ポゼッションは、サッカーを観ていてときどき聞く言葉。
「ポゼッションサッカーのチームですね」という評価や「ここはポゼッションしたいところです」という解説者の言葉で聞くことがあるはずです。
しかしこれはどういう意味なのでしょうか。
今回は、サッカーのポゼッションについて解説。
ポゼッションの意味と行う理由、必要な技術についてもご紹介します。
【サッカー】ポゼッションとは
ポゼッション(Possession)という言葉の意味は「所有」や「所持」です。
ではサッカーではどういう意味で使うのかというと、ボールをキープしている状態のことを表します。
ポゼッションサッカーとは
ポゼッションサッカーは、ボールをキープし続けるサッカーという意味。
もちろん100%キープするのが理想ですが、それは不可能なので、できる限りキープしようとするポゼッション志向の戦術を取るサッカーという意味になります。
つまりボールをつないでキープしながら攻めるタイプのチームはポゼッションサッカーのチームということです。
【サッカー】ポゼッションの目的
ではチームがポゼッションサッカーを目指す目的は何でしょうか。
これを理解していないと無駄にパスを回すだけの結果になるため、しっかり理解して戦術に組み込みたいポイントになります。
ポゼッションサッカーの目的①:得点する
ポゼッションサッカーはボールの支配率を高めるサッカー。
しかし目的はパスを回すことやボールを支配することではありません。
あくまでもゴールを目指す作戦として支配率を上げるのです。
つまりポゼッションしているときは攻撃している状態であることが重要。
パスを回しながら相手陣地に切り込んでいき、相手の守備網に穴が空いたところで得点を狙います。
ポゼッションサッカーの目的②:攻撃をさせない
ポゼッションを完璧に続けていれば相手には攻撃のチャンスがゼロになるため、失点を防ぐことにもなります。
つまり攻撃をしつつ防御も兼ねたサッカーとなるのです。
ポゼッションサッカーの目的③ 相手を疲れさせる
こちらがパスを回すと、相手チームはそれに合わせてボールを追い、走り回ることになります。
それと比べてパスを回している味方は走る距離が少ないため、相手だけを疲れさせることが可能。
また守備は心理的に疲れやすいため、相手はより疲労が大きくなります。
それによって特に後半になると試合を有利に進めることができるのです。
【サッカー】ポゼッションでキープする技術とポイント
ポゼッションサッカーは相手にボールを奪われないことが最低条件。
ボールをキープするためには技術と連携、そして正しいポジショニングが必要になります。
素早く正確なショートパス
ポゼッションサッカーでは相手にボールを奪われやすいロングパスはあまり使いません。
狭いスペースでショートパスを正確につなぐ必要があります。
特に敵陣では多くのディフェンダーのプレッシャーを受けることに。
その中でボールを奪われないパスを出すため、味方の動きを常に予測して正確なパスが出す練習をしておくことが重要です。
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パスを受ける技術
パスを受ける方の技術も不可欠。これが未熟だと、トラップでモタモタしている間に相手にボールを奪われてしまいます。
まずはサッカーの基本技術であるパスとトラップを高いレベルで行うことがポイントとなるのです。
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三角形を作る
ポゼッション率を高めるポイントは、ピッチ上に多くの三角形を作ること。
選手の配置を三角形にしておけば、ボールを持った選手は2つのパスコースを確保することができます。
こうすれば相手ディフェンダーに1つのパスコースを塞がれても、もう一方にパスすることが可能に。
また相手にボールを取られたときにはすぐにその選手を囲んで取り返せるというメリットもあります。
常に三角形を意識したポジショニングをすることが重要です。
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【サッカー】ポゼッションサッカーへの対抗法
ボールのキープ率が高いポゼッションサッカーは絶対的に有利な気がするもの。
実際に以前は「ボールキープ率が70%以上なら勝率は80%」という言葉もありました。
しかし近年はその定説が崩れています。
数年前、ポゼッションサッカーが世界的に流行すると、多くのチームが対抗策を考えました。
そして編み出されたのが守備的陣形からのカウンターサッカーです。
この作戦ではボールの支配率を意識せず、守備的陣形で相手を自陣内に誘い込みます。
守備に多くの人数を割いて穴を作らないのが鍵。
こうすれば簡単に失点することはありません。
そしてボールを奪ったらすぐにカウンター。
相手のディフェンスラインが整う前に一気にゴールを狙います。
このカウンター戦術が磨かれたことで、中途半端なポゼッションサッカーをしているチームは優位性がなくなったとも言われています。
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【サッカー】良いポゼッションと悪いポゼッション
ボールの支配率が高くても、自陣でパス回しばかりしているのは良いポゼッションとはいえません。
これは相手からボールを持たされている状態。つまり悪いポゼッションと言えます。
良いポゼッションは前に向かう
良いポゼッションはピッチを最大限に活用しながら常に前に向かうもの。
相手のブロック内に侵入することで自分たちの使えるスペースを広げていき、ゴール間際では一気にスピードアップしてゴールを狙います。
良いポゼッションはフォワードのディフェンス力が高い
対抗策が立てられたため、ポゼッションサッカーには相手陣地でボールを奪われる場面がよくあります。
その際すぐに奪い返せなければカウンターを出されてピンチになってしまいますから、フォワードの選手のディフェンス力が高いことが良いポゼッションにつながります。
そしてカウンターに対処して素早く自陣に戻る脚の速いセンターバックも欠かせません。
このように良いポゼッションを実現するのは簡単なことではないのです。
まとめ
ボールを長時間支配して勝つポゼッションサッカーはサッカーの一つの理想。
しかし実現するためには個々の選手の高い技量とチームの連携、そして前に向かって攻め込む姿勢が求められます。
それだけにポゼッションサッカーを実現しているチームのプレーは感動的。
ボールの支配率だけでは見えないポゼッションの良し悪しにもぜひご注目ください。
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