どこよりも熱くお届けするスポーツコンテンツ

NEW POST

スポスルマガジンの最新記事

スポスル スポーツ辞典

チアリーディングの歴史・競技人口・ルール・大会【スポーツ辞典】

アメリカで、女子の「花形スポーツ」とされるチアリーディングは、世界的にも大変人気がある競技です。

しかし、日本でチアリーディングというと「アメフトや野球の応援でしょ」というイメージを持っている人も少なくないのではないでしょうか?

今回は、チアリーディングの歴史やルール、世界から見た日本チアリーディングのレベルなどについて解説します。

チアリーディングの起源・歴史について

ご存じの方も多いと思いますが、「チアリーディング」の発祥はアメリカです。

1860年代、アメリカ東部の私立8大学の総称を指す「ivyLeague」のスポーツイベントで、「チアリーディング」の起源とされる「応援活動」がはじまりました。

その後、本格的にアメリカンフットボールの試合で応援団が形成されるようになり、1898年11月2日ミネソタ大学の学生だったジョニー・キャンベル(世界で最初のチアリーダー)が応援席からフィールドに飛び出し、「CHEER-LEADING(応援を先導する)」を始めました。会場はおおいに盛り上がり、試合も勝利。

こうして、チアリーディングの歴史は幕を開けたのです。

現在では、「女性のスポーツ」というイメージがある「チアリーディング」ですが、1920年代までは男性のスポーツでした。

1923年にようやくミネソタ大学で女性チアリーダーが誕生し、それ以降は女性達が徐々にチームに参加し始めました。

1940年代には、男性が幾多の戦争で徴兵されたこともあり、多くの女性が参加するようになり、現在では97%が女性になっています。ちなみに、当時のユニフォームは現在のようなミニスカートではなく、ロングスカートだったそうです。

1960年代には大学のみならず、さらに若い世代にもチアリーディングが広まります。アメリカ全土の小中学校や高校でも、チアリーディングが見られるようになり、各地でキッズ、ユースリーグが発足していきました。

1980年代後半には、オールスターチアリーディング(学校ではなく、クラブチームとしてのチアリーディング)が開始。この頃からスタンツ(組体操のように人を乗せたり、飛ばしたりする技術)や、アクロバット演技の難易度はどんどん上がっていきました。

2000年代になるとチアリーディングは野球界にも広がり、現在ではアメリカのみならず、カナダ、イギリス、オーストラリア、アジア各国、ヨーロッパ、アフリカ大陸でも広まっています。

2021年7月にオリンピック競技として正式承認され、2028年のロサンゼルスオリンピックでは、正式競技化される可能性もあると注目が集まっています。

毎年世界大会も行われ、盛り上がりをみせるチアリーディングの動向に、これからも目が離せません。

日本におけるチアリーディングの歴史について

日本では、1987年に現在の「日本チアリーディング協会」の前身となる団体が設立され、1988年に第一回全日本チアリーディング選手権大会が開催されました。

日本において、チアリーディングが「応援活動」から「技を競うスポーツ」へと進化を遂げた瞬間です。

チアリーディングと関連のあるスポーツ・派生したスポーツ

チアリーディングから派生したスポーツとしてチアダンスがあります。(日本でいう「チアダンス」は正式には「ソングリーディング」「ドリルダンス」と言われます)

チアダンスは、チアリーディングの中のダンス部分を独立させた競技で、ポンポンを持って踊る「ポンダンス」「ラインダンス」「ジャズダンス」「ヒップホップダンス」の4つの種類のダンスを組み合わせたものです。

競技としては2分半の時間内で、それぞれのダンスを組み合わせて振付を構成し、チームの一体感や表現力を競い合います。

競技者の笑顔や、迫力のあるダンスによって観る人を惹きつける、魅力的なスポーツです。

チアリーディングの競技人口について

日本国内のチアリーディングの競技人口はおよそ10,000人。

世界ではチアリーディングから派生したチアダンスの競技人口が30万人以上(ワールドスポーツコミュニティ2013)と言われ、卓球に匹敵するほど、人気を博しています。

現在も競技人口は増加傾向にあり、今後はオリンピック種目としても注目を集めることから、競技人口はまだまだ増えていくことでしょう。

チアリーディングのルールについて

競技種類別に、一部を記載します。

自由演技競技
演技構成上の諸規則に従い、演技の要素(アームモーション、パートナースタンス、ピラミッド、ジャンプ、タンブリング、ダンス)を、チア・サイドライン(大きな声を出しながら体を動かす)や音楽と組み合わせて、自由に創作します。「高等学校・大学・クラブチーム部門」、「中学校・ジュニア部門」に分かれていて部門によって、選手編成は異なります。

<演技エリア>
競技エリアは12m四方内とし、全面使用可能。
競技マットの上に目印やポイント打ち等、手を加えてはならない。

<演技時間>
2分20秒以上2分30秒以内(その内、合計1分30秒以内は音楽を使用してもよい)

グループスタンツ演技競技
演技構成上の諸規則に従い、グループスタンツ専門技術を音楽と組み合わせて自由に創作します。
※スタンツ(複数人で組体操のように人を乗せたり、飛ばしたりするチアリーディング独自の技術)
女子(オールフィメール)部門、男女混合(ミックス)部門、それぞれ選手編成は異なります。

<演技エリア>
競技エリアは12m四方内とし、全面使用可能。

<演技時間>
60秒以上65秒以内。演技はすべて音楽と組み合わせて構成すること。

パートナースタンツ演技競技
演技構成上の諸規則に従い、パートナースタンツ専門技術を、音楽と組み合わせて自由に創作する。

<選手編成>
1名の男子、1名の女子、1名の男子スポッターで編成されたチーム。

<演技エリア>
競技エリアは12m四方内とし、全面使用可能。

<演技時間>
55秒以上60秒以内。演技はすべて音楽と組み合わせて構成すること。

チアリーディングの国際的な大会について

チアリーディングの国際的な大会は4つあり、大きくふたつに分けると、「国別対抗世界大会」と「クラブチーム対抗世界大会」に分けられます。

国別対抗世界大会
「ICUWorldChampionships」「ICUjuniorWorldChampionships」

クラブチーム対抗世界大会
「IASFAllStarCheerleadingChampionships」「TheSummit」

これら4つの世界大会は、毎年4月末にアメリカのフロリダ・オーランドにあるディズニーワールド内で開催されています。

世界から見た日本のチアリーディングの強さのレベル

2019年に群馬県高崎市で行われた「第10回チアリーディング世界選手権大会」で、日本代表チームは、チアリーディングシニア女子部門10連覇、及び男女混成部門準優勝をはじめ、各部門で優秀な成績を収めています。

大会参加者からは、「日本チームの高度な技術には目を見張るものがあり、大きな刺激を受けた」との声も上がるなど、日本のチアリーディングは世界に通用することが証明されています。

まとめ

技を競い合い、迫力のあるダンスを繰り広げることで観客を魅了するチアリーディングには、他のスポーツに引けを取らない魅力があります。

ただの「応援」ではなく、オリンピック競技としても正式承認されたスポーツである、チアリーディングの今後の動向に注目です。



  • この記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
and

and

スポーツに新たな価値を

さまざまな視点からスポーツの魅力を伝え、新たな価値を創出します。

  1. 【必見】保護者の方!クラブチームと少年団の違いについて解説!

  2. 【フットゴルフ】初心者でも気軽に楽しめるその魅力に迫る!

  3. ロゲイニングとは!?自然を満喫できる人気上昇中のスポーツを紹介!

PAGE TOP