということに関しては、ほぼ異論はないはず。
しかしここからは見方によって様々な意見が出てきます。
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バックロー
運動量的に一番きついとされているのが、バックローです。
バックローは6番と7番のフランカーと、8番のナンバーエイトの総称。
2019年ワールドカップの日本代表で言えば、ジャッカルでお馴染みになった姫野和樹選手、キャプテンのリーチマイケル選手などが務めたポジションです。
バックローの選手はスクラムが終わった後、すぐにプレーに参加するのが特徴。スクラム直後なのにタックルやアタックをしなければなりません。
またディフェンスとして守るエリアも広く、フォワードでありながら軽快に走り回る必要もあります。
バックローの花形選手の特徴
バックローの中でも1人でポジションを担うナンバーエイトは、別名「エイトマン」。全ポジションの中でも花形と言われることが多く、守備・攻撃の両方でチームの中心となります。
スクラムでは最後尾から力を伝える役割を担い、相手ボールのスクラムでは味方に状況を伝える司令塔の役割も担当。攻撃ではフロントローから送られてきたボールをキープし、自らボールをキャリーして密集地のサイドを突破することもあります。
スクラムやモールに参加し、守備ではタックルで相手を食い止め、さらには自らのランでトライも狙うナンバーエイト。そのポジションの花形選手には、オールラウンドな能力が求められます。
中でも花形選手の特徴となるのが、パワーとスピード。攻撃がうまくいっていないときに相手を突破して状況を好転させられる選手なら、チームに頼られるエイトマンになれます。
ロック
スクラムを組むフォワードの中でもフィジカル的に最もきついのは前5人と呼ばれる1番から5番。
1番と3番のプロップ、2番のフッカー、4番と5番のロックです。
前5人はスクラムの中心となって押し合い、密集の核となり、さらに周りをフォローするために走り続けるポジション。
その中でも最もきついポジションを選ぶならロックだと言われています。
ロックという名前の由来は、スクラムに鍵をかける「ロック」。
スクラムの際には第二列に位置します。この位置は後列のナンバーエイトからの押しの力を前に伝えながら、第一列のプロップをしっかりと支える役割。
スクラムが押されないようにまさにロックする役目を担っています。
またモールやラックなどの密集では核となり、相手に押されないようにしっかりと踏ん張る役目。モールを押してそのままトライを狙うときもパワーの中心となって前へ進む役目になります。
こういった役割のため、チームで最も体の大きな人がロックになるのが一般的。
2019年の日本代表では、196cm・110kgのトンプソンルーク選手や188cm・106kgのヴィンピー・ファンデルヴァルト選手など、大和魂あふれる外国人選手が務めました。
ロックの花形選手の特徴
常に相手選手とパワー勝負を繰り広げ、最もきつい仕事を黙々とこなすロックは、実はラグビー強国のニュージーランドでは子どもが一番憧れるポジション。
花形選手になると尊敬の念を込めて「リアル・ロック」と呼ばれます。
ロックはチームNo1の巨漢、最も強い男が担うポジション。そのためリアル・ロックには、相手ロックに絶対に倒されない強さが求められます。
なぜならチームで一番強いはずのロックが相手ロックに倒されてしまうと、チーム全体に「このチームには勝てない」という意識が生まれてしまうから。
そのようなポジションのため、世界一流のロックには身長2m以上、体重120kg超の選手もいます。
それでも絶対に負けられないプレッシャーに耐える精神力がロックには必要なのです。
まとめ
現代のラグビーは各自に求められる役割が増えていて、楽なポジションはどこにもないのが事実。
とはいえ最もきついポジションといえるのは、やはりロックかもしれません。
大きな試合の常套句である「絶対に負けられない試合」。
その中でも「自分だけは絶対に倒されるわけにはいかない」というプレッシャーと闘い続けるのは、精神的に最もきついと言えそうです。
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