多くのファンに愛好され、楽しまれているメジャースポーツといえば野球です。
様々なドラマが生まれる舞台となるのが野球のグラウンドですが、グラウンドには塁間の距離をはじめとして、様々な細かい寸法が定められています。
長い歴史と経験に基づいて絶妙に設計された野球の塁間などの距離について詳しい知識があれば、今後の野球観戦がより一層楽しくなる ことでしょう。
この記事では、野球の塁間の距離や、各世代のグラウンド寸法を詳しく解説します。
グラウンドの寸法とサイズ
野球のグラウンドの寸法やサイズは、主に次の項目について細かく定められています。
・投球間の距離
・塁間の距離
・バッターボックスの広さ
また、各世代によって、プロ野球・大学・高校野球のカテゴリーと、少年野球のカテゴリーに大別されています。逆に言えば、プロ野球と大学野球、そして高校野球は全てのサイズが同一ということになります。
よく見かける典型的な例が甲子園球場や神宮球場ですね。甲子園では春夏の高校野球とプロ野球が、また神宮球場では東京六大学野球とプロ野球が、それぞれ同一球場・同一条件で開催されています。
グラウンドの広さは、公認野球規則のルールブックに記載されています。
なお、この記事では、塁間の距離を中心として、投球間の距離なども後述しますが、バッターボックスの広さについては、距離と概念が異なるので割愛します。
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塁間の距離
まずは塁間の距離です。野球ファンならご存知のとおり、野球には本塁・一塁・二塁・三塁と、内野に4つのベースが設定されており、打者・走者はそれぞれの「塁間」を順番に走り抜け、得点を競います。
塁間の距離とは、一塁と二塁、二塁と三塁、そして三塁と本塁それぞれの間にある距離のことを指します。
プロ野球・大学・高校野球の塁間の距離は、アメリカのグラウンドの大きさに由来して設定されており、少年野球の塁間の距離はプロ野球・大学・高校野球の塁間の距離よりも少し短くなっています。
規定の距離はそれぞれ以下に挙げるとおりです。
塁間の距離(プロ野球・大学・高校野球)
プロ野球・大学・高校野球における距離の規定は次のとおりです。
・塁間の距離:27.431m(90フィート)
・ダイヤモンド1周の距離:110m
プロ野球・大学・高校野球における塁間の距離は、アメリカの単位では90フィート、日本の単位では27.431mと定められており、ダイヤモンド1周は約110mとされています。
塁間の距離は、まずホームベース(本塁)と二塁を起点にして測られ、ホームベースの右側の交点が一塁、左側の交点が三塁となります。
一塁から三塁までの距離は38.795m(127フィート31インチ3/8)となります。
プロ野球における俊足ランナーの場合、それぞれの塁間を約3.5~4秒で、またダイヤモンド1周を13秒台~14秒台前半で走り抜けます。
盗塁の際には、ランナーがスタートしてから二塁ベースに滑り込むまでの時間が約3.5秒で、俊足のランナーの場合は約3.2秒というデータがあります。
塁間の距離(少年野球)
少年野球の場合は、選手が年々成長し、体格の変化も著しいことから、プロ野球・大学・高校野球とは別に、年代・世代ごとに塁間の距離も細かく分類されています。
それぞれの分類ごとの塁間距離は次のとおりです。
組織 | 塁間の距離 | ホームベースから塁間までの距離 |
ボーイズリーグ(中学生) | 18.44m | 27.431m |
ボーイズリーグ(小学生) | 15.367m | 22.86m |
少年軟式(高学年) | 16m | 23m |
少年軟式(低学年) | 14m | 21m |
リトルリーグ | 14.02m | 18.29m |
少年野球における塁間の距離をみると、小学生までは大人と同じサイズでは大きすぎて試合に支障が出てしまうため、年齢にあわせてひと回り小さいサイズとなっていますが、中学生からはプロ野球・大学・高校野球と同じサイズになります。
その他の主な距離の指標
塁間の距離について理解できたのではないかと思いますが、野球では塁間だけではなく、その他の主要な距離も定められています。
主な距離の指標について解説します。
マウンドの高さと距離(プロ野球・大学・高校野球)
野球で投手(ピッチャー)が投げる際には、マウンドと呼ばれる、高く土が盛られているゾーンから投球します。
そして、ピッチャーズマウンドの高さや大きさ、また打者が待ち構えるホームベースまでの距離が次のように規定されています。
・ピッチャーズマウンドの高さ:25.4cm(10インチ)
・マウンドの直径:5.486m
・プレートの幅:15.2cm
・プレートの長さ:60.9cm
・プレートとホームベースの距離:18.44m
この中で特に注目されるのが、プレートとホームベースの距離です。
「投手と打者はわずか18.44mで勝負する」と言われることがあります が、まさにこの距離の中で投手と打者が様々な駆け引きを行い、勝負を決します。
この距離を、投手が150km/hの初速で投げると、ホームベースに到達するまでには約0.41秒、140km/hでは約0.44秒かかります。
数字だけを見るとその差はごくわずかのようですが、実際に10km/hも違えば、打者の感覚としては大きな差異があります。
マウンドの高さと距離(少年野球)
少年野球では次のように規定されています。
・ピッチャーマウンドの高さ:25.4cm
・マウンドの直径:4.572m
・プレートの幅:13cm
・プレートの長さ:51cm
・プレートとホームベースの距離:16m
少年野球でもマウンドの高さはプロ野球・大学・高校野球と変わりませんが、その他の項目は異なっており、マウンドやプレートは一回り小さく、プレートとホームベースの距離は2.44m短くなっています。
ホームベースからセカンドベースまでの距離
ホームベース(本塁)からセカンドベース(二塁)までの距離は、プロ野球・大学・高校野球で38.795m、少年野球では32.52mとされています。
この距離は、走者が一塁から二塁へ盗塁する際に、それを阻止すべく捕手が強肩を活かして二塁へ送球する際に大きく影響します。
なお、ホームベースからセカンドベースを結ぶラインは、日本では選手の体力面などを考慮してグラウンドが日陰になるように調整されますが、アメリカの場合は興行中心のため、日中の試合で観客席が日陰にならないよう、東北東に伸びる方向で調整されています。
ホームベースから外野フェンスまでの距離
ホームベースから外野フェンスまでの距離は、プロ野球・大学・高校野球では76.199m以上と規定されていますが、打撃が向上している現代野球では短かすぎます。
そのため、両翼(左翼と右翼)は97.534m以上、センター(中堅)は121.918m以上が望ましいとされています。
少年野球では両翼70m以上、センター85m以上です。
両翼とは、本塁と一塁・三塁とを結んでライト(右翼)、レフト(左翼)に至るファウルラインの延長線上、センター(中堅)とは本塁と二塁を結ぶ直線の延長のことを指します。
まとめ
野球における塁間の距離と各世代のグラウンド寸法、また投手のマウンドや、ホームからセカンド・外野フェンスまでの距離について解説しました。
細かく規定されている数値ですが、こうした数字を頭に入れて野球を観戦すると、一層味わい深いものとなるでしょう。
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