サッカーの中継で必ず発表されるのが、チームのフォーメーションです。
フォーメーションはチームの戦術のベースとなるもの。
どのような狙いでどういう特徴を持っているか、フォーメーションを見ればある程度知ることができます。
今回は、サッカー観戦がさらに楽しくなるフォーメーションの種類をご紹介。
多くのフォーメーションの中で最強の戦術と呼べるものがあるのか、調べてみました。
【サッカー】かつての最強フォーメーション
サッカーのフォーメーションには流行があります。
そこでかつて最強戦術として流行したフォーメーションからご紹介。
とはいえ、チームの選手層によっては今でもこれらのフォーメーションを採用しているチームはたくさんあります。
3ー4ー3
3ー4ー3はディフェンダー3・ミッドフィルダー4・フォワード3というフォーメーション。
1970年代後半から流行したトータルフットボール時代の最強戦術が、この3−4ー3フォーメーションでした。
攻撃陣の数が多く、多彩な攻撃ができることが大きなメリット。
ボールを奪われたら高い位置からプレスをかけ、ショートカウンターも狙えるフォーメーションです。
攻撃陣に能力の高い選手が揃っている場合は現在でも最強という考え方もあります。
しかしディフェンダーが3人と少ないのが最大の弱点。現在主流となっている3トップの相手との相性は悪く、サイドを突破されると危険というデメリットも持っています。
ミッドフィルダーが横に並ぶ3ー4ー3フラットのほか、ミッドフィルダーが菱形に並ぶ3ー4ー3ダイヤモンド、縦2列に並ぶ3ー2ー2ー3などの応用形があります。
3ー5ー2
3ー5ー2はディフェンダー3・ミッドフィルダー5・フォワード2というフォーメーション。
1990年代にトレンドとなったシステムです。
その後、2002年ワールドカップで日本代表チームのフィリップ・トルシエ監督がフラット3として採用。
Jリーグでも多くのチームが採用し、当時は最強戦術と言われました。
3ー5ー2といいつつ、ミッドフィルダーの1人がオフェンシブハーフとして1人前に出る3ー4ー1ー2の形が基本。
中盤の人数が多いため、相手陣内でボールを奪って前線の2トップに送る作戦に適しています。
サイドハーフの選手が縦に突破してウイングの役目も果たすため、サイドアタックが得意なのも特徴。
その一方でサイドハーフがウイングとサイドバックの役割を兼任するため、スタミナ不足になるのがデメリットです。
応用形としてオフェンシブハーフを2人にしてセンターを重視した3ー3ー2ー2のフォーメーションもあります。
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【サッカー】最強フォーメーション①4ー4ー2
現在、最も基本的なフォーメーションとして多くのチームが採用しているのが、4ー4ー2です。
4ー4ー2はディフェンダー4・ミッドフィルダー4・フォワード2というフォーメーション。
非常にバランスが良く、ゾーンディフェンスが主流になった2010年代からは最強戦術の1つとして多くのチームが採用しています。
そして応用次第で守備的にも攻撃的にもなるのがこのシステムの特徴です。
4ー4ー2フラット
4ー4ー2フラットは3列が横に並ぶフォーメーション。
後ろからセンターバック2人にサイドバック2人、センターハーフ2人にサイドハーフ2人、フォワード2人という布陣。
それぞれの選手が均等にスペースを埋めるゾーンディフェンスのスタイルで、サイドバックがオーバーラップしたときにはサイドハーフがカバー。
組織力で戦う現代のサッカーに最も合うフォーメーションだと言えます。
デメリットはマンツーマンディフェンスとは違い、チームの連携力が欠かせないこと。高いチームワークが求められます。
4ー4ー2ダイヤモンド
4ー4ー2ダイヤモンドはミッドフィルダーが菱形に並び、オフェンシブハーフ、サイドハーフ、ボランチの役割を担うシステム。
オフェンシブハーフを加えた3人が攻撃の起点になり、攻撃のバリエーションが増えるのが特徴です。
ただしセンターバック前方の守りが薄くなるのがデメリット。リスクが大きいフォーメーションなので、運動量豊富で状況判断に優れたボランチの存在が不可欠となります。
4ー2ー2ー2
4ー2ー2ー2はミッドフィルダーが縦2列に並び、オフェンシブハーフ2人、ボランチ2人となるシステム。
多くのクラブチームが採用しています。
中盤をオフェンシブとディフェンシブに分けることで攻守の切り替えを行いやすいのが特徴。
しかもゾーンディフェンスとマンツーマンディフェンスのどちらにも対応できるという特徴も持っています。
オフェンシブハーフはサイドハーフの役割も担い、状況によってはサイドアタックも行います。
そのため攻撃のバリエーションは非常に豊富。優れたオフェンシブハーフの選手がいるチームにとっては最強戦術になるフォーメーションです。
一方でオフェンシブハーフの動きを押さえられると攻撃が停滞しがち。
相手チームがボランチを多く配置してくると危険になります。
4ー3ー1ー2
4ー3ー1ー2はミッドフィルダーをオフェンシブハーフ1人、ボランチ3人とするシステム。
ボランチを3人にしたことでディフェンス重視となります。
中盤でボールを奪うカウンターサッカーが目的で、失点を最小限に抑える手堅い戦術に向いているシステムです。
攻撃の人数が少なく、相手にポゼッションをされるためディフェンス時間が長くなるのがデメリットですが、カウンターの精度が高い選手と得点力の高い選手がいれば最強戦術となることもあります。
【サッカー】最強フォーメーション②4ー5ー1
現在、欧州5大リーグで最も多く使われているフォーメーションは4ー5ー1です。
これは1998年のワールドカップでフランス代表が優勝したときに採用していたフォーメーションで、ディフェンダー4・ミッドフィルダー5・フォワード1というシステム。
ただし現在はこれを応用した4ー2ー3ー1というフォーメーションが主流になっています。
ミッドフィルダーをオフェンシブミッドフィルダー1人、サイドハーフ2人、ボランチ2人とするシステム。中盤の人数が多いためゾーンプレスをかけやすく、ポゼッションサッカーに合っているフォーメーションです。
高い位置でディフェンスを行い、ショートカウンターにつなげる他、サイドバックとサイドハーフの連携でサイドからの攻撃も仕掛けやすくなります。
デメリットはフォワードが孤立する可能性があること。
相手に優れたサイドバックがいてサイド攻撃を封じられると得点力が落ちてしまいます。
一方でチームに優れたサイドバックとサイドハーフがいれば、最強戦術となる可能性もあるフォーメーションです。
まとめ
現在のフォーメーションの主流は4ー4ー2や4ー5ー1。
しかし他のフォーメーションが完全に否定されたわけではありません。
それぞれにメリットがあるのも事実で、チームの選手が1人替わるだけでこれまでの最強戦術が崩れることも。
また相手チームとの相性によって戦術が機能しないこともよくあります。
トレンドはありつつも必勝法は存在しないところが、サッカーの魅力ではないでしょうか。
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