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デフバドミントン|無音の世界で戦う難しさやルールについてご紹介!

皆さんこんにちは。社会人アスリート兼ジュニアチームコーチとしてバドミントンに15年以上関わらせてもっているライター「しょうへい」です。

この記事では一般的な認知度はまだ低いものの、バドミントン好きな方たちの間ではパラバドミントンと合わせて注目度が上がりつつあるデフバドミントンについて紹介していきます。

デフバドミントンとは

皆さんはデフバトミントンと言うスポーツを聞いたことがあるでしょうか。

デフバトミントンとは耳が完全に聞こえないもしくは一定の基準以上に聞き取りづらいといった、聴覚障害を持った方たちによって行われるバドミントンのことを指します。

パラリンピックの競技としては採用されていない軽度障害者スポーツですが、音という情報を得ることができないハンディキャップがあるため、健常者が出場する大会とは別にデフバドミントンの大会が開催されています。

デフバドミントンのルール

デフバドミントンのルールは基本的に健常者が行うバドミントンのルールと同様です。シングルス、ダブルスそれぞれで健常者と同じ広さのコートを使い、1セット21点の2セット先取によって勝敗を争います。細かなルールについても健常者が行うバドミントンと同様のルールで行われます。

選手がプレーするにあたってのルールについては通常のバドミントンと変わりはありませんが、審判や得点板など選手たちを取り巻く環境については大きく異なります。デフバトミントンの選手たちは審判のコールを聞き取ることができないため、必要に応じて手話や筆談を用いたり、得点板を多く配置したりするといった選手たちがプレーに集中するための配慮がより多くされています。

音がないバドミントンの難しさ

実際にプレーヤーとしてバドミントンを経験したことがない方にとっては意外に感じるかもしれませんが、バドミントンプレーヤーは音から多くの情報を得ながらプレーをしています。

例えば対戦相手がラケットでシャトルを打った音です。バドミントンプレーヤーは積み重ねられた経験から、ショットの種類やスピードの判断材料として無意識のうちに音を活用しています。シャトルに対してラケットの面をまっすぐに打つスマッシュとシャトルに対してラケットの面を斜めに打つカットでは打球音が異なります。

バドミントンプレーヤーは視覚的な情報と併せてこの聴覚的な情報を瞬時に判断しプレーしているため、音が聞こえないということは入ってくる情報の一部を遮断された状態でプレーしなければならないということなのです。

2対2の形式で行われるダブルスでは対戦相手の打球音だけではなくペアの打球音という情報も得ることができません。ダブルスの前衛にいるときは基本的に対戦相手のことを見ているので後ろにいるペアのことを見ることはできず、健常者の場合はペアがシャトルを打つタイミングを打球音によって判断しています。

しかしデフバドミントンプレーヤーの場合はその音という情報が無いため、後ろから、しかもどの方向に飛んでくるかわからないシャトルを目視することでしかタイミングを掴むことができません。ラリーのテンポが速いダブルスではこのほんのわずかな時間の差が大きくプレーに影響してくるのです。

また、ダブルスの場合はラリー中にペアとの声によるコミュニケーションを取ることもできません。どちらが返すか迷うような二人のちょうど真ん中にシャトルが飛んできた場合でも「お願い」や「はい」といった声によるコミュニケーションを取ることができないため、事前に各場面でどちらがとるのかを話し合い、それを本番で実践できるように練習を積み重ねる必要があります。

これと同様にダブルスではラリー中に行われる「上げる」「前行く」「カバー」「詰めて来ている」といった声によるコミュニケーションができない難しさがあります。

バドミントン経験者の方はノイズキャンセリングのイヤホンをしてプレーをしてみるとその難しさを体感できると思いますので、安全には十分配慮した上でぜひ一度試してみてください。

大会開催情報

デフバトミントンでは主に以下のような国内大会が日本デフバドミントン協会の主催で行われています。

・日本ろう者バドミントン選手権大会

・日本ろう者ランキングサーキット大会

上記は日本国内のランカー選手レベルの大会になりますが、各都道府県や各市区町村単位で行われている大会もあります。またデフバトミントンを競技として採用している国も多くアジア大会や世界大会も開催されています。

また、健常者はデフバドミントンの大会に出場することはできませんが、聴覚障害を持った方は健常者の大会に出場することは可能です。そのため、健常者の大会に出場している選手の中にデフバトミントンプレーヤーが混ざっているという可能性はあり、健常者と聴覚障害を持った方がダブルスを組んでいるといったケースもあります。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。以上がデフバドミントンについての概要になります。

近年世界規模で注目度が増しているパラスポーツと同様にじわじわと注目度が上がりつつあるデフバトミントン。

その難しさを知った上で競技を観てみるとより楽しむことができるかもしれませんよ。

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しょうへい

しょうへい

バド歴15年の社会人アスリート兼ジュニアチームコーチ

10代に始めたバドミントンをケガでのブランク期間を挟んで合計15年以上続けています。 学生時代には関東大会に出場。現在は某県の県代表としてプレーしながら、ジュニアチームのコーチとして学生の指導をしているアラサー社会人アスリートです。

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