日本には武道という言葉があり、人を殺傷・制圧する技術に、その道を磨く修行を通じて良き人格を得るために「道」の理念が加わったものを指します。
武道は武士を中心に広まり、現在ではスポーツとして、多くの日本人が稽古に励んでいます。
日本武道協議会が定義している武道には「柔道」「剣道」「相撲」「空手道」「少林寺拳法」「薙刀」「銃剣道」「居合道」「七帝柔道」「新体道」「護道」「躰道」「空道」「日本拳法」「相生道」「短剣道」「杖道」「抜刀道」などがあり、「合気道」もその中の1つです。
合気道という名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、名前は知っていてもどういう武道・スポーツなのか知らない人も多いと思います。
多くの対人スポーツに合気道の要素を取り入れることで、優位に進めることができるため、練習の一環として、合気道を学ぶ人も少なくありません。
今回はそんな合気道について詳しく解説していきます。
合気道の起源・歴史について
合気道は合気道の開祖である「植芝盛平」が日本伝統の武術である「柔道」「剣術」の奥義を究め、さらに厳しい精神的修行を経て創始しました。
植芝盛平は新宿に合気道専門の道場を建設し、そこを拠点に合気道の活動をスタートさせました。
ここの専門道場はのちに、現在の「合気道本部道場」になっていきました。
その後、茨城県の岩間町に野外道場を設け、1963年に植芝盛平が逝去すると、「植芝吉祥丸」がそこの道場を引き継ぎ、率先して国内外へ合気道を普及するために尽力を注ぎ、組織が発展していくこととなります。
1999年から「植芝守央」が道主を継承し、さらに合気道が発展していきました。
日本における合気道の歴史について
合気道は日本で誕生し、現在の「合気会」は1948年に公益法人として、文部省より財団法人の認可を受けることとなり、戦後の合気道の発展に弾みとなりました。
外郭団体としては1961年に全国学生合気道連盟や防衛庁合気道連合会が発足し、1976年には日本合気道連盟が発足しました。
2004年には国際文化交流の促進と日本と諸外国との友好親善に寄与したという功績により、外務省から外務大臣表彰を受賞しています。
合気道と関連のあるスポーツ・派生したスポーツ
合気道と関連のあるスポーツといえば、やはり開祖の植芝盛平が稽古に勤しんでいた「柔道」や「剣術」ではないでしょうか。
その中でも道具を持たないという点では「柔道」が合気道に関連している武道になります。
しかし、柔道は相手を倒すなど優劣がついてしまう武道なのですが、合気道は相手と争わないという精神を基礎としているため、優劣がつくことはありません。
そういった点では、合気道は受けの武道で、柔道は攻めの武道という比較をすることができるかもしれません。
合気道の競技人口について
合気道の競技人口は正確に計測されているわけではないですが、おおよそ日本国内で100万人、全世界で160万人とも言われ、日本発祥の武道ということもあり、日本人口が圧倒的に多く占めています。
他の武道も言えるのですが、合気道は特に精神性を重視していることから身体的な強さだけでなく、精神的な強さも養うことができるという点で、取り入れられています。
海外でもおおよそ60万人いるなど、日本発祥の伝統文化という誇りが持てる武道として、盛り上がりを見せています。
合気道は筋力や体格に頼らない技術によって、相手を制するため、年齢や性別に関係なく続けていきやすい特徴があります。
そのため、現在は護身術など自分の身を守るために、合気道を習得する人も増えてきています。
合気道のルールについて
合気道は相手と対戦するというスポーツではなく、自らの精神面を鍛錬することを目的としています。
他の多くの武道とは異なり、力や技などの技術を持って相手を倒すという攻めの武道ではなく、精神の鍛錬により相手の力を利用して制するという受けの武道です。
合気道の技の数は2,884本あると言われており、全て覚えるのはとても困難です。
しかし、基本の動きのパターンがあり、それを覚えると応用を効かせることができます。
「①1〜4教②四方投げ③入身投げ④天地投げ⑤小手返し」の5つのパターンがあります。
この基礎となるパターンを身につけることで、他の応用技の習得に役立つため、まずはこちらから覚えてください。
合気道の国際的な大会について
合気道は世界的にも発展してきており、その普及活動は1950年代から始まりました。
現在では世界国々の約140カ国に組織や団体があります。
国際合気道連盟(IAF)が1976年に結成されて、国際大会と総会が4年ごとに開催されるようになりました。
精神的な鍛錬を基礎としているため、人種の垣根を超えて鍛錬をすることができるという点から世界的にも人気が出る要因の1つです。
世界から見た日本の合気道のレベル
やはり合気道は日本発祥ということもあり、世界から見た日本の合気道は評価されています。
鍛錬により他者を圧倒して、その強さをアピールするのではなく、心など内面の部分を重視しているため、美しい武道として、世界で発展していきました。
まとめ
今回は日本発祥の武道である「合気道」について解説していきました。
身体的強さだけでなく、精神面の強さを学べることから、多くの方に取り入れてもらいたい武道の1つです。
この精神面の鍛錬は、武道だけでなく、日常生活でも役に立つことも多いのではないでしょうか。
合気道は護身術としても、応用を効かせることができることができるため、自分を守るためにも始めてみてください。
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