多くの種類がある柔道の技。
大きく分けると「投技(なげわざ)」と「固技(かためわざ)」の2種類に分けられます。
別名「立ち技」とも呼ばれる投技の種類は68本。
これに対して別名「寝技」と呼ばれる固技の種類は32本あります。
しかしその中には現在では禁止され、使うと反則負けになる技も。
それはいったいどのような技なのでしょうか?
今回は、「抑込技(おさえこみわざ)」、「絞技(しめわざ)」、「関節技(かんせつわざ)」の3つに分類できる柔道の寝技、全32種類をご紹介します。
【柔道】寝技 抑込技
抑込技は相手の背中や肩を畳の上につけ、抑え込む技のこと。
固技の中でも特にこの抑込技のことを限定して寝技と称することもあります。
20秒間抑え込み続ける事で一本。
仰向けの状態から相手が抜け出すと抑え込みは無効ですが、それまでに10秒以上抑え込んでいれば技ありです。
ただし抑え込んでいる方の胴や脚に抑え込まれている方が両脚を絡めると、技が極まっていないと判断されます。
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抑込技の種類
抑込技の種類は以下の10種類です。
・袈裟固(けさがため)
・崩袈裟固(くずれけさがため)
・後袈裟固(うしろけさがため)
・肩固(かたがため)
・上四方固(かみしほうがため)
・崩上四方固(くずれかみしほうがため)
・横四方固(よこしほうがため)
・縦四方固(たてしほうがため)
・浮固(うきがため)
・裏固(うらがため)
抑込技のコツ
抑込技の多くは投げ技を出して一方が地面に倒れたときに行います。
このとき倒された相手は逃れようと動いていますから、その動きを止めることが必要。
そのコツは、相手の胸の中心を自分の重心で抑えることです。
自分の身体のバランスを崩さないようにしながら重心で胸を抑えれば、簡単には逃れられなくなります。
身体のバランスを意識せずに抑え込みにいくと、逆にひっくり返されることも。
重心とバランスを常に意識することが重要です。
【柔道】寝技 締技
絞技は自分の胴着や腕、足などを使って相手の頸動脈を絞める技。
柔道だけでなく総合格闘技やブラジリアン柔術などにも同じような技が存在します。
絞めることで相手を落とす(失神させる)か「マイッタ」と意思表示させれば1本勝ち。
しかし無謀な使い方をすれば致命的な事故にもつながるため、高校生以上でなければ使うことができないとされています。
絞技の種類
絞技の種類は以下の12種類です。
・並十字絞(なみじゅうじじめ)
・逆十字絞(ぎゃくじゅうじじめ)
・片十字絞(かたじゅうじじめ)
・裸絞(はだかじめ)
・送襟絞(おくりえりじめ)
・片羽絞(かたはじめ)
・片手絞(かたてじめ)
・両手絞(りょうてじめ)
・袖車絞(そでぐるまじめ)
・突込絞(つっこみじめ)
・三角絞(さんかくじめ)
・胴絞(どうじめ)
禁止技
最後の「胴絞」は相手の胴を両足で強く絞める技で、禁止技です。
相手の胴に両足を回して足首を絡ませ、強く絞めるのですが、内臓に致命的なダメージを与える危険性があるため禁止となっています。
またこの胴絞以外にも、絞め技では頭や胴などを絞めることは禁止。
また帯や柔道衣の裾を使って絞めること、拳を押し付けて絞めること、指で直接絞めることも禁止とされています。
絞技のコツ
送襟絞や片羽絞など、絞技の多くは後ろから攻めることになります。
このときに重要なのは、相手を絞める腕よりもむしろ脚の方。
脚を相手の胴にからめて逃れられなくすることです。
そして絞め技を極めるコツは、手首の腱を相手の頸動脈にしっかり当てること。
最初に手首の腱を相手の頸動脈に当てて場所を確認し、その上に柔道衣の襟をかぶせるようにします。
そして手首のスナップをきかせて経動脈を圧迫するのです。
【柔道】寝技 関節技
関節技は、自分の足や腕、ひざなどを使って相手の関節を逆の方向に極める技。
他の格闘技では手首や肩、足を極める技もありますが、柔道では肘関節のみと定められています。
相手が痛みで「マイッタ」と意思表示するか、審判がこれ以上は腕を傷めると判断したら一本勝ち。
こちらも怪我の可能性が高いため、高校生以上でなければ使用できないとされています。
関節技の種類
関節技の種類は以下の10種類です。
・腕緘(うでがらみ)
・腕挫十字固(うでひしぎじゅうじがため)
・腕挫腕固(うでひしぎうでがため)
・腕挫膝固(うでひしぎひざがため)
・腕挫腋固(うでひしぎわきがため)
・腕挫腹固(うてひしぎはらがため)
・腕挫脚固(うでひしぎあしがため)
・腕挫手固(うでひしぎてがため)
・腕挫三角固(うでひしぎさんかくがため)
・足緘(あしがらみ)
禁止技
最後の「足緘」は、相手の片足に自分の両足を絡ませてねじり、膝の関節を極める技です。
絡ませた両足をねじるように回しながら相手の膝関節を強く極める技で、関節を痛める可能性が高いため、現在では禁止技となっています。
関節技のコツ
関節技のコツも、腕だけでなく脚をうまく使うことになります。
関節技は少し体をずらせば逃れやすい技。
脚で相手をしっかり締め付けて固定することが大切になります。
また関節技は警戒されやすく、相手は簡単には技をかけられる状態になってくれません。
そこで抑込技からわざと逃れやすい状態を作り、関節技をかけやすい体勢に誘い込むという方法もあります。
まとめ
禁止技を除けば30の種類がある寝技。
相手を投げ飛ばす立ち技と比べて地味な印象もありますが、柔道界には寝技を得意とする寝技師も存在します。
寝技は利き腕に関係なく繰り出しやすいのもポイント。
左右両方で30の技をマスターすれば、相手にかなり嫌がられる柔道家になれるかもしれません。
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