億単位、十億単位の年俸となることもあるプロスポーツ業界。
サッカー少年の夢であるJリーグもそのひとつです。
とはいえJリーグにはJ1からJ3までが存在。その年俸は同じではないはず。
その給料はどのようになっているのでしょうか。
そこで今回は、J3の年俸事情を調査。
どのくらいの額になるのか、契約形態、収入の内訳なども合わせて解説します。
サッカー界のお金事情
今回の主題であるJ3の前に、比較対象として他のリーグのお金事情をご紹介します。
海外リーグ
海外リーグの年俸は破格。
ヨーロッパの5大リーグの平均年俸は、それぞれ以下のようになります。
・プレミアリーグ:7億2300万円
・ラリーガ:4億6400万円
・ブンデスリーガ:2億9500万円
・セリエA:2億7400万円
・リーグアン:2億500万円
J1
J1の選手の平均年俸は、約3400万円。
ヨーロッパのリーグと比較するとかなり落ちてしまいます。
ただしこれは全体の平均。億を超える契約もあり得ます。
このJリーグの契約には、プロA契約、プロB契約、プロC契約と呼ばれる3種類のプロ契約が存在。条件が大きく異なります。
プロA契約
年俸の上限なし(初のA契約時のみ上限670万円)
下限は460万円
1チーム原則25人まで
プロB契約
年俸の上限は460万円
変動報酬は原則自由で、出場給のみ1試合上限4万7620円
人数制限はなし
プロC契約
年俸の上限は460万円
変動報酬は出場給(1試合上限4万7620円)と勝利給(1試合上限所属クラブのA契約選手の最低勝利給)のみ設定可
1年目〜3年目の選手またはJ1の場合450分(5試合フル出場相当)の出場時間を満たしていない選手のみ契約可
J1には「プロA契約の人数は最低15人」という規定があり、ほとんどの選手は年俸の上限がないプロA契約を結ぶことになります。
また新人の場合、プロC契約からプロB契約を飛ばしてプロA契約を結ぶのも一般的です。
J2
J2の場合、「プロA契約の人数は最低5人」という規定になり、プロA契約の人数は激減します。
ただしその人数はクラブによってさまざま。J1から降格したばかりのクラブの選手はJ1基準で契約しているケースが多いため、1000万円稼ぐ選手も多くなります。
一方、プロC契約の条件が900分(10試合フル出場相当)以下となるため、C契約も増加。
その結果、J2の平均年俸は400万円〜500万円となっています。
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J3のサッカー選手の年俸・給料事情
では今回の主題であるJ3選手の年俸はどのようになるのでしょうか。
経営規模
まずはJ1、J2、J3の経営規模から比較。
各クラブの平均入場者数、年間平均営業収益、年間平均人件費は以下のようになります。
J1 | J2 | J3 | |
平均入場者数 | 約2万人 | 約7000人 | 約2000人 |
年間平均営業収益 | 約50億円 | 約17億円 | 約5億円 |
年間平均人件費 | 約25億円 | 約8億円 | 約2億 |
入場者数、利益、人件費の全てで、J3はJ1のほぼ10分の1の経営規模であることが分かります。
平均年俸
J3の平均年俸はJ1のように公表されていません。
そのため記事によっては「不明」としているところも。
しかしリーグとチーム別の人件費は公表されていて、元J3選手の証言も合わせて推測すると、年収は240万円~300万円と考えられています。
しかもこれはチームからの年俸の額ではないのです。
契約
J3にはJ1やJ2のように「プロA契約の最低人数」の規定はありません。
その代わりにあるのが、「プロ契約選手の保有人数が3人以上」という規定。
つまり年俸の上限が460万円のプロC契約やプロB契約の選手が3人いれば良いということで、Jリーガーといいながらほとんどの選手がアマチュア契約となっているのです。
年収の内訳
アマチュア契約ですから、ほとんどの選手へのチームからの支給はごくわずか。
アルバイトをして生活費を稼ぐことになります。
月収例①
・チーム支給(スクールコーチ代込み):12万円
・他のスクールのコーチ代:4万円
・他のアルバイト代:2万円
合計:18万円
月収例②
・チーム支給:0円
・芝生管理アルバイト代:8万円
合計:8万円
J3のクラブでは月給0円が半分以上、月給がある選手の中でも10万円を超えている選手は1人か2人ということがごく普通。
週5でアルバイトをしないと生活が成り立たないのが当たり前の世界なのです。
世界の3部の年俸
では世界の下部リーグも給与事情は似ているのでしょうか。
ヨーロッパの各3部リーグの平均年俸と比較してみます。
・EFLリーグ1(イングランド3部):約3800万円
・3.リーガ(ドイツ3部):約1400万円
・セグンダB(スペイン3部):約240万円
スペイン3部のセグンダBはチーム数がなんと80もあり、アマチュアとプロの混合。平均年収は日本のJ3に近くなりますが、実は年収はアマチュアクラブの5万円からプロクラブの1億円超えまで、非常に幅広くなっています。
そしてイングランドの3部リーグは平均年俸が約3800万円となり、なんとJ1以上。
イングランドはその下の4部でも平均年俸が約1600万円となっています。
またJリーグが参考にしているドイツリーグも3部の平均年俸が約1400万円と高額。
これはどちらの国でもサッカーが全国の地域に根付いていて、各クラブのファンが多いためなのです。
まとめ
ヨーロッパの下部リーグと比べて非常に苦しい経済事情になっている日本のJ3。
J1への昇格を夢見ていても、アルバイトをしなければ生活できない現実はかなり厳しいと言えます。
日本サッカーが真の強豪の仲間入りをするためにも、下部リーグをさらに盛り上げ、プロ契約できる選手の層を厚くしていく必要があるのではないでしょうか。
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