サイクルサッカー、文字通り自転車に乗って行うサッカー。皆さんは日本のどこかでご覧になったことあるでしょうか。
残念ながら筆者は見たことがありません。またもや未上陸スポーツなのか!?と期待に胸を躍らせてサイクルサッカーの起源や歴史、ルール、そして日本国内や世界での大会など探っていきたいと思います。
サイクルサッカーの起源・歴史
ポロから派生して生まれたスポーツ
サイクルサッカーの起源は意外と古く、1891年頃にアイルランドで自転車競技者がポニーを自転車に乗り換えて始めたとされるサイクル・ポロに由来していると言われています。
その後、1897年にはイギリスにおいてサイクル・ポロ協会が発足しました。それを機に自転車愛好家の多いヨーロッパ各地に普及しました。
片方の手で自転車を操り、もう片方の手でスティックを持ちボールを操る。
自転車競技者にとってみれば、ただ単に自転車に乗る以上に高度な技術やテクニックを必要とすることで優越感や自己満足もあるのでしょう。
自転車競技が根強いヨーロッパからアメリカへと渡り、1901年には初めての国際大会が行われたそうです。
屋外から屋内へ、5人制から2人制へ
普及が進むにつれ、天候に左右される屋外から屋内へと会場を移しました。
狭い屋内では、より卓越した技術やスピード感など大胆さと繊細さが必要となり、競技者を虜にしたようです。
屋外で行われるのは5人制サイクルボール、屋内で行われるのは2人制サイクルボール。この二つの競技スタイルが近代サイクルボールへの源流となりました。
サイクルポロ?サイクルボール、いったいどっちなの?
実はこのサイクルサッカーと言う名称は日本のみの名称と言われており、英語圏ではサイクルボール、またドイツではラドバルと呼ばれているそうです。ということは日本にも存在していたということになりますね。
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サイクルサッカーのルール
基本的にはサッカーのルールとほぼ同じと言われていますが、足でなく自転車やスティック使うのでしょ?ボールはもちろんサッカーと一緒じゃないよね!?
ルールの前にこんなところから触れていきましょうか。
使用する自転車
ハンドルの形状が上向き、サドルはほぼ後部座席のようなポジション。シュートやパスなどをしやすくするために前輪を持ち上げやすい構造になっています。
使用するスティック
マレットと呼ばれるこのスティックは長さ1m、選手たちはこのマレットを器用に操ります。
使用するボール
ボールは直径17~18㎝、一般男子のハンドボールと同程度です。重さ500~600gの布製、バスケットボールと同程度の重さです。そして特性としてはあまり弾まないような構造になっています。
使用コート
長さ14m×幅11mとされており、コートの周囲はボールが飛び出さないように高さ30㎝、内角度60度のフェンスで囲まれています。
サイクルサッカーらしい特殊な道具などに触れて頂いたので、今度はルールを確認していきましょう。
驚きの試合時間
なんと7分ハーフ、ハーフタイム2分、計16分で試合が終わります。
サイクルサッカーならではルール
プレー中はハンドルから手を、ペダルから足を離してはならない。
自陣のペナルティエリア内に前後輪とも入っていれば、キーパーとして自由に手が使えてパンチングやキャッチもできる。
転倒、または足がペダルから離れて床に着くと落車とみなされ、プレーを続けると反則となる。落車した場合、自陣のエンドラインまで後退、ライン外の床へ車輪を一旦出すことで再びプレーに戻ることができる。
相手を押す、押さえる、大声を出すなどは反則となる。その他、ペナルティキックやフリーキックなどサッカーと同様のルールがあります。
サイクルサッカーの日本大会・世界大会
近年の競技人口は世界20か国で2万人以上とされていますが、日本ではどれほどこの競技が盛んなのでしょうか。
日本におけるサイクルサッカーの位置づけ
今では全国に200チーム、およそ500人が競技を楽しんでいるとされています。
1957年にサイクルボールの普及活動が日本学生自転車競技連盟により始まり、1967年にサイクルボールではなくサッカーに似ていると言うことで、より馴染みのあるサイクルサッカーという名称になったとされています。
ちなみに日本では2人制が主流とされています。
国内での初めての本格的な大会は1969年、8大学が参加した「全日本大学サイクルサッカー選手権大会」です。
2001年には鹿児島県で世界選手権大会、2002年には千葉県でアジア選手権大会が開かれるなど日本国内で国際大会も開催されています。あまり知られていませんが、サイクルサッカー日本代表チームは世界選手権大会に1972年大会から毎年出場し、2007年にAグループに初昇格、その翌年2008年はAグループ(世界上位6カ国)で5位という結果でした。
世界大会、世界のレベル感を覗いてみる
コロナ禍にも関わらず2021年9月に世界選手権派遣選手選考会、日本代表を決める大会が行われました。あいにく参加は少なく6チームの参加でしたが、RSV大阪というチームが優勝し、2021年10月ドイツのシュツットガルトで開かれた世界大会に選出されたようです。
この大会のホームページをかなり努力して見つけました。残念ながら日本人の活躍、日本チームのことは掲載されていませんでしたが、オーストリアが3位、スイスが2位、ドイツが優勝を果たしました。
日本人の活躍を2022年は見られるのか乞うご期待です。
まとめ
サイクルサッカーについてお伝えしてきました。日本でも競技人口がまだまだ伸びる予感のサイクルサッカー、かつては世界ベスト6に入っていたのですから、やがてニュースで取り上げられる日も近いかもしれませんね。
これからもサイクルサッカーから目を離さないようにお願いします。
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