巨額のファイトマネーがニュースになることも多いボクシング。
世界王者の中には、アメリカの経済誌「フォーブス」が発表する「スポーツ長者番付」に登場する人もいます。
ではボクシングのファイトマネーはそれほど高いものなのでしょうか。
今回は、ボクシングのファイトマネーを調査。
日本の新人戦から世界トップまでを比較してご紹介します。
【ボクシング】ファイトマネー 日本
日本のプロボクシングは実力によってC級から日本チャンピオンまで分かれ、それぞれのクラスでファイトマネーは大きく異なります。
ファイトマネー相場
まずは日本のファイトマネー相場を一覧でご紹介しましょう。
ランク | ファイトマネー |
C級ボクサー(新人) | 3〜4万円 |
C級ボクサー | 5〜10万円 |
B級ボクサー | 10〜30万円 |
A級ボクサー | 15〜50万円 |
日本ランカー(10位以内) | 30〜100万円 |
日本チャンピオン | 100万円〜 |
日本チャンピオンになれば数千万円単位とイメージしていた方もいるかもしれませんが、それは大きな間違い。
テレビ放送もなく、主に会場のチケット収入から賄うことになりますから、かなり少ない額になってしまうのです。
また同じランクの中でもファイトマネーに差がありますが、一般的には体重が重いクラスの方が高い傾向。さらに選手の人気や注目度によっても上下します。
ちなみにこのファイトマネーは、試合の前に契約で決まるもの。その契約で「勝った方が総取り」などと決めない限り、勝っても負けても支払われます。
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年収の相場
ファイトマネーは全てボクサーに入るわけではありません。
興行の仕方によってはプロモーターやジムに大半が入ることも。
しかし一般的な試合ではジムに33%が入り、残りの67%がボクサーに入ることになります。
そして1人のボクサーが1年間にできる試合は4試合までというのが一般的。
これを計算すると、ボクサーの年収はおおよそ以下のようになります。
ランク | 推定年収 |
C級ボクサー(新人) | 約8〜11万円 |
C級ボクサー | 約13〜27万円 |
B級ボクサー | 約27〜80万円 |
A級ボクサー | 約40〜134万円 |
日本ランカー(10位以内) | 約80〜270万円 |
日本チャンピオン | 約270万円〜 |
なんと日本チャンピオンでもファイトマネーだけで生活するのは困難な状況。
しかも全額を現金で渡すジムは少数派で、多くのジムはその全額または数割を試合のチケットで渡すのです。
つまり選手はチケットを売って現金を得るということ。そして全てのチケットが売れたとしても、別に本職を持つかアルバイトをしなければ生計が成り立たない状況なのです。
【ボクシング】ファイトマネー 世界
では世界タイトルマッチを戦うボクサーになると、いったいどれくらいのファイトマネーが入るのでしょうか。
その仕組みと最高レベルのファイトマネーをご紹介します。
世界戦ファイトマネーの仕組み
日本のボクシングのファイトマネーは、興業のスポンサーから支払われます。
一方、アメリカではスポンサーに加えてPPV(ペイパービュー)が放映権を買う仕組みが定着。 巨額の放送権料もファイトマネーとして選手に支払われます。
このためファイトマネーは視聴率の実績によって決まるのが一般的。
視聴率を取れるボクサーはファイトマネーの額が上がるため、特に人気のある挑戦者なら、チャンピオンよりファイトマネーが高いということもあります。
日本人対戦の最高額
まずは日本人同士が対戦した試合の最高額。特に注目の対戦でテレビの放送権が高く売れる場合には、日本でも稀にファイトマネーが高くなることはあります。
過去に日本人同士の対戦で最も高いファイトマネーを記録したのは、辰吉丈一郎vs薬師寺保栄戦。
1994年に行われたこの対戦はWBC世界バンタム級王座統一戦で、しかも初の日本人同士による王者統一戦。
注目度が高かったこの試合では両者に約1億7000万円のファイトマネーが支払われたと言われています。
日本人の最高額
では日本人が海外の選手と対戦した場合の史上最高額はいくらかというと、一気に上がって、推定6億円です。
2022年に行われたWBA・IBF世界ミドル級王座統一戦の村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン戦で、村田選手が手にしました。
この対戦は「日本ボクシング史上最大のビッグマッチ」と銘打たれた2団体王座統一戦。
結果はゴロフキンが9回TKO勝ちで王座を統一しましたが、村田選手は日本人歴代最高額のファイトマネーという称号は得たことになります。
世界最高額
日本人最高額の6億円も驚きですが、世界最高額はまさに桁違いです。
それは2015年にアメリカのラスベガスで行われたフロイド・メイウェザー・ジュニアvsマニー・パッキャオ戦。
WBA・WBC・WBOウエルター級の3団体統一戦ということで注目を集めたこの試合は、PPVの放送権料も高騰。
その結果、メイウェザーのファイトマネーが約200億円、パッキャオのファイトマネーが約150億円で、総額350億円を超えるファイトマネーになったといわれています。
この年の「スポーツ長者番付」は、フロイド・メイウェザー・ジュニアとマニー・パッキャオが1・2フィニッシュ。
さらにフロイド・メイウェザー・ジュニアがこの2015年に記録した3億ドルの年収は「スポーツ長者番付」の歴代1位となっています。
ちなみに歴代2位も2018年のフロイド・メイウェザー・ジュニアで、2億8500万ドル。過去に年収が2億ドルを突破したスポーツ選手は彼一人です。
まとめ
世界王者をかけた試合では一気に跳ね上がるファイトマネー。
一方で日本チャンピオンクラスでもアルバイトが必要な状況は、ボクシングの過酷さを物語っています。
世界タイトルマッチを戦えるかどうかで、収入は天と地の差。
このような苛烈な世界だからこそ、ハングリーなチャレンジャーが次々に生まれているのです。
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