日本で開催されたワールドカップの興奮が記憶に新しいラグビー。
一気にファンが増え、ジャッカルなどといった専門用語も流行しました。
とはいえ、ラグビーのポジションはいまいち理解しにくいもの。
ラグビーは「ワンチーム」ではありますが、ポジションの役割は全く違うものなのです。
その役割と求められる能力を理解すればラグビーはもっと楽しくなるはず。
ここでは、ラグビーの各ポジションについてご紹介します。
【ラグビー】ポジション フォワード
ラグビーのメンバーは１５人。
大きく分けるとフォワード（ＦＷ）と呼ばれる前の８人と、バックス（ＢＫ）と呼ばれる後ろの７人に分類できます。
まずはフォワードの８人。こちらは背番号１から８までで、スクラムを組む力自慢のメンバーです。
フロントロー、セカンドロー、バックローのグループに分けられ、その中でも各ポジションが決められています。
プロップ（ＰＲ）
フロントローで、背番号は１・３。
左側の１番をルースヘッドプロップ、右側の３番をタイトヘッドプロップと呼びます。
スクラムでは相手と直接押し合い、ラインアウトでは味方を持ち上げ、モールでは体で相手を押し込む役目。
とにかくパワーが求められるポジションです。
フッカー（ＨＯ）
フロントローで、背番号は２。
スクラムでは両脇にプロップを抱えて中心となり、スクラムハーフが投げ入れたボールを脚で引っ掛けて掻き出します。
名前の由来は、その役割（フッカー＝引っ掛ける）から。
またラインアウトの際にはスローワーを務めることもあります。
パワーと共に器用さも求められるポジションです。
ロック（ＬＯ）
セカンドローで、背番号は４・５。
４番が左ロック、５番が右ロックです。
スクラムではフロントローの後ろから押し込む役割。
ラインアウトではジャンプしてボールを掴む役割もあるため、長身で跳躍力のある選手が求められます。
またボールを持ったときには相手をなぎ倒しながら突進する役割です。
フランカー（ＦＬ）
バックローで、背番号は６・７。
６番が左フランカー、７番が右フランカーです。
スクラムでは左右の端で押し込みながら、真っ先に飛び出して攻撃をする役割。
また突進してくる相手にタックルし、ジャッカルでボールを奪うことが多いのもこのポジションです。
攻守に活躍するこのポジションは、力とスピード、豊富な運動量が求められます。
ナンバーエイト（ＮＯ８）
バックローで、背番号は８。
フォワードを最後方からコントロールするリーダーです。
スクラムで後ろへ送られてきたボールを自ら運ぶこともあり、セットプレーのサイドアタックでは中心的な役割を担います。
パワーやスピードといった身体能力に加えて高い判断力も求められるポジションです。
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【ラグビー】ポジション バックス
バックスは７人。
力強いフォワード陣に比べて、スリムで足の速い選手が多くなります。
背番号は９番から１５番まで。
フォワードが奪ったボールを受け取ってパスをつなぎ、得点を奪うのが最大の役割です。
ハーフバック、スリークオーターバック、フルバックのグループに分けられ、こちらもその中に各ポジションが決められています。
スクラムハーフ（ＳＨ）
ハーフバックで、背番号は９。
スクラムではボールを中に入れ、後ろに回ってボールを取り出す役割です。
常にボールと共に動き回り、最初のパスで攻撃のリズムを作るため、敏捷性と高い判断力が求められます。
そのため、比較的体の小さい選手が活躍できるポジションです。
スタンドオフ（ＳＯ）
ハーフバックで、背番号は１０。
スクラムから離れたところに待機して、スクラムハーフからの最初のパスを受けます。
そこからパスをするか、キックをするか、自分が走るかを瞬時に判断。
攻撃でバックス陣を率いる役割となるチームの司令塔です。
ラン、パス、キックの技術だけでなく、戦術眼とラグビーセンスが求められます。
ウイング（ＷＴＢ）
スリークオーターバックで、背番号は１１・１４。
１１番が左ウイングで、１４番が右ウイングです。
攻撃では最もラインに近い外側に位置して走り、トライを奪うのが主な役割。
守備の際には大きくキックして陣地を回復します。
キレで相手をかわすタイプと、パワーで突破するタイプが存在。
瞬発力とスピード、スタミナが求められるポジションです。
センター（ＣＴＢ）
スリークオーターバックで、背番号は１２・１３。
１２番が左センターで、１３番が右センターです。
攻撃ではスクラムハーフから受けたパスをウイングへつなげる役割。
スピードに乗って相手守備陣を崩し、良い形でウイングにパスすることが求められます。
また守備ではタックルで相手を食い止める役割もあり、パワーとスピードの両方が求められるポジションです。
フルバック（ＦＢ）
背番号は１５。
分類上のフルバックを１人で担い、その名の通りチームの最後尾に位置するポジションです。
最後の砦として守備をするだけでなく、大きく陣地を回復するためにキックをし、後方から味方へ指示を出すことも重要な役割。
責任感と大胆な判断力、キックのパワーと正確さが求められます。
【ラグビー】ポジション ゴールキックは？
ここまで読んで「トライ後のゴールキックはどのポジションの役割？」と疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
多くのチームでその役割を担うのはスタンドオフの選手。日本代表の田村優選手もスタンドオフでした。
一方で五郎丸歩選手のポジションはフルバック。
実はゴールキックは特定のポジションが行うものではなく、チームで最も上手い人が蹴っているのです。
まとめ
サッカーではオフェンシブミッドフィルダー、バレーボールではアタッカー、アメフトではクオーターバックなど、多くのスポーツには花形ポジションと呼ばれるものが存在します。
しかし「花形ポジションは存在しない」という言葉もあるのがラグビーです。
役割は違っても、全員が重要。
それこそがラグビー日本代表がスローガンにした「ワンチーム」の精神を表しているのかもしれません。
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