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【打撃妨害】ルールやペナルティについて!各プレーを交えてご紹介

プロ野球ではほとんど見られない「打撃妨害」。
その名の通り、バッターの打撃を妨害してしまう反則です。
しかしあまり起こらないだけに、どのようなプレーが打撃妨害になるかもよく知られていません。
今回は、打撃妨害のルールやペナルティをご紹介。
実際に打撃妨害が起こりやすいプレーを例に挙げて解説します。

打撃妨害のルール

【打撃妨害】ルールやペナルティについて!各プレーを交えてご紹介①

打撃妨害についてのルールは、主に公認野球規則「6.01 妨害・オブストラクション・本塁での衝突プレイ」に書かれています。

(c)捕手の妨害
捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合、打者は走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。

打者を妨害(インターフェア)」とは具体的にどのようなプレーをいうのでしょうか。

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キャッチャーがバッターに触れる

打撃妨害の大半は、打撃を行おうとしているバッターにキャッチャーが触れるパターンです。
キャッチャーが着けている道具が触れた場合でも打撃妨害となり、実際にはキャッチャーミットがバットに触れることがほぼ100%。
2006年には横浜が広島にサヨナラ打撃妨害で勝っています。

レアケース

接触しなかったとしてもキャッチャーがホーム上やホームよりも前に出てきたためにバッティングができなかったら打撃妨害が成立します。
またピッチャーが投球したボールをキャッチャーや野手がホーム上やホームより前で捕球した場合も打撃妨害です。
これらは実際の試合で起こることはまずありません。
あるとすれば、3塁ランナーがスクイズホームスチールを行ってきたとき。ピッチャーの投球をキャッチャーがホーム上やホームより前でカットしようとするパターンです。
ピッチャーがプレートを外していれば投球ではなく送球となり問題ありませんが、投球だった場合、打撃妨害ではなく投手にボークが宣告されます。

記録

打撃妨害が起こったとき、打率などの記録はどのようになるのでしょうか。
まずバッターに関しては、打席はカウントしますが、打数はカウントされません
つまり打撃妨害による出塁は打率や出塁率の算出に関係してこないということ。
一方、満塁で打撃妨害があった場合、得点が入りますが、この際には打点が記録されます
ではランナーが盗塁を試みていた場合はどうなるのでしょうか。
このときは打撃妨害でプレーがストップしても盗塁は成立。盗塁成功として記録されます。
守備側については打撃妨害を行った選手にはエラーを記録
エラーですから満塁で打撃妨害があってランナーがホームインしてもピッチャーの自責点とはなりません

打撃妨害のペナルティ

【打撃妨害】ルールやペナルティについて!各プレーを交えてご紹介②

打撃妨害のペナルティについては、先述のルールにあるように1塁への進塁が認められます。
ただし実際の試合では、打撃妨害があったことでプレーが止まったか、継続したかによって対処が少し変わってきます。

プレーが継続しなかったとき

打撃妨害が起こった後にプレーが継続しなかった場合、審判はタイムをかけてボールデッドにします。
その上で打撃妨害を受けたバッターは1塁へ
塁上にランナーがいた場合は、そのバッターランナーに明け渡す形で次の塁への安全進塁権が与えられます
例えばランナー1塁で打撃妨害が起こったら、1塁にいたランナーは2塁へ進み、バッターは1塁へ。
しかしランナー2塁だった場合は、バッターは1塁へ進みますが、ランナーはそのまま。結果、2塁・1塁となります。

プレーが継続したとき

バッターへの打撃妨害が起こった後もプレーが続く場合もあります。
その場合は、プレーが止まるまで継続。
そして攻撃側に打撃妨害による損失がなかったら、打撃妨害はなかったことになります
具体的には、バッターがヒットやエラー、四死球などで1塁へ進み、しかも塁上にランナーがいた場合に全てのランナーが1個以上進塁したとき。
そうでないときは、プレーが継続しなかった場合と同じようにペナルティが課せられます。

監督の選択権

打撃妨害には「監督の選択権」が発生します。
監督の選択権は、打撃妨害が発生してもプレーが続行したときに、続けたプレーの結果を活かすかどうかを監督が選べる権利です。
例えば1アウトランナー3塁で打撃妨害を受けつつバッターがゴロを打ち、1塁でアウトになる間に3塁ランナーが生還したとき。
打撃妨害なら1アウト1塁3塁となりますが、監督は得点を優先して打撃妨害を放棄することもできるのです。
2014年には田中将大投手が登板したヤンキース対カブス戦で、ヤンキースが実際に監督の選択権を使って得点を選んでいます。

打撃妨害はなぜ起こる?

【打撃妨害】ルールやペナルティについて!各プレーを交えてご紹介③

キャッチャーミットにバットが当たってしまうことがほとんどである打撃妨害。
ならば当たらないようにキャッチャーがもっと後ろに下がれば良いはず。
なぜ打撃妨害が起こるのでしょうか?

ストライクの判定

主な理由は、低めでストライクの判定を取るためです。
ホームベース上を通過したボールは落下していくため、後ろにいるほどキャッチングするミットの位置は低くなります。
実際にはベース上でストライクゾーンの高さならストライクのはずですが、審判も人間。キャッチャーが後ろに下がって低い位置で捕球すると明らかにボールの判定が増えるのです。
そのためキャッチャーは打撃妨害の危険があってもなるべくホームベースに近い位置に手を伸ばします。

ボールからストライクになる変化球

いくらキャッチャーが前にいても、普通バットがミットに当たることはないもの。もしバッターがわざとミットに当てれば、それは打撃妨害ではなく守備妨害となります。
ではどのようなときに打撃妨害が起こるのかというと、その多くはボールゾーンからストライクゾーンに大きく曲がる変化球のとき。
特に予測とは違ったボールが来たときにバッターが慌ててバットを合わせようとして姿勢を崩すと、ミットに当りやすくなるのです。
そのため鋭い変化球を持つピッチャーや、豪速球に変化球を織り交ぜるピッチャーは打撃妨害の可能性が高くなります。

疑惑の打撃妨害

日本のバッターの打撃妨害ランキング上位には、中利夫氏や与那嶺要氏、張本勲氏など、往年の名選手が並んでいます。
特徴は、バットコントロールが上手いヒットマンであること。
このことから、打撃妨害は一般的にわざとできるものではないとされつつも、「いや彼らならわざと狙えたはず」とも言われています。

まとめ

ほとんどはキャッチャーミットにバットが当たることで起こる打撃妨害。
その発生原因のひとつは低めのボールをストライクにしてもらうためにキャッチャーが前に出ることでした。
しかしこのギリギリの攻防はプロだからできること。
アマチュアレベルでそのようなことをすれば、バットが当たって骨折するかもしれません。
間違っても打撃妨害など起こらないよう、安全な距離をとってプレーしてください。

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でかむ

スポーツで人生楽しむ自然派ライター

筋トレとアウトドアをこよなく愛するライター。某FM局の作家時代、筋トレマスターに師事し、トレーニングブログを3年間で100本以上執筆しました。

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