けん玉とは、大きさの異なる「皿」や「けん先」に糸で繋がれた丸い玉を乗せたりする遊びです。
けん玉がひとつさえあれば、場所と時間問わず気軽に遊べるため、昔から子どもたちの間で遊ばれてきました。
この記事を読んでいるあなたも、けん玉で遊んだ経験があるのではないでしょうか?
ただ、歴史や起源、どのような材料でできているのかというとこまで知っている方は少ないと思います。
この記事では、けん玉についてもっと詳しくなれるよう、歴史についてご紹介していきましょう!
スポーツとしての側面を持ち合わせたけん玉についても触れるので、興味のある方はぜひ最後までお読みくださいね。
けん玉は生涯スポーツ?
これまで「けん玉は子どもの伝承遊び」というイメージが根強く残っていましたが、現在では「生涯スポーツ」という意味合いも強くなってきました。
小さなお子さんからお年寄りまで、みんなが「生涯を通して楽しめるスポーツ」というイメージに変化させてきたと言えるでしょう。
また、集中力やバランス感覚を養えるという観点から、教育的な効果もあるとも言われており、けん玉は新たな広がりを見せています。
けん玉の歴史について
「けん玉は日本独自の文化じゃないの?」という方が多いと思いますが、実は日本独自の文化ではなく、世界各地でも遊ばれていた文化でもありました。
けん玉の起源は諸説あるとされており、いまだに確信的なものは発見されていないそうです。中でも、最も古くから残っている文献が16世紀のフランスに存在しています。
けん玉は「ビル・ボケ」と呼ばれ、貴族の中で親しまれていたとの記述があったことから、フランスを中心に伝わったと考えられています。
世界におけるけん玉の歴史を知れば知るほど、日本では一体どのような変遷を遂げてきたのか気になりますよね。
それでは、さっそくけん玉の歴史について詳しく見ていきましょう。
日本におけるけん玉の起源は江戸時代
日本で最も古いけん玉の文献にあった「1777年頃にけん玉という遊びがあった」という記述から、江戸時代に伝わったとされています。
また、鎖国状態であった日本で唯一の開港地・長崎港から広まったとも考えられています。
その当時のけん玉は現在のような形ではなく、持ち手の長いコップに糸で丸い玉が繋がっていました。玉を受ける「皿」ではなく、「コップ」に玉を入れる遊びだったようです。
けん玉には意外と長い歴史があることが分かりますね。
現在のけん玉の形になったのは大正時代
時代は進み、時は大正時代。私たちがイメージするであろうけん玉の形が、1918年に広島県呉市にて誕生しました。
考案者は江草濱次氏であり、明治時代のけん玉を改良して作られたものでした。それは「日月ボール」と呼ばれ、この時期を境に全国的に普及していったのです。
現在、私たちが手にしているけん玉の形が大正時代から変わらないことを知ると、なんだかロマンを感じますね!
日本けん玉協会の設立
昭和時代にはもうすでに「スポーツとしてのけん玉」が考案されており、1975年5月5日、統一されたルールを定めるため日本けん玉協会が設立されました。
全国各地で同じルールの「級・段位認定」の試験が受けられるようになり、この瞬間、けん玉にスポーツとしての側面が誕生しました。
そして、日本けん玉協会は競技専用のけん玉を作り、不正をなくし公平に競い合えるようにしました。改良を重ねて出来上がったのが、現在の「競技用けん玉」です。
このけん玉を使用することによって、試験やけん玉大会に参加する資格が得られます。
けん玉の普及に向けた活動
2002年12月、NPO法人の認証を内閣府により受けたことを皮切りに、2012年1月には一般社団法人の認可を得ました。
その2年後の2014年3月、今度は公益社団法人の認可を得ることに成功します。
それからというもの、全国規模での大会運営を始めとし、指導者養成事業や教育現場の参入、生涯スポーツの普及にも力を入れています。
けん玉をさらに広めていこうという活動が盛んに行われており、今後は海外でも普及していく可能性を秘めていると言えるでしょう。
けん玉は何でできているの?
普段目にしているけん玉ですが、どのような材料でできているのか気になりませんか?
現在では、衝撃に強い桜やブナの木などが主に使われています。加工しやすいことが特徴なので、けん玉を作るのに適した木材なのです。
けん玉は木のおもちゃとしての側面も持ち合わせているため、「木育」という観点からも重宝されると言えるのではないでしょうか?
今度けん玉を見る機会があったら、じっくりと手に取ってみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
けん玉の歴史や何でできているのかについてご紹介しましたが、さらに興味がわいてきたのではないでしょうか?
身
近にある遊び道具だったけん玉でしたが、将来的にはスポーツの「KENDAMA」として世界に普及される可能性もありそうですね。世界的にけん玉が広がっていく日も、そう遠くないのかもしれません。
けん玉さえあれば誰にでもできるからこそ、今から猛練習して試験を受けたり大会に出場してみるのも面白い試みではないでしょうか?