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【サッカー】カテナチオとは?意味や採用していたチームを紹介!

サッカー通なら一度は「カテナチオ」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

カテナチオは「閂(かんぬき)」という意味。

閂がサッカーにどう関係してくるのでしょう?

今回は、カテナチオの意味や歴史についてご紹介します。

カテナチオとは

【サッカー】カテナチオとは?意味や採用していたチームを紹介!①

カテナチオはサッカーの戦術の1つ

イタリア語で、その意味である「閂」は、横にスライドさせて使う鍵のことです。

サッカーにこの言葉が使われるのは、ディフェンスラインの後ろで左右に動き回ってカバーリングをするリベロの動きが閂に似ているから。

そして鍵をかけたように堅いディフェンスというイメージからカテナチオという言葉が定着しました。

ただし後述しますが、この言葉はそもそもイタリア生まれではないのです。

カテナチオのフォーメーション

カテナチオのポイントはフォーメーション

後ろから1ー4ー3ー2となるのが代表的な形です。

重要なのはディフェンスの1ー4の部分。

特に後ろの1を担うリベロの動きがポイントとなります。

「自由」を意味するリベロが4人のディフェンスラインの後ろを自在に動いてカバーするのです。

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カテナチオを採用していたチーム

【サッカー】カテナチオとは?意味や採用していたチームを紹介!②

カテナチオのルーツは1930年まで遡ります。

スイス代表を率いていたオーストリア人のカール・ラパン監督がディフェンスのカバーリングを行う選手を組み込んだ「ボルト・システム」を考案。

このシステムはフランスでは「ヴェルー(閂)」と呼ばれ、イタリアで直訳されてカテナチオになりました。

イタリアでカテナチオが初めて試みられたのは1947年。

セリエBサレルニターニャが最初だと言われています。

ではその後、どのようなチームがこのシステムを採用したのでしょうか。

ACミラン

最初にリベロ使いとして注目されたのは地方クラブのトリエスティーナをセリエAの2位に押し上げたネレオ・ロッコ監督です。

1961年にミランに招かれると、就任1年目にセリエAを制覇。

2年目にはチャンピオンズカップの栄冠を手にしています。

マンマークする4人のディフェンスの後ろにリベロを置き、前線は3トップというフォーメーション。

ACミランが本格的なカテナチオの時代を拓きました

インテル

ACミランに追随したのが、ミランの仇敵インテルです。

1960年にインテルの監督に就任したエレニオ・エレラはスペイン流の攻撃的なスタイルで挑みましたが、2年連続でタイトル奪取に失敗。

カバーの天才アルマンド・ピッキオを生かしたカテナチオに方針転換しました。

ピッキオのリベロの前にはマンマークのディフェンスが4人。

さらにエレラ監督は攻撃陣にも守備を担わせて、全員守備のスタイルを作り上げました。

堅い守備からのカウンターは対戦相手を圧倒。

1964年と1965年にチャンピオンズカップを連覇した当時のインテルはカテナチオの代表的チームと呼ばれています。

イタリア代表

インテルの国際的な躍進を受けて、当時低迷していたイタリア代表もカテナチオを採用

最後尾にリベロを置き、堅固なディフェンスからボールを素早く前線に送って、少人数でゴールを奪う戦術を取り入れました。

その結果、1968年には欧州選手権を制し、1970年のワールドカップメキシコ大会では準優勝、世代交代を経て1978年のアルゼンチン大会では3位。

1982年のスペイン大会では、マラドーナが率いるアルゼンチン、黄金のカルテットのブラジルを下して、44年ぶりの優勝を飾っています。

カテナチオのメリット

世界を席巻したカテナチオ。

なんといってもそのメリットは守備が堅いことです。

4人のディフェンスに加えてリスクを減らすリベロまで配するカテナチオはまさに守備に特化した陣形。

自らボールを奪いに行くのは苦手ですが、向かってくる相手にはとても強いフォーメーションとなります。

もう一つのメリットはカウンターに適していること。

5人のバックによる堅い守りがあるため、残りの選手は守備を気にせずカウンターで一気に上がることができます。

例えば1ー4ー3ー2のフォーメーションの場合、前線のサイドにはあまり選手を配していない戦術。

カウンターでは、人数をかけて前線に上がっていた相手の中央を一気に突破し、ゴールを奪うことができたのです。

カテナチオが衰退した理由

そのように優れた戦術であったカテナチオが今は見られない理由は何でしょうか?

それはリベロの役割の変化です。

要となるリベロがディフェンスラインの後ろに位置することで、カテナチオはオフサイドがほとんど取れない戦術。

ここを突かれるとサイドの裏のスペースに簡単に入られるため、クロス攻撃をされやすいという弱点を持っているのです。

そのため現代ではリベロの役割をキーパーが担うという戦術が主流に。

リベロにはメリットがないと言われるようになったのです。

またカテナチオはサイドのアタッカーが存在せず、カウンターでは中央突破をするという戦術。

しかしサッカーの戦術が進歩するにつれて守備の選手の動き方も洗練され、今では中央突破という作戦が通用しにくいのです。

一方でサイドから攻撃しようとするとサイドバックの選手も攻撃に参加するため、逆にカウンターに弱くなるというデメリットが。

このような理由でカテナチオは現代サッカーでは通用しないと言われています。

まとめ

かつて世界を席巻したカテナチオ。

そのフォーメーションは今では使われなくなりましたが、代わりに堅い守備のことをカテナチオと呼ぶようになっています。

例えば湘南ベルマーレの全員で守り切る堅い守備は「ベルナチオ」、堅守速攻型の名古屋グランパスエイトは「グラナチオ」や「カテナゴヤ」と称されることも。

本来の意味の「閂」ではなくなりましたが、カテナチオの精神は現代サッカーにも受け継がれているのです。

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