ボクシングは単に相手を殴って倒すという単純なものではなく、様々な戦略のもと相手を倒しています。
つまり、身体が強いというだけでは勝てず、頭脳戦のスポーツとも言われています。
そんなボクシングのテクニックとして、フットワークなどの足を使って翻弄することや、様々なパンチの種類を駆使するなどして相手のガードをくぐり抜けダメージを蓄積させていきます。
ボクシングのパンチは大きく分けて「ストレート系統」「フック系統」「アッパー系統」に分かれ、利き手にもよりますが、右・左と分けて6種類あるとされています。
今回はボクシングのパンチの種類について解説していきます。
パンチの種類:ストレート系統
まずはパンチの王道であるストレート系統について、利き手によって多少の違いがありますが、基本的なものを解説します。
ストレート系統のパンチは攻撃の軌道が直線のため相手に最短で届く速い攻撃ができる点が特徴です。
さらには、ガードをしている位置からパンチ放つため、隙を作らず攻撃ができます。
しかし、真っ直ぐな軌道であることから軌道が読まれやすく、フェイントをかけないとガードされてしまうデメリットもあります。
左ジャブ・ストレート
左ストレート系統はパンチの打ち方により、左ジャブと左ストレートに分かれます。
パンチは身体の回転を使うことで体重を乗せることができ、威力が増します。
ストレートは身体の回転を使うため強いパンチになりますが、ジャブは身体の回転を使わないためスピード重視のパンチになります。
ジャブは牽制・距離を測る・フェイントなど様々な効果があり、ボクシングにおいて最も使用頻度の高いパンチです。
どの格闘技においてもボクシングのジャブよりも速いパンチはないと言われています。
右ストレート・クロス
右ストレートはガードの位置から打つため、隙が出ないことが特徴です。
リーチ(腕の長さ)が長い選手は距離を取りながら強い攻撃をすることができるため有利ですが、長距離ゆえのデメリットがあり、打ち終わりに反撃をもらう危険があります。
パンチを打った後の引きが大事と言われる所以です。
【関連記事はこちら】⇩
・【ボクシング】防衛記録(世界・日本)と各選手の特徴をご紹介!
・【ボクシング】階級一覧|プロアマ男女別のリミット体重もご紹介!
パンチの種類:フック系統
次は腕を曲げて身体の回転で巻き込むように打つパンチである「フック系統」について解説していきます。
フックは相手がストレートのガードをしているときに、そのガードをすり抜けて相手に攻撃を当てることが出来ます。
ショートフックやロングフックなど腕の角度で攻撃の距離を変えることができます。
フックは身体の回転と腕の巻き込み力を加えることができるため、ストレートよりも強力なパンチです。
左フック
左フックは様々なパンチの中で最も最強のパンチです。
一撃必殺としてフックを得意としている選手も多く存在します。
しかし、一撃必殺というメリットがある分、その反動でデメリットがあり、打つ瞬間にガードが外れてしまうため、反撃をもらいやすい特徴があります。
そのため、他のパンチとのコンビネーションでバリエーションを付けながら工夫する必要があります。
また、人間は右側に肝臓があり、そこに強い衝撃が蓄積されると立ち上がることが出来ないほど苦痛が伴います。
そのため、左フックをボディーに打ち込む「ボディーブロー」は試合の後半につれて有効になってきます。
右フック
右フックは相手ガードの死角から打つ強いパンチのため、当たれば強力な武器になります。
しかし、ガードから離して打つことになるため、難易度が高いパンチです。
打ち終わりは打った後の腕がガードになるので良いですが、打ち始めのカウンターに気をつけなければなりません。
パンチの種類:アッパー系統
アッパーは身体の回転力を利用し、下から顎へ突き上げるパンチです。
ストレートは直線、フックは横方向からの攻撃で相手もガードをして防ぐことが多いですが、アッパーは死角や相手のガードを割って当てることができます。
顎に当たると、脳が揺れ一発KOになる可能性が高いため一撃必殺になり得るパンチです。
しかし、攻撃時に隙が多いためコンビネーションを使うなどの工夫をする必要があります。
左アッパー
左アッパーは顎を跳ね上げる攻撃になるため、脳が揺れやすく、ダウン・KOを狙えるパンチです。
さらに、相手の上体を上げることになるので、次の攻撃に繋げやすくなります。
顎への攻撃だけでなく、ボディーに打つことで相手のみぞおちを狙うことが出来ます。
右アッパー
右アッパーはショートアッパーやロングアッパーと距離を変えることによりバリエーションが出ます。
さらには、相手が自分の懐に入ってきたときや自分が相手の懐に入ったときに、至近距離で打てる唯一のパンチです。
コーナーやロープ際の密接している状態で攻撃する場合に有効です。
パンチを強くする筋肉
パンチを強くするためにはトレーニングが重要です。
パンチは腕の力で打っているように見えますが、実は全身の運動で、上半身だけでなく、下半身・体幹の筋力も重要になります。
そのため、全身を万遍にトレーニングする必要があります。
その中でも特に重要な筋肉は以下の通りです。
・下半身の筋肉:ハムストリングス・下腿三頭筋
・上半身の筋肉:大胸筋・三角筋・広背筋・上腕二頭筋
・体幹の筋肉:腹斜筋・腹直筋・脊柱起立筋
この中でも広背筋はヒッティングマッスルと呼ばれており、パンチ力に直結していると言われています。
まとめ
今回はボクシングのパンチの種類について解説しました。
ボクシングはフットワークを駆使しながら様々なパンチを繰り出し、相手を倒すスポーツです。
いつどのタイミングで、どのパンチを繰り出すのかが重要になるため、全てのパンチを使いこなせるようになることで、試合を有利に運ぶことができるため、是非とも全てのパンチを練習してみてください。
【関連記事はこちら】⇩
・【ボクシング】歴代最強ボクサーPFPトップ5!各選手の詳細も紹介
・【ボクシング】階級一覧|プロアマ男女別のリミット体重もご紹介!