1チーム7人のハンドボール。
誰もが同じ役割ではなく、サッカーと同じようにゴールキーパーを担当する選手ははっきりと決められています。
ではその役割は何でしょうか?
簡単に想像できるのは「ゴールを守る」ということですが、実はゴールキーパーにはそれ以外にも多くの役割があるのです。
今回は、ハンドボールのゴールキーパーについて解説。
役割や適性、位置取りのポイントもご紹介します。
【ハンドボール】キーパーの役割
まずは役割の前にルールの確認を。
ハンドボールのゴールキーパーがサッカーと最も違うのは、最後に触ったボールがエンドラインを割った場合にマイボールとしてスタートすることです。
サッカーなら相手のコーナーキックになってしまうためボールをキャッチするのが基本ですが、ハンドボールではゴールの外に弾き出せば良いのです。このルールによって守備の仕方に大きな違いが生まれます。
そしてゴールキーパー独特のルールが守備範囲。ゴールキーパーは1人だけ自陣のゴール前である7mライン内に入ることができ、さらにフィールドにも出ることができます。つまり最も広い範囲を動くことができるのです。
では、キーパーの役割のご紹介にいきましょう。
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シュートを止める
当然のことですが、相手のシュートを止め、失点を防ぐのが最大の役割。
単純ではありますが、かなりの至近距離から放たれる時速100Kmのボールをセーブしなければなりません。
そのため受け止めるのではなく弾き飛ばすのが主な守備方法となります。
コーチング
ゴールキーパーは後方中心に位置しているため広い視野を得ることができます。
サイドから切り込んでくる相手プレーヤーの位置など、味方のディフェンスが見逃しがちな相手の動きを知らせるのもゴールキーパーの役割。
それによってディフェンス陣形を整えます。
一次速攻
相手のシュートをセーブしたらゴールキーパーは一次速攻を狙います。
攻撃に来ていた相手ディフェンスの戻りが遅く、味方がノーマークになっているうちに、速攻の起点となってボールを味方に届けることで得点チャンスを広げるのです。
一方でロングパスを相手にカットされるとせっかくのマイボールを失うことになりますから、速攻すべきかどうかの判断が必要になります。
【ハンドボール】キーパーの適性
チームの要にもなるハンドボールのゴールキーパー。
いったいどのような人が適しているのでしょうか。
長身
やはり体は大きければ大きいほど有利。
ハンドボールのゴールはサッカーよりかなり小さいため、背が高く手足が長ければ、手足を伸ばすだけで、ゴールのほぼ隅まで守れます。
体重を移動するよりもずっと動作にかかる時間が少なく、シュートの阻止率は大幅に上がるのです。
また近距離からのシュートに対しても前につめるだけで大きな体を壁にして止めることが可能。体が大きければヤマをはって先に動く必要がなくなるため、シューターから攻めにくい相手になります。
柔軟性
ゴールキーパーにとって最も取りにくいのは足元へシュート。中でもゴールの両下端は手が届きにくいため、足を使ってボールを止めることになります。
そのときに求められるのが柔軟性。
柔軟性があり、足を大きく広げることができれば、多くのシュートを阻止できます。
敏捷性
近距離からシュートを放たれるハンドボールのゴールキーパーには時間的余裕はほとんどありません。
反射的にボールを止められる敏捷性は非常に重要です。
この反応は練習でも鍛えられますが、最初から敏捷性が高い人はやはり有利になります。
予測力
距離が短いため、ボールが手から離れる前に方向などを予想できないと、ボールを止めることは不可能。
経験を積んでシューターの体重移動の方向などからコースを予測する力は重要な要素になります。
ボールに対する恐怖心
自分に向かって全力で投げられるボールはかなり怖いもの。
しかしボールに対する恐怖心には個人差があり、比較的平気な人もいます。
このような人は、ゴールキーパーに適しているかもしれません。
【ハンドボール】キーパーの位置取りのポイント
ゴールキーパーがシュートを阻止するためには、投げられてからの動き以上に投げられる前の位置取りが重要になります。
どのような位置取りを行うことがポイントなのでしょうか。
基本の位置取り
位置取りの基本は、直線的ではなくゴールの中心から半円を描くように動くこと。つまり左右ではゴールポストに近い位置になり、センターならゴールラインよりも1mほど前に立つことになります。
また半円ではなく台形を描くように動く選手も。
いずれの場合も、相手がボールを持っているときはボールの位置に自分の体の中心がくるように移動するのが基本です。
シュートコースを狭める
基本の位置取りを行うのは相手がボール回しをしているとき。
相手がシュートを打つときには位置取りを変えます。
ポイントはシュートコースを狭めること。そのため基本の位置よりも少し前に出ます。
理想はシューターから見てゴールキーパーの右手と右ポストが一直線上になり、ゴールキーパーの左手と左ポストが一直線上になる位置に立つこと。
ゴールは幅が3mしかないため、完璧な位置取りをすればシュートを打つコースをほぼ消すことができるのです。
注意点は、ボールがどこから出るのかを見極めること。一直線の起点はシューターの身体の位置ではなく、ボールを投げる手の位置である必要があります。
またシュート範囲を狭くするために前に出ると、ループシュートやバウンドシュートで上下を抜かれてしまうことも。
常に自分に合った位置取りを考えて練習することが重要です。
まとめ
ほぼ目の前から投げられる時速100kmのシュートに向かって距離を詰め、止めなければならないハンドボールのゴールキーパー。
フィールドプレーヤーとは全く違った能力も求められるポジションです。
ボールに立ち向かう勇気がある方は、最後の砦であり、攻撃の起点にもなるゴールキーパーを目指してみてはいかがでしょうか。
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