自動車レースの最高峰と言われるF1。
轟音と共に時速300km以上でサーキットを疾走するレースは大迫力ですが、一方でルールがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、F1のルールをご紹介。
初心者でもF1を楽しめるよう、分かりやすく解説します。
【F1】ルール レースの流れ
まずはF1のレースがどのように行われるのか、大まかな流れをご紹介します。
ポイント
F1レースは世界各地を転戦し、年間を通じて獲得した合計ポイントを競うシリーズ。それぞれのレースはF1日本グランプリのように「F1◯◯グランプリ」という名で呼ばれます。
参加するのは1チームにつき2人のドライバーで、合計10チーム20人です。
各レースで優勝や上位入賞の表彰は行われますが、それに加えて1位は25点、2位は18点など、順位に応じたポイントも獲得。シーズンの最後にはドライバーとチームの年間チャンピオンが決定します。
各レースの進行
各大会は基本的に週末に開催。
まず金曜日から土曜日の午前にかけてフリー走行と呼ばれる練習を行います。
最終的なクルマのセッティングを行うのもこの期間。
そして土曜日の午後に予選がスタートします。
決勝は日曜日の午後から。
ただし天候などによっては予選と決勝を1日で行うこともあります。
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予選
予選は決勝の出走順位を決めるために行うもの。
Q1、Q2、Q3と3回に分かれたサバイバルルールで実施します。
決勝のように同時に走るのではなく、周回のタイムを競う形式。時間内であればいつ計測しても良いため、ドライバーはサーキットの混雑状況を見ながらスタートし、タイムアタックを行います。
Q1は20人出走で下位の16位から20位が決定。上位15人はQ2へ
Q2は15人出走で下位の11位から15位が決定。上位10人はQ3へ
Q3は10人出走で1位から10位が決定
つまり上位10人は合計3回のタイムアタックのチャンスがあるということ。
この予選は下位になっても脱落ではありませんが107%ルールというものがあり、予選1位タイムの107%以内で走れなかったドライバーは決勝レースに出場できなくなります。
これはあまりにも遅いマシンがいるとレースが危険になることから導入されているルール。出場の可否は審査員が判断し、例えば予選の途中で天候が大幅に変わってタイムが伸びなかった場合などは特別に出場が認められることもあります。
【F1】ルール 決勝
テレビ中継などがあり一般の人が「F1のレース」とイメージしやすいのは、実は決勝のレース。
続いてはメインとなる決勝のルールをご紹介します。
スタート
決勝では予選の順位が良かったドライバーから順にグリッドと呼ばれるスタート位置につきます。予選1位の選手はポールポジションと呼ばれる最前列へ。
予選で反則などがあると「3グリッド降格」などのペナルティが与えられることもあり、さらにペナルティが重くなるとピットレーンと呼ばれる車庫側のエリアからスタートする場合もあります。
スタートはシグナルで合図。
シグナルは5つあり、全て消えた状態から1つずつ点点灯していきます。5つのシグナルが点いた後一気に消えるのがスタートの合図です。
走行距離
走る距離は、「305kmを超える最も少ない周回数」というルール。
各レースのコースごとに変わりますが、だいたい50周から70周走ります。
例えばF1日本グランプリが行われる鈴鹿サーキットの1周は5.807km。周回数は53周でレース距離は307.471kmです。
ただし市街地を走るモナコグランプリは特別。平均速度がF1のサーキットの中で最も遅いため、モナコグランプリだけは「260kmを超える最小の周回数」と定められています。
そして2021年からはスプリントと呼ばれる距離の短いレースもスタート。スプリントは「100kmを超える最小の周回数」というルールになっています。
ピット
走行中にフォーミュラカーが入ってタイヤ交換などを行うのがピット。
ここにもルールがあります。
レース中にはピットに入ることでタイヤや破損したパーツの交換を行えますが、ガソリンの給油はできません。
ビットレーンでの速度は時速80キロまで。そのためタイヤ交換など以外にも時間のロスがあり、ピットインをすると約20秒は遅くなると言われています。
タイヤ
使用するタイヤに関してもルールがあります。
タイヤはピレリ社が5種類のドライタイヤと2種類のレインタイヤを供給。
レース毎にピレリが指定した3種類のタイヤを使用することになります。
レース中には1回以上のタイヤ交換が義務付けられ、しかもレース中に硬さの異なる2種類以上のタイヤセットを使うというルール。
適切ではないセットのタイヤを装着してしまった場合は、すぐにピットインして正しいタイヤへ交換する義務があり、間違えたままだとペナルティとなってしまいます。
ルール違反とペナルティ
レース中の主なルール違反には以下のようなものがあります。
・スタートが早い
・他のマシンを不正に妨害する
・通ってはいけないところを通過する
・使用義務のあるタイヤを使用しない
このような違反には以下のようなペナルティが課せられます。
・5秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティ
・10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティ
・ドライブスルーペナルティ
ストップ・アンド・ゴー・ペナルティは、ピットインの際にその秒数を停止しなければならないというもの。ピットインをしなかった場合は、ゴール後にその時間が加算されます。
ドライブスルーペナルティは、停止はしませんがピットレーンを通過する必要があるというペナルティです。
フラッグ
レース中にはいろいろなフラッグが振られます。
このフラッグはそれぞれに意味があるもの。レース観戦のためには覚えておくと便利です。
・イエローフラッグ
前方に破片もしくはアクシデントあり、注意せよ
・レッドフラッグ
アクシデントなどでレース中断、停止せよ
・ホワイトフラッグ
救急車両やメディカルカーなどがコース上にあり、注意せよ
・グリーンフラッグ
イエローフラッグなどの後のオールクリア
・イエロー&レッドストライプフラッグ
コースがオイルまたは水で滑りやすい状態
・ハーフブラック&ハーフホワイトフラッグ
非スポーツマン的行為に対する警告
・ブラックフラッグ
掲示された対象ドライバーは失格、ただちにレースから除外
・オレンジサークルフラッグ
車両に機械的問題あり、即時ピットイン
・ブルーフラッグ
周回遅れになりそうなドライバーに対し、後続車に進路を譲れ
・チェッカーフラッグ
ゴールインでレース終了
まとめ
さまざまなルールがあるF1。
しかし実はレースでのルール以上に厳しいのが、車両に関するルールである「レギュレーション」です。
シャシーやエンジン、タイヤ、燃料まで細かく規定されたレギュレーションの中でいかにマシンを速くするかがメーカー、チームの腕の見せ所。
F1に興味を持った方はルールをさらに深掘りしていけば、観戦の楽しみが大きく広がるかもしれません。
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