パラスポーツは障がいを持った人が行うスポーツで、障がいがあっても活動ができるように、障がいのレベルに応じて一般競技とルールの変更、実施内容の工夫、用具を用いて障害を補うように工夫されたスポーツです。
当初は医学的なリハビリテーションとして行われていましたが、現在ではリハビリテーションに留まらず、一般競技と同様に白熱するスポーツとなりました。
その中でも、メジャースポーツの1つとして挙げられるのが、「車椅子バスケットボール」です。
車椅子バスケットボールはその名の通り、車椅子を使用しながらバスケットボールをします。
もちろん、走るなどの行為がないため、車椅子バスケットボール用のルールがあり、一般競技のバスケットボールとは異なります。
障がいがあるとは思えないほどの激しいプレーが魅力的で、そのダイナミックさと障がいを感じさせないガッツに、グッと引き込まれます。
今回はそんな大迫力な車椅子バスケットボールについて解説していきます。
車椅子バスケットボールの起源・歴史について
車椅子バスケットボールは、多くの障がい者を生んでしまった第二次世界大戦後にアメリカ・イギリスで始まりました。
特に一般競技のバスケットボールの発祥地であるアメリカでは、戦争により障がいを持ってしまった人々が情熱を傾くことができるものとして発展して行きました。
イギリスではストークマンデビル病院に所属していたグットマン博士により、脊椎損傷者への治療法の一つとして、普及されるようになりました。
1949年に全米車椅子バスケットボール協会が設立され、1950年後半には競技スポーツとして全世界に広まって行きました。
当時の車椅子は日常生活で使うものと同じものが使用されていましたが、現在は競技用のものが開発され、よりダイナミックでクイックネスなスポーツへと進化して行きます。
日本における車椅子バスケットボールの歴史について
日本における車椅子バスケットボールの歴史は1960年に「大分県の国立別府病院」や「神奈川県の国立箱根療養所」で紹介されたのが始まりです。
その後、1964年に開催された東京パラリンピックでパラスポーツが全国に認知されるようになり、それに合わせて車椅子バスケットボールが普及して行きました。
全国での盛り上がりに合わせて、車椅子バスケットボールの全国大会も開催されるようになり、1975年に日本車椅子バスケットボール連盟が設立しました。
車椅子バスケットボールが日本でより認知されるようになったきっかけの1つに、1999年に車椅子バスケットボールを題材にした「リアル」という漫画が登場したということもあります。
現在も障がい者が健常者のように打ち込むことが出来るスポーツとして、盛り上がり続けています。
車椅子バスケットボールと関連のあるスポーツ・派生したスポーツ
車椅子バスケットボールと関連したスポーツといえば、第一に思い浮かぶのが一般のバスケットボールでしょう。
他に「ビーチバスケットボール」「ネットボール」「ポートボール」など、バスケットボールから派生したスポーツはありますが、パラスポーツという観点では「デフバスケットボール」というスポーツがあります。
デフバスケットボールはろう者によるバスケットボールで、耳に障がいを持った人が参加することが出来ます。
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車椅子バスケットボールの競技人口について
日本国内における車椅子バスケットボールの競技人口は現在約800名いて、世界で最も車椅子バスケットボールが盛り上がっているドイツでは約2,500名いると言われています。
日本も一時期は1,000名を超える競技者がいましたが、パラスポーツが幅広くなったこともあり、分散され競技者が減ってしまいました。
しかし、東京パラリンピックをきっかけに車椅子バスケットボールの認知度は上がり続けています。
車椅子バスケットボールのルールについて
車椅子バスケットボールのルールについて、一般のバスケットボールと大きく違うとことは「ダブルドリブル」です。
車椅子バスケットボールでダブルドリブルはなく、1回のドリブルに対してタイヤ操作が2回までというルールを守れば、何回でもドリブルをすることが出来ます。
また車椅子は身体の一部と判断されますが、プレー時に車椅子からお尻が離れると「バイオレーション」を取られ、相手ボールになります。
車椅子バスケットボールの国際的な大会について
オリンピックと並びにあるパラリンピックは障がいを持った選手が参加するパラスポーツの世界です。
パラリンピックの「パラ」とはギリシャ語のパラ=Para(沿う)とオリンピックが組み合わさったもので、もう一つのオリンピックとして解釈されています。
車椅子バスケットボールにおける1番大きな世界大会はこのパラリンピックです。
他には「IWBF車いすバスケットボール世界選手権」があります。
世界から見た日本女子車椅子バスケ&日本男子車椅子バスケの強さレベル
世界から見て日本男子車椅子バスケットボールのレベルは高く、東京パラリンピックでは銀メダルを獲得しました。
日本女子車椅子バスケットボールも弱くはなく、6位入賞という結果になりました。
若い選手も出てきて、今後の日本車椅子バスケットボールの活躍に期待です。
まとめ
今回は車椅子バスケットボールについて詳しく解説しました。
車椅子バスケットボールをまだ見たことがないという方は、ぜひ車椅子バスケットボールを一度見てみてください。
スポーツとしての楽しみだけでなく、障がいを乗り越え、情熱を注ぐ姿にとても感動します。