日本ではまだマイナーなスポーツであるペタンク。
しかし世界では55カ国以上で競技会が行われています。
特に発祥の国フランスでは500万人以上がプレーしていて、なんとサッカーに次いで盛んなスポーツ。
ルールがシンプルで体力も必要ないことから、老若男女誰でも楽しめるのも魅力です。
今回は、もしかしたらこれから一生の趣味になるかもしれないペタンクについてご紹介します。
【ペタンク】ルール
ペタンクは金属製のボールを投げあい、目標物により近い者が勝ちというゲームです。
ゲームの基本はパラリンピックでも話題になったボッチャに近いもの。
ただし用具の違いでプレーにも違いが出てきます。
用具
ペタンクで使う用具はとてもシンプル。
ペタンクボールとビュット、メジャーのみで、あとは適当なスペースがあればいつでもどこでも楽しめます。
ペタンクボールは金属製のボールです。
大きさは直径70.5mm~80mm、重量650g~800gと規定されています。
必要な数は試合形式によって違い、トリプルス(3人対3人)なら各自2個、ダブルス(2人対2人)やシングルス(1人対1人)なら各自3個です。
ビュットはペタンクボールを投げるときの目標となる球。
木製または樹脂製で、大きさは直径3cmとなります。
メジャーはビュットに対してどのペタンクボールが近いかを測定するときに使います。
ゲームの進め方
ゲームの進め方もとてもシンプル。
以下のように行います。
①ジャンケンやトスで先攻チームを決める。
②先攻チームの選手が地面に直径35~50cmのサークル(円)を描く。
③先攻チームの選手がサークルの中からビュットを投げる。ビュットまでの距離は6m以上10m以下。
④先攻チームの選手がビュットの近くに止まるように第1球を投げる。
⑤後攻チームの選手が第1球を投げる。
⑥ここからはビュットに遠い方のチームが次の投球をする。
※味方のボールがビュットに一番近くなるまで投球を続けなければならない。
⑦片方のチームの持ちボールがなくなったら、もう一方のチームも持ちボールをすべて投げる。
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得点の計算
両チームが持ちボールをすべて投げ終わったら1メーヌ(1セット)の終了。
得点を計算します。
得点が入るのは、ビュットに一番近いボールのチーム。
勝ったチームの得点は、負けているチームのビュットに一番近いボールよりも近い数の分となります。
例えば、ビュットに最も近いボールはAチームのもので、2番目に近いのもAチームのボール、3番目に近いのがBチームのボールなら、
Aチームが2点獲得。
このあたりはボッチャやカーリングに似たルールだと言えます。
次のメーヌと試合の勝敗
1メーヌに勝ったチームはメーヌ終了時のビュットの位置を中心に再びサークルを描きます。
そしてそこからビュットを投げて次のメーヌを始めるのです。
こうしてメーヌを繰り返しながら、お互いの得点を加算。
合計で13点先取したチームが勝ちとなります。
【ペタンク】投げ方
ペタンクボールを投げるときは、サークルの中で両足を揃えるのがルール。
そもそもペタンクとは南フランス・プロヴァンス地方の方言で「両足を揃える (ピエ・タンケ) 」なのです。
そして投げ方にはいくつかの種類があります。
ボールの持ち方と基本の投げ方
ボールは金属製で大きさの割に重いため、野球のように投げるわけにはいきません。
握り方は、まず水をすくうような形に手を作り、その上にボールを乗せます。
安定させるためにはボールの中心が中指と薬指の間になるようにするのがコツ。
そのまま指と手のひらを巻き付けるイメージで握ります。
投げ方はアンダーハンド。
手の向きはソフトボールやボウリングなどとは逆で、基本は手の甲が上になります。
ゆっくりと後ろに引きながら巻き付けた手でボールをグッと固定。
肩を軸にした振り子が前に戻るときの遠心力を使って投げます。
距離が長いときは立って投げ、距離が近いときはしゃがんで投げるのが一般的です。
そしてボールの投げ方にはポワンテとティールがあります。
ポワンテ
ポワンテは目標物に寄せるための投げ方。
ポワンテには3種類のテクニックがあります。
ルーレットはサークルから1〜2mの位置にボールを着地させ、転がして寄せる投げ方。
距離が短いときに使いますが、ラテン(地面)の影響を受けやすい投法になります。
ドゥミポルテはサークルと目標の中間点にボールを着地させて寄せる投げ方。
投げる場所とビュットの間に相手ボールがあって避けたい場合や、テランの状況に合わせて使います。
ポルテは目標の近くにボールを着地させて寄せる投げ方。
ボールが転がらないよう高く投球し、バックスピンを強くかけて止めます。
ボールがビュットの近くに密集しているときや地面が柔らかいときに使います。
ティール
ティールは目標を弾き飛ばす投法です。
ティールの対象になるのは相手ボールであることがほとんどですが、ときには一発逆転のためにビュットを狙うことも。
ティールにも3つの投げ方があります。
ラッフルはサークル付近から地面を転がして当てる投げ方。
ボウリングのように直線上の相手ボールを押し出します。
やはりラテンの影響を受けやすいのが難点です。
ドゥヴァンは狙うボールの20~30cm手前に落として当てる投げ方。
地面の硬さでボールがどの程度バウンドするかを読まないと目標を飛び越えてしまうため、難易度が高くなります。
オフェールは狙ったボールに直接当てる投げ方です。
うまく当たると入れ替わりで自分のボールがその場に残ることに。
これをカロと言い、非常に難しくなりますがティールの醍醐味と言われています。
投げ方のポイント
ペタンクの投げ方は練習を繰り返すことで精度が上がっていくはず。
それと同時に大きなポイントとなるのが、ラテンの影響を読むことです。
砂利が細かいところと粒が大きいところでは転がり方に違いが出る上、場合によっては石や微妙な傾斜があることも。
さらには草が生えているところや、ほとんど転がらない砂浜でプレーすることもあるのです。
それぞれのラテンに合わせて柔軟に作戦を立てることと、状況に合わせたさまざまな投法を身につけていることが勝利の鍵となります。
注意点
ペタンクの安全上の注意点は、周囲を必ず確認するということ。
金属製のボールは当たると危険なため、決して人や物に向かって投げないように注意しなければなりません。
まとめ
ルールは簡単、用具も少なく、どこでも誰でも楽しめるペタンク。
しかし「3次元空間で行うカーリング」とも言われるペタンクは戦術性が求められる奥深いスポーツです。
生涯スポーツとして世界で人気のペタンクに、あなたも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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