サッカーの強豪国として必ず名前が上がるドイツ。
1970年代に黄金期を迎えたドイツはFIFAワールドカップで4度の優勝を誇っています。
そのドイツで伝説的な選手を讃える言葉が「レジェンド」。
ではドイツにはどのような伝説的選手がいるのでしょうか。
今回は、ドイツサッカーの歴代レジェンド選手をご紹介。
どのような人物がどのような伝説を築き、サッカー界に影響を残したのか、解説します。
【ドイツ】サッカー界のレジェンドとは
ドイツのサッカーで「レジェンド」というと、2つの意味があります。
ブンデスリーガ・レジェンド・ネットワーク
そのひとつは「ブンデスリーガ・レジェンド・ネットワーク」に選ばれている選手。
2017年に発足したこの組織はローター・マテウスやジェイジェイ・オコチャなどの元選手がアンバサダー的な役割を担い、ブンデスリーガの普及に努めています。長谷部誠選手が現役ながら選ばれ、「レジェンドの仲間入り」と話題になったのはこちらです。
一般的なレジェンド
より一般的に「レジェンド」と呼ばれているのは、サッカーの概念を変え、ドイツ代表に大きく貢献するなど、まさに伝説的な活躍をした選手たち。
今回はこちらを中心に解説します。
【ドイツ】サッカー界|20世紀のレジェンド選手
まずはドイツサッカーの栄光の歴史を築いてきた20世紀のレジェンド選手からご紹介しましょう。
フランツ・ベッケンバウアー
ベッケンバウアー選手は「皇帝」と呼ばれた伝説のリベロ。
攻撃的リベロという新しいサッカーを生み出し、サッカーの歴史上でも最も偉大な選手の一人と言われています。
現代サッカーに通じるトータルフットボールは、ベッケンバウワー選手を中心とした無敵のドイツサッカーに対抗して生まれた戦術。「皇帝」はサッカーの歴史に大きな影響を及ぼしたのです。
ドイツ代表としては103試合に出場し、1974年のワールドカップで優勝。
バロンドールも2回獲得しています。
また監督としても1990年のワールドカップで優勝。
選手・監督の両方で優勝したことでもレジェンドと称えられています。
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ゲルト・ミュラー
ミュラー選手は「爆撃機」と呼ばれたドイツ史上最も偉大なストライカー。
代表出場62試合で68ゴールを決めています。
またワールドカップでの14ゴールは、長い間最多だった記録。
特に1970年のワールドカップでは10得点を挙げて得点王を獲得し、西ドイツの3位に貢献しました。
さらに国際大会でなんと8回のハットトリックを記録。
またブンデスリーガで記録した427試合365得点はいまだに破られていません。
ローター・マテウス
マテウス選手はドイツ代表史上最も偉大なキャプテンと呼ばれるレジェンド。
ドイツ代表として歴代最多の150試合に出場し、ワールドカップに5度、25試合出場というワールドカップ最多記録を達成しています。
特に1990年にはドイツを3度目の優勝に導き、1991年のFIFAワールドベストイレブン、バロンドールにも選出。
MFとDFのほぼ全てのポジションをこなした彼は歴代最高のユーティリティー・プレーヤーと評価されています。
ウーベ・ゼーラー
ゼーラー選手はドイツ史上最も愛されたレジェンドです。
63年に創設されたブンデスリーガの初代得点王と最優秀選手になった彼は、代表戦72試合で43ゴール。ワールドカップでは1966年大会の準優勝、1970年大会の3位に貢献し、ドイツサッカー協会から名誉キャプテンとして表彰されました。
その身体能力で狭いスペースを支配。しかも身長170cmと小柄だったにもかかわらず誰よりも高く跳び、アクロバティックなゴールで人々を魅了しました。
また人間性が素晴らしいことでも有名。盟友のベッケンバウアー氏は「ウーベは宝だ。この世に完璧な人間がいるとしたらローマ法王の次に当てはまるのはウーベ・ゼーラーだよ」と語っています。
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【ドイツ】サッカー界|21世紀のレジェンド選手
過去20年間にもドイツでは個性豊かなレジェンドが活躍しています。
ミロスラフ・クローゼ
クローゼ選手は2000年代のサッカー界で最高と称えられるストライカー。
ドイツ代表として137試合で71ゴールを記録し、特にワールドカップでは16ゴールを決めています。クローゼ選手はこれによってゲルト・ミュラー選手の偉大な記録を更新。
さらに2002年のワールドカップ・サウジアラビア戦では1試合5ゴール、しかも全てヘディングという記録を作っています。
あまりに偉大な点取り屋だったため、2014年に彼が引退するとドイツ代表は深刻なストライカー不足に直面。「クローゼ後」問題として今もドイツを悩ませています。
オリバー・カーン
カーン選手は、ドイツの歴代ゴールキーパーで最も有名な選手。
「ワールドカップで5回のクリーンシート(無失点)」という唯一の記録を持っています。
2002年のワールドカップではゴールキーパー史上初のMVPを獲得。これは現在でも唯一の記録です。
ドイツ代表出場数は86試合。しかし実は正キーパーとしてワールドカップに出場したのは2002年のみで、1998年と2006年の大会では控えとなっています。
マヌエル・ノイアー
ノイアー選手は、世界のサッカー史上最高のゴールキーパーと言われる選手。
リベロ的な役割も担う「スイーパー=キーパー」と呼ばれるポジションを確立し、キーパーの役割を変えた現代のレジェンドです。
2014年のワールドカップでは7試合でわずかに4失点、4試合でクリーンシートを記録。ドイツの優勝に大きく貢献し、大会の最優秀ゴールキーパーに選ばれ ました。
また欧州最優秀ゴールキーパー賞を最多の5回も受賞しています。
フィリップ・ラーム
ラーム選手はドイツ史上最も偉大な右サイドバックと言われる選手です。
世界でも有数のユーティリティ性を持つ選手で、左サイドバックやボランチでも活躍。2014年ワールドカップではキャプテンを務め、マルチな活躍でドイツを優勝に導きました。
またラーム選手はクリーンなプレーでも有名。バイエルンで通算517試合、シュトゥットガルトで71試合、ドイツ代表としても113試合を戦ったのに、レッドカードや累積で出場停止処分を受けたことが一度もなかった選手です。
まとめ
ポジションの概念を変える革命を起こした選手も多いドイツのレジェンドたち。
世界のサッカーはドイツサッカーの大きな影響を受けて進化してきました。
ドイツには「レジェンド」と呼ばれる選手がまだまだたくさんいます。
興味を持たれた方はドイツサッカーの歴史を掘り下げてみるのも楽しいのではないでしょうか。
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