フットボールと聞いた時、皆さんが思い浮かべるのはどのようなスポーツでしょうか。その名がしっかり正式名称に入ってくる、アメリカンフットボールを最初に挙げる人は少なくないことでしょう。
また、「確かラグビーもフットボールに入るんじゃなかったっけ?」と気づく人、「サッカーもフットボールじゃなかったっけ?」と思う人と様々ではないでしょうか。この認識は正しく、大多数が思い浮かべるフットボールといえば、大抵この三種類のどれかであることが多いものです。
では何故、日本語でフットボールと名前が入っているのはアメリカンフットボールだけなのでしょうか?そもそもフットボールとはどういう競技のことを指すのでしょうか?
今回はフットボールの定義と、その代表的なスポーツをご紹介いたします。
フットボールの定義とは?
フットボール(football)はその名称の通り、足でボールを蹴る要素があることから来た名称です。チームスポーツの一種であり、程度の差はありますがボールを相手陣地に蹴り込んで得点する要素があるスポーツのことを、指しています。
フットボールの語源は文字通り“足で蹴ること”であると言われていますが、もう一つは中世のヨーロッパにおいて、「徒歩で(on foot)」行われた多くの競技を元々意味していたという説もあるようです。どちらの語源も決定的な証拠はありません。
ちなみに、意外に感じる人も多いかもしれませんが、世界的にはフットボールと言った場合、殆どの場合はサッカーを指します。特にイギリスやフランスでは、フットボールという単語そのものがサッカーを意味する言葉として機能しているようです。
サッカー
世界的人気スポーツであるサッカー。世界で最も代表的であり、広く知られたフットボールの一つです。なんと210を超える国でプレイされている競技であり、4年に一度行われるFIFAワールドカップのテレビ視聴者数は、全世界でなんと通算310億人を超えるというデータもあるほどです。
世界での競技人口は、約2億5,000万人とバスケットボールに告ぐ高い数字を誇っており、日本でもプロとアマを含めた競技人口は450万人ほどいるとされています。
ちなみに、何故日本ではサッカーのことをフットボールと呼ばず、サッカーと呼ぶのでしょうか?
実は、サッカーという単語はアメリカから来たものなのです。最大の理由はやはり、アメリカンフットボールとの差別化でしょう。サッカーの語源は、「アソシエーション・フットボール(協会式フットボール)」の省略形から来ています。
アメリカにおけるフットボール文化は全てイギリスから来たもので、イギリスからアメリカに伝わったラグビーとアソシエーション・フットボールから進化したものとされています。簡単に言ってしまえば、フットボール協会のルールに乗っ取ったフットボールをアソシエーション・フットボールと呼んで差別化したのが始まりで、それがスラングで訛った結果、サッカーという単語になったと言われているのです。
ラグビー
フットボールとして有名なスポーツのひとつが、ラグビーでしょう。ルールによって人数に違いがあり、日本では主に15人制、ラグビーユニオンのルールが起用されています。
タックルを、安全なタグやタッチに置き換えたタグラグビーやタッチラグビーなどの派生競技も広くプレーされていて人気があります。
英国、オセアニア、南アフリカなどで人気が高いラグビーというスポーツは、現在女性を含めて約960万人にプレイされているとのこと。残念ながら日本ではまだ約10万人程度で、まだまだマイナーなスポーツという印象が否めないことでしょう。
ラグビーフットボールの語源であるラグビーとは、元々とある学校の名前から来ていると言われています。「1823年、イングランドのパブリックスクールであるラグビー校でのフットボール試合中、ウィリアム・ウェッブ・エリスという選手がボールを抱えたまま相手のゴール目指して走り出した」ことから名づけられた、という説があります。
ちなみに日本では蹴球と言えばサッカーのことである、というのが現在の一般認識となっています。しかし第二次世界大戦前には、ラグビーは〝ラ式蹴球“が正式名称であったといい、蹴球と言えばサッカーではなくラグビーを指していたのだそうです。
アメリカンフットボール
最もストレートにフットボールの名前が入っているのが、このアメリカンフットボールでしょう。アメリカやカナダでフットボールと言う時は、まず間違いなくこのアメリカンフットボールのことを指しています。
アメリカの世論調査によれば、バスケットボールと野球を抑えて最も人気のあるスポーツであるというデータが出ています。
守備で11人、攻撃で11人。最大、1チーム22人でプレイすることができる華やかさ、ぶつかり合う力強いプレイが多い派手さ、そして幅広い戦略性が魅力の一つと言えるでしょう。
元々はラグビーを源流としているのでルールに共通項が多いですが、パスを一度だけ前に投げられる、ボールを持っていない選手にもタックルができる、様々な防具が必須とされているなどの違いがあります。
魅力的な要素の多いアメリカンフットボールというスポーツですが、アメリカでは競技人口900万人(世界では2300万人ほどだそうです)いるのに対して、日本ではまだ2万人程度と言われています。選手同士でぶつかり合う局面が多く、危険なイメージがあることから競技人口が増えづらいという背景があるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。フットボールとして最も有名な、三つの競技を紹介させていただきました。どの競技にもそれぞれ違った魅力があり、今後注目していきたいものばかりです。
細かなルールの違い、選手の違い、見た目の違いなど。それぞれの差に注目して楽しんでみるのも面白いかもしれません。