格闘技好きにはお馴染みのUFC。
とはいえ世界での人気に比べれば日本では知名度があまり高くないのも事実で、格闘技に興味を持ち始めたばかりだと、何のことか分からないかもしれません。
今回は、UFCの基礎知識をご紹介。
初心者でも楽しめるよう、主なルールも解説します。
UFCとは
UFCは、Ultimate Fighting Championship(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の略。
簡単に言えば総合格闘技を行う団体です。
ではどのような団体なのでしょうか。
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UFCの概要
UFCはアメリカの総合格闘技団体です。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは1993年。
総合格闘技の団体としては、他にアメリカのベラトールMMA、シンガポールのONE Championship、日本のRIZNなどがありますが、その中でもUFCは歴史・規模共に世界最高峰と言われています。
世界各国から参戦している選手は約600名で、その試合は40ヶ国語に翻訳され世界中で放送。UFCは総合格闘技の選手が最終的に目指すステージとなっています。
つまり名実共に「総合格闘技の最強王者」と名乗れるのはUFCのチャンピオンだけなのです。
ファイトマネー
選手のファイトマネーが高額なのもUFCの特徴です。
チャンピオンの平均ファイトマネーは1試合で78万3400ドル(約1億円)。
高視聴率が見込める試合ならファイトマネーはさらに高額になり、1試合で600万ドル(約7億8000万円)ということもあります。
この高額なファイトマネーも世界最高峰の団体と言われる理由。
これによって世界中からボクシング、ムエタイ、空手、柔道、ブラジリアン柔術、サンボ、レスリングなど多彩な格闘技の出身者が集まり、世界最強の称号をかけて戦うことになるのです。
UFC のルール
UFCはいわゆる総合格闘技の一種。
ではその試合はどのようなルールになっているのでしょうか?
オクタゴン
最も分かりやすい特徴は、オクタゴンです。
総合格闘技の多くはボクシングなどに似た四角いリング内で行うイメージがありますが、UFCではオクタゴンと呼ばれる八角形のケージの中で試合が行われます。
オクタゴンのフェンスは金網で高さは6フィート(約1.8m)。
選手は試合が終わるまでは外に出ることができないというルールです。
階級
多くの格闘技と同じように、UFCも体重別階級制度を採用。
それぞれの階級で王者を目指すことになります。
その階級は以下の通り。
男子 8階級 | |
階級名 | 体重 |
ヘビー級 | 265ポンド(120.2kg)まで |
ライトヘビー級 | 205ポンド(93.0kg)まで |
ミドル級 | 185ポンド(83.9kg)まで |
ウェルター級 | 170ポンド(77.1kg)まで |
ライト級 | 155ポンド(70.3kg)まで |
フェザー級 | 145ポンド(65.8kg)まで |
バンタム級 | 135ポンド(61.2kg)まで |
フライ級 | 125ポンド(56.7kg)まで |
女子 4階級 | |
階級名 | 体重 |
フェザー級 | 145ポンド(65.8kg)まで |
バンタム級 | 135ポンド(61.2kg)まで |
フライ級 | 125ポンド(56.7kg)まで |
ストロー級 | 115ポンド(52.2kg)まで |
試合形式
UFCの試合は基本的に5分×3ラウンド。
各大会のメインイベントとタイトルマッチだけは5分×5ラウンドで行われます。
道着やロングタイツは禁止で、ショーツ、ファールカップ、オープンフィンガーグローブを着用。
ただしグローブといってもボクシングのように分厚いものではないため、パンチ一発でノックアウトになることもよくあります。
反則
様々な格闘技が混ざり合う総合格闘技。
パンチのほか、キックや締め技も有効ですが、実は反則も細かく決められています。
以下のような攻撃は全て反則です。
・急所への攻撃
・眼球への攻撃
・喉への攻撃
・脊椎や後頭部への打撃
・噛み付き攻撃
・頭突き
・指関節など小さな関節への攻撃
・髪を引っ張る攻撃
・肘を垂直に落とす攻撃(斜めはOK)
・相手の頭や首をマットに突き立てるように投げ落とす攻撃
・グラウンド状態の相手の頭へのキック攻撃
・グラウンド状態の相手の頭への膝蹴り
・グラウンド状態の相手への踏み付け
・相手の着衣やグローブを掴む攻撃
また攻撃内容以外にも以下のような行為は反則となります。
・オクタゴンのフェンスを掴む行為
・ブレイク中の相手への攻撃
・レフェリーが対応している間の相手への攻撃
・終了のブザーが鳴った後の攻撃
・罵声
・レフェリーの指示の無視
・コーナーの人間による妨害及び干渉行為
・異物の使用
また相手との接触を避け続ける、怪我のふりをする、故意にマウスピースを落とすなどの臆病な行為も反則です。
これらの反則のうち、第1回のUFCで反則とされたのは「目を突く攻撃」と「噛みつき」だけでした。
つまり初期のUFCはほぼ何でもありだったということ。
しかしその後UFCはスポーツ化し、ルールが整えられてきたのです。
勝敗
勝敗は「フィニッシュ」または「判定」。
フィニッシュとは制限時間内に試合の決着がつくことで、以下の3パターンがあります。
・ノックアウト:打撃で相手の意識がなくなった状態
・テクニカルノックアウト:レフェリーストップやドクターストップなど
・サブミッション:寝技によるタップアウトや口頭によるギブアップ
フィニッシュによる勝利は大きな名誉。
特に派手な勝ち方をした場合、試合後に「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」などの特別ボーナス5万ドル(約650万円) をもらえることもあります。
一方、制限時間内で決着がつかない場合は、ジャッジによる判定に。
3人のジャッジがラウンドごとに10点満点で採点し、各ジャッジは合計ポイントが多かった選手に投票します。そして多数決で勝敗が決定するのです。
ドーピング検査
UFCの特徴の一つが厳しいドーピング検査です。
UFCは2015年にUSADA(全米アンチドーピング機関)との提携を発表。所属する全ての選手がUSADAの厳しい検査を受けています。
選手たちはいつでもどこでも血液検査や尿検査を受ける義務があるというのがUSADAの方針。選手は1年間に平均5回も検査を受けています。
検査で陽性反応が出た選手は1年以上の出場停止処分に。そのため選手は食事やサプリメントなどにとても慎重になっています。
まとめ
歴史・権威・市場規模・ファイトマネーの全てで総合格闘技の最高峰と言えるUFC。
世界中の格闘家がその全盛期にUFCの王者を目指します。
八角形の金網の中で「世界一強いのは誰か」を決めるUFC。
ルールはシンプルですから、ぜひ覚えて世界最高峰の戦いをお楽しみください。
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