「運動が得意な子は頭もいい」こんな言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
こどもの頃、運動もできて勉強もできるオールマイティな子がクラスに一人はいませんでしたか?
子供の勉強の成績を気にしている保護者の方のなかには、運動能力と学力の関係について興味をもっている方も多いと思います。
この記事では、子供の運動能力と学力の関係についてご紹介します。
運動能力と学力には相関性がある
運動能力と学力は相関関係があり、疫学的に双方が関係していることがさまざまな研究で実証されてきています。
スポーツに必要な技能は、「走る」「蹴る」「投げる」「跳ぶ」「打つ」などの脳内に格納されている技能です。
それらの技能をうまく引き出すことによって、多種多様なスポーツに応用させることができます。
スポーツが得意、運動神経がいいといわれる子は、これらの運動技能を適切に使いこなしているのです。
この脳内で覚えた知識や感覚を使いこなす作業は、勉強をするときも似たようなことが脳内で行われています。
例えば、数学の難題を解くときは、脳内で覚えた公式の知識から適切なものを引き出し、応用させて解いています。
このように、運動と学習はどちらも脳を使うという意味では同じなのです。
アメリカで行われた研究では、「運動能力が高い子は学力テストの結果も同様に優れている」という研究結果も出ています。
アメリカは特に文武両道が盛んであり、名門ハーバード大学からオリンピック選手を200名以上排出しており、東京オリンピック2020大会においても、ハーバード大学在校または出身選手は16名にも及びます。
また、日本でも学力と運動能力に関するさまざまな研究が行われており、「運動能力が高い子は学力レベルも高い傾向にある」ということが実証されています。
運動も勉強もできる子供の特徴
運動もできて勉強もできる、そんな文武両道な子供には以下のような特徴がみられます。
集中力がある
勉強というのは、長時間行えば必ず成績が上がるというものではありません。
スポーツにおいても、ダラダラと長時間練習すれば技能が上達するというわけではありません。
成績優秀な子は、短時間でも質の良い学習方法を身につけており、スポーツが得意な子は高い集中力を有しているため、パフォーマンスを最大限に発揮することができます。
質の良い学習や練習を行うためには集中力が必要で、集中力が優れている子は、限られた時間でも効率的に勉強や運動に取り組むことができるのです。
向上心がある
向上心がある子供は、運動においても勉強においても成長しやすい傾向にあります。
「もっとできるようになりたい」という気持ちや「できるようになったときの達成感や喜び」は勉強と運動のどちらにも良い影響を与え、両者を伸ばすために大切な要素です。
勉強も運動もできる子は、常に向上心をもって自主的に学んだり練習したりする姿勢をもっています。
忍耐力がある
運動能力や学力は、数日で身につく力ではありません。
毎日コツコツと練習や学習を続けることによって、力がついてきます。
運動能力や学力は、成果としてすぐに目に見えるものではないため、できないままであったり、途中で分からなくなったりすると自信を失い、トレーニングや学習を諦めたくなってしまいがちです。
しかし、文武両道な子はそのような状況に直面しても、途中で諦めたりすることなく、コツコツとひたむきに挑戦し続けられる忍耐力をもっています。
幼少期の過ごし方が運動の基盤を作る
子供が運動に苦手意識をもち始めるのは、3歳から小学校低学年にかけての自我が芽生える時期だといわれています。
そのため幼少期の過ごし方は重要で、身体を動かすことに楽しさを感じてもらうことが大切です。
運動の基盤は、「跳ぶ」「蹴る」「走る」といった基本動作を、幼少期の遊びを通して身につけます。
運動に対してなるべく苦手意識をもたせないためにも、運動は遊びの延長線上にあるものとして楽しんで取り組んでもらうことが、その後の運動能力へと繋がっていきます。
運動能力と学力を効率的に伸ばす方法
運動能力と学力を効果的に伸ばす具体的な方法について説明します。
有酸素運動をする
一定時間にわたって心拍数を上げる有酸素運動は、脳を活性化させ記憶力の向上に効果的だということが、さまざまな研究で明らかになっています。
なわとびやかけっこ、ダンスなど、日常的に取り入れやすく子供が楽しめる遊びや運動を選ぶことが大切です。
運動後に勉強をする
運動後は、脳の血流が増し思考力や集中力が飛躍的に高まるといわれています。
また、脳が活性化すると「やる気ホルモン」といわれるドーパミンが分泌されやすくなると言われており、学習意欲の向上にも効果的です。
そのため、勉強をしていて集中力が途切れてしまった場合は一度学習を中断し、気分転換も兼ねて身体を動かしメリハリをつけるとよいでしょう。
運動と勉強の強制は逆効果
子供の運動能力や学力の向上に力を入れすぎて、強制してしまうような状態は逆効果です。
子供に運動や勉強をさせるときは、子供の興味や意思を尊重し、子供が自主的にやりたいと思う気持ちを引き出すことが大切です。
興味がなかったりやる気がなかったりしているにもかかわらず、強引に運動や勉強をさせることは、かえってストレスにつながってしまいます。
運動嫌い、勉強嫌いになってしまわないためにも、子供の意思を尊重するようにしましょう。
まとめ
運動能力と学力の関係は、さまざまな研究でも証明されているということがわかりました。
運動も勉強も卒なくこなす優秀な子に育ってほしいと願う保護者の方は、子供の自主性を尊重し、楽しんで運動と勉強に取り組めるようにサポートしてあげることが大切です。
【関連記事はこちら】⇩
・【習い事】小学生にスポーツが与える良い影響とは!?
・【必見!!】子供にはスポーツを複数やらせた方がいい?