暑い夏に運動をすると食欲の低下やたくさん汗をかくためエネルギーや栄養素が不足しがちです。
すると体重が落ちてきて、次第に疲れが取れない、身体がだるいといった夏バテの症状が現れてきます。
夏バテを防いでトレーニングを充実させるには、できるだけ栄養バランスの良い食事をきちんと食べることが大切です。
今回はスポーツをする人が、夏を元気に乗り越こえる為に必要なことをご紹介します!
夏バテ対策|①運動量に合わせたエネルギー摂取
まずは運動量に見合ったエネルギー量を摂取しましょう。
夏休みや合宿で運動量が増える人は、毎日同じ条件で体重計に乗り、体重が減り過ぎていないかチェックをしましょう。
体重が減っていくときは、その分回復できるように食事や補食を増やして食べましょう。
夏バテ対策|②水分補給が肝心
それから、水分補給にも注意が必要です。運動後に水のがぶ飲みや食欲が無いからと冷たいジュースばかり飲んで肝心の食事が食べられない、なんていうことはありませんか。
すると食欲不振や消化機能の低下が進み、ますます食べられなくなってコンディションが低下するという夏バテの悪循環に陥ります。運動後の水分補給はくれぐれも食事に差支えのないように飲みましょう。
また食事にはたくさんの水分が含まれています。朝食の欠食や食事量が極端に少なくなるとその分、熱中症のリスクが高まります。
熱中症予防のためにも運動前の水分補給と食事は、摂ってから動き始めましょう。
夏バテ対策|③摂取したい栄養素
スポーツをする人が夏にしっかり摂りたい栄養素は、特にビタミンB1・ビタミンC・たんぱく質です。
糖質×ビタミンB₁
暑くなるとつい冷たいアイスやジュース、のどごしの良いそうめんだけといった糖質に偏った食事になりがちです。
ごはんやめんなど糖質の多い食品は、運動時のエネルギー源なのでしっかり摂ることはもちろん、ビタミンB1と一緒に摂るのがおすすめです。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える栄養素で、不足するとエネルギーがうまく作れないため疲れやすくなります。また水溶性ビタミンで、身体に貯めておくことができません。
運動や発汗で消費量が多くなる人は、毎日意識して摂る必要があります。ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉やハム、ソーセージ、玄米、ぬか漬け、豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品、うなぎ、たらこ、サケ、カツオ、とうもろこしなどです。
昔から土用丑の日にうな重を食べる習慣がありますが、この組み合わせはご飯の糖質とうなぎのビタミンB群が一緒に摂れる栄養学的に理に適った組み合わせです。
しかし毎日食べるのは難しいので、普段の食事ではご飯を玄米にしたり、豚肉料理を組み合わせたりして食べましょう。
ニンニクやねぎ、ニラにはビタミンB1を体内に長くとどまらせてスタミナ回復に効果を発揮するアリシンという成分が含まれます。
アリシンは食欲増進効果や殺菌作用、たんぱく質の消化や吸収を助ける働きもあるため、豚肉とニラの炒め物や豚肉のねぎ塩レモンだれなどビタミンB1を含む豚肉とアリシンを含む食品を一緒に食べることでさらに夏バテ予防に相性の良い組み合わせになります。
ビタミンC
ビタミンCはストレスを軽減する副腎ホルモンの生成に必要です。夏の暑さや疲れを感じる時は、そのストレス軽減ホルモンの生成が増えるため、ビタミンCの消費量も増えます。
炎天下で運動する時は身体に多くのストレスがかかった状態となるため不足しないように摂りたい栄養素です。不足すると壊血病など歯茎や皮下出血しやすくなる、全身倦怠感、貧血、食欲不振などの症状が現れます。
主に野菜全般(ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、小松菜など)やいも類、果物全般(キウイフルーツ、いちご、かんきつ類など)に多く含まれます。毎日の食事に積極的に野菜や果物も摂り入れましょう。
たんぱく質
たんぱく質は食事量の減少や糖質に偏った食事で不足しやすくなります。たんぱく質は身体を作る材料として不可欠で肉類、魚介類、卵、大豆製品に多く含まれます。これらの食品はビタミンや鉄も含み、同時に摂取できるメリットがあります。
そうめんだけで食事を済ませていた人は、冷やし中華や冷汁そうめんのように具沢山にして一皿でいろいろな食材が摂れるようにしてみましょう。
肉そぼろやハム、ツナ、卵、豆腐などのたんぱく質源をトッピングすることや毎食、主菜のおかずがあるかチェックしてみてください。
食が進まない時は、サラダチキンやゆで卵をのせた野菜サラダやキムチや刻んだ夏野菜をのせた冷奴も手軽で簡単に食べられます。
夏バテ対策|④食欲が湧かないときは・・・
暑くて食欲が湧かない時は、酸味を利かせる、香辛料や香味野菜を利用するなどして食欲を増進させましょう。
例えば、、酢飯を使った酢の物ちらしずしやいなりずし、甘酢しょうが、みょうが、しそ、レモン果汁などを使った料理は風味が爽やかになり、食べやすくなります。
また、にんにくやカレー粉、唐辛子、キムチなどは胃液の分泌を促進し、食欲を増進させる働きがあります。
料理の温度にも気を配り、冷たいめんや冷製スープに加えて、ときには熱いものを食べて汗をかくなど、温度変化をさせることも食欲増進の工夫の一つです。
夏バテ対策|⑤夏野菜を摂取するメリット
夏野菜には水分やカリウムが多く含まれています。中でもなすやきゅうり、ズッキーニは水分が多く、運動後の火照った身体を冷まし、身体の余分な水分を排出する働きがあります。
トマトやピーマン、パプリカ、ゴーヤなど色鮮やかな野菜はビタミンAやCなどの抗酸化ビタミンを多く含み、紫外線や暑さのストレスから身を守ってくれます。
まとめ
最後に、規則正しい生活と十分な睡眠も大切です。疲れがたまり栄養不足が続くとケガや故障のリスクも高くなります。
できるだけ疲れを溜めないように、しっかり食べて、十分に睡眠をとり、身体のケアも忘れずに行いましょう。
うだるような暑さで体力が失われがちな季節でも、ベストコンディションを維持して元気に夏を乗り切りましょう。
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