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知られざるバドミントンの”ストリンガー”という職業

皆さんこんにちは。社会人アスリート兼ジュニアチームコーチとして、バドミントンに15年以上関わらせていただいている、ライター「しょうへい」です。

バドミントンプレーヤーが質の高いプレーをするために、裏方でサポートをするストリンガーという職業をご存じでしょうか?

この記事ではそのストリンガーの仕事について記載していきます。

ストリンガーとは

ストリンガーとは、バドミントンのラケットにガットを張る職人のことです。

日本語で「張り師」や「張り職人」などと呼ばれることもある職業です。バドミントンだけでなくテニスやスカッシュなどガットを張るラケットスポーツに共通して存在する職業です。

バドミントンのラケットに張られたガットは、トップレベルの男子プレーヤーになると2~3日で切れてしまうこともあり、学生でも1~2ヶ月で切れてしまうことがほとんどです。

ガットが切れたラケットは使用することができず、ガットを張り直す必要があります。そこでラケットにガットを張ることがストリンガーの主な仕事になります。

優れたストリンガーは何が違う?

ストリンガーの仕事は大きく分けて二つあります。

一つ目は、ラケットショップなどの小売店に所属するストリンガー。市民アスリートや学生向けに標準的なガット張りを提供します。このケースで仕事をする方は、接客などの他のタスクを兼務することも多くあります。

二つ目は、スポーツブランドに所属もしくは、プロプレーヤーやチームと直接契約するストリンガー

プレーヤー一人一人に合わせた調整や季節に合わせた調整、海外遠征ではその土地の気温や湿度に合わせた調整を行います。このようなストリンガーにはいきなりなることができず、なるためには経験を積み技術を磨いていく必要があります。

ガットはシャトルと直接触れる部分のため打ち心地に大きく影響し、その微妙な感覚の違いが点数や試合の勝敗にも影響します。

優れたストリンガーは、プレーヤーと話し合いながら一人一人に合った打ち心地の仕上がりを追及していきます。また、何本のラケットにガットを張っても同じ打ち心地の仕上がりにすることが求められます。

大規模の店舗では有名なストリンガーを定期的に招くイベントを開催していることもあり、市民アスリートレベルの方でも世界レベルのストリンガーの仕事を体感することができる機会もあります。

ストリンガーのやりがい

トップレベルのストリンガーは、バドミントンプレーヤーが国内外の大会に出場する際にコーチやトレーナーなどと同様にスタッフとして同行し、チーム一丸となってプレーヤーが大会を勝ち抜いていくサポートをします。

自分がサポートしているプレーヤーが大会で入賞するといった結果を残すことが、多くのストリンガーにとってのやりがいになっているようです。

ストリンガーになるには

ストリンガーになる最初のステップとしては、バドミントンのラケットを販売している店舗のスタッフとなり、ガットを張る経験を積むことから始まります。

そして経験を積み、多くのプレーヤーから指名を受けるようになるとラケットメーカーやチームから声がかかり、引き抜かれるという流れが一般的なようです。 自分のラケットや友人ラケットのガットを自分で張ることで経験を積むという方法もあります。

また、多くの優れたストリンガーはプレーヤーの感覚的なリクエストを理解できるといった理由から、自身もバドミントンプレーヤーとしてある程度実績があり、プレーヤーを引退したあとのセカンドキャリアとしてストリンガーになる人が多いといった傾向があります。

しかし一方でバドミントンの経験がないという方も稀に存在するので、ハードルが高くなるという事実はあるものの経験がないからと言ってストリンガーになることを諦める必要はありません。

ストリンガーの収入

ストリンガーの年収は、他の仕事と同じようにピンからキリまであります。

トップクラスのストリンガーになると1千万円を超える年収をもらう方もいるようですが、大半のストリンガーの年収はその他の販売業に勤める方と同水準が一般的なようで、一概に高収入を見込むことができる職業ということはできません。

また、一般企業に勤める傍ら副業としてストリンガーの活動をし、 副収入を得ているという方も多くいるようです。

最近ではインターネットを通じ依頼を受け、フリーランスとして活動する令和の時代に合った働き方をするストリンガーの方も出てきているようです。

まとめ

ガットを張るということを通じて、プレーヤーが試合に勝利することに貢献することができるストリンガーという職業。

裏方の職業のため一般的にはあまり知られていない職業ですが、トップレベルで活躍するプレーヤーを始め、 多くのバドミントンをする人々にとって欠かすことができない職業です。
国際大会などの大きな大会では実演をしていることもあるので、機会があれば是非その仕事ぶりを見てみてください。

いかがでしたでしょうか。以上がストリンガーという職業についての紹介でした。

テレビなどでバドミントンの試合が放送されているのを見たときや、自分が使っているラケットのガットを張り替えたときに、ストリンガーという職業の方がいることを思い出してみるとこれまでとは違った発見や楽しみを見つけることができるかもしれません。



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しょうへい

しょうへい

バド歴15年の社会人アスリート兼ジュニアチームコーチ

10代に始めたバドミントンをケガでのブランク期間を挟んで合計15年以上続けています。 学生時代には関東大会に出場。現在は某県の県代表としてプレーしながら、ジュニアチームのコーチとして学生の指導をしているアラサー社会人アスリートです。

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