日本で生まれた武道であり、世界的な人気スポーツにもなっている柔道。
基本的なルールはシンプルですが、よく知らないと「どういう判定だったの?」と混乱してしまうこともあります。
ルールを理解すれば観戦はもっと楽しくなり、柔道を始めたくなるかも。
ここでは、柔道の基本的なルールと判定基準、主な反則などを徹底解説します。
【柔道】基本のルール
柔道は1対1で試合をする格闘技。
体重によって分けられた階級別の選手が畳敷きの試合場で試合を行います。
試合エリアとなる場内は最大10m×10m。
技の数は投げ技が68本で、寝技が32本。合計100種類もあります。
試合時間
試合時間は4分間。
中学生は3分間で小学生は2分間と決まっています。
決着がつかない場合は時間無制限の延長線であるゴールデンスコアが行われます。
勝敗
勝敗は、オリンピックなどの国際ルールでは以下のようになります。
・一本が出れば「一本勝ち」
・技あり2本が出れば「合わせて一本勝ち」
・4分間に一本が出なかった場合は、技ありが多い方の勝ち
・反則負けや、指導累積3回での反則負けもあり
ゴールデンスコアになった場合は、一本、技あり、指導3回などで勝負が決まるまで行われます。
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【柔道】投げ技のルール
投げ技は大きく分けると5種類あります。
・手技:背負い投げ、体落としなど16本
・腰技:払い腰、浮き腰など10本
・足技:大内刈り、小外刈りなど21本
・真捨身技:巴投げ、隅返しなど5本
・横捨身技:横落とし、跳ね巻き込みなど16本
技が成功すると、その内容によって、一本、技あり、有効が判定されます。
「一本」の条件
一本は、技がきれいに決まったときの判定。
投げ技の場合、一本の条件は4つあります。
・相手を制していること
・相手の背中が畳についていること
・投げに強さがあること
・投げが速いこと
1つでも条件を満たさないと、一本の判定とはなりません。
「技あり」の条件
技ありは、あと少しで一本といえるような技の判定。
相手を制しつつ投げていても、「背中が畳についている」「投げの強さ」「投げの速さ」という3要素のいずれか1つが条件を満たしていないというときに出る判定です。
「あれ、今の技は一本じゃないの?」と思ったときは、いずれかの条件が十分でなかったということになります。
「有効」の条件
有効は、相手を制しつつ投げていても、一本に必要な他の3つの要素のうち2つが条件を満たしていないというときに出る判定です。
この有効は何度出ても合わせて技ありや一本にはなりません。
また有効は現在の国際競技ルールでは廃止されています。
【柔道】寝技のルール
柔道の寝技はその名の通り、寝転んだ状態で相手を動けなくする技。
固め技とも呼ばれ、抑え込み技、絞め技、関節技の3種類があります。
・抑え込み技:袈裟固め、横四方固めなど10本
・絞め技:送り襟絞め、逆十字絞めなど12本
・関節技:腕挫十字固め、腕挫脚固めなど10本
「一本」の条件
抑え込みは、相手を20秒以上抑え込むと一本。
締め技と関節技は、相手が「参った」をするか、審判が危険と判断したときに一本となります。
「技あり」の条件
抑え込みの技ありは、抑え込みが決まってから10秒以上20秒未満で外された場合。
締め技と関節技には技ありはありません。
抑え込み技の判定基準
ではどのような状態になったら抑え込みが決まったと言えるのでしょうか。
それは抑えられている選手が相手によって制されていて、畳に背、両肩または片方の肩がついている状態。
そして抑え込んでいる方は横側または頭上または身体の上から制していることが条件です。
抑えられている側が相手に脚を回したら、抑え込んでいないと判定。
抑え込みが場内で宣告されてから場外に出た場合、抑え込みは継続されます。
【柔道】ルール 主な反則
反則は、軽微な反則行為と重大な反則行為の2種類に分けられます。
軽い反則に対しては「指導」が行われ、指導3つ累積で反則負け。重い反則は即座に反則負けです。
軽微な反則の例
指導が行われる軽い反則には以下のようなものがあります。
・組んだまま攻めないなど、消極的な試合をする
・組むのを嫌がり、組もうとしない
・頭を下げて腰を引くなど、極端な防御姿勢をとる
・時間稼ぎや逃げのために偽装的な技をかける
・組んでいない状態からいきなり抱きついて技をかける
・故意、または不用意に場外に出る
・相手を場外に押し出す
・片足が場外に出ている状態から戻ろうとしない
・攻防に関係なく、柔道着を乱す
・帯を持つ、片襟を両手で持つなど、標準的な組み方をしない
・相手の下半身を持って攻撃や防御をする(この項目のみ2回で反則負け)
一般的な試合でよく見られるのは消極的な試合や極端な防御姿勢など。
逃げの姿勢が続くと指導累積3回で反則負けということもよくあります。
重大な反則の例
即座に反則負けとなる重い反則には以下のようなものがあります。
・脚を相手に巻きつけた状態で技をかける河津掛けをする
・肘関節以外に関節技をかける
・間接を極めながら投げる
・背中をついている相手を持ち上げ畳に叩きつける
・技をかけ頭から畳に突っ込む
・指輪やネックレスなどの金属を身につけている
・故意に相手の足を踏みつけて技をかける
・故意に相手の髪をつかんで技をかける
重大な反則は、主にケガにつながるような危険な行為。
柔道は安全性を重んじる武道ですから、このように危険な行為は一度で負けになるのです。
まとめ
柔道のルールは基本的には分かりやすいもの。
ただし近年、有効の廃止や試合時間の変更、指導累積による反則負けが4回から3回になるなど、頻繁にルール改正が行われています。
ルール変更でより柔道が楽しくなるということもありますから、興味を持った方は今後もルールの変更をチェックしておくとよいかもしれません。
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