オリンピックで選手たちが目指すのは、金メダル。
オリンピックの金メダルは他の大会の世界一とは別格の意味を持っています。
ではこれまでの大会で日本人はいくつの金メダルを獲得しているのでしょうか。
そして最も多くの金メダルを獲得している競技は何でしょうか。
今回は、夏季オリンピックの日本人金メダル一覧をご紹介。
最も多くの金メダルを獲得した競技、そして2020東京大会で達成したすごい記録も解説します。
【オリンピック】夏季五輪の日本人金メダル①:昭和
まずは昭和の金メダルを時代別にご紹介。日本人初のメダリストは、1920年アントワープ大会に出場した熊谷一弥選手でした。彼はテニスの男子シングルスで銀メダルを獲得。さらに柏尾誠一郎選手と組んだダブルスでも銀メダルを獲得しています。
では金メダルの第1号は誰なのでしょうか?
戦前
金メダル第1号は、アムステルダムオリンピックの織田幹雄選手。
1928アムステルダム | 織田幹雄 | 陸上男子三段跳 |
鶴田義行 | 競泳男子200m平泳ぎ | |
1932ロサンゼルス | 南部忠平 | 陸上男子三段跳 |
宮崎康二 | 競泳男子100m自由形 | |
宮崎康二 遊佐正憲 横山隆志 豊田久吉 | 競泳男子4×200mリレー | |
清川正二 | 競泳男子100m背泳ぎ | |
鶴田義行 | 競泳男子200m平泳ぎ | |
北村久寿雄 | 競泳男子1500m自由形 | |
西竹一 | 馬術障害飛越個人 | |
1936ベルリン | 田島直人 | 陸上男子三段跳 |
孫基禎 | 陸上男子マラソン | |
遊佐正憲 杉浦重雄 田口正治 新井茂雄 | 競泳男子4×200mリレー | |
前畑秀子 | 競泳女子200m平泳ぎ | |
葉室鐵夫 | 競泳男子200m平泳ぎ | |
寺田登 | 競泳男子1500m自由形 |
1936年ベルリンの前畑秀子選手は、日本初のオリンピック女子金メダリスト。実況の「前畑がんばれ!前畑がんばれ!」で有名になり、ニックネームは「ガンバレ前畑!」。後に「前畑ガンバレ」という自伝も書き、「前畑がんばれ」というドラマも作られました。
戦後〜東京オリンピック前
戦争による中断を経て日本はオリンピックにも復帰。しかし当時はまだ金メダルを量産とはいきませんでした。
1952ヘルシンキ | 石井庄八 | レスリングフリースタイルバンタム級 |
1956メルボルン | 池田三男 | レスリングフリースタイルウェルター級 |
笹原正三 | レスリングフリースタイルフェザー級 | |
小野喬 | 体操男子鉄棒 | |
古川勝 | 競泳男子200m平泳ぎ | |
1960ローマ | 竹本正男 小野喬 相原信行 遠藤幸雄 三栗崇 鶴見修治 | 体操男子団体 |
小野喬 | 体操男子跳馬 | |
相原信行 | 体操男子ゆか | |
小野喬 | 体操男子鉄棒 |
1960年のローマ大会で日本の体操チームが団体で優勝。ここから体操が日本のお家芸といわれるようになりました。
1964年の東京オリンピック
日本の念願だった東京オリンピックが開催されると、日本は過去最高となる16個の金メダルを獲得。これはアメリカ、ソ連に次ぐ第3位でした。
1964東京
| 三宅義信 | ウエイトリフティングフェザー級 |
吉田義勝 | レスリングフリースタイルフライ級 | |
渡辺長武 | レスリングフリースタイルフェザー級 | |
上武洋次郎 | レスリングフリースタイルバンタム級 | |
市口政光 | レスリンググレコローマンスタイルバンタム級 | |
花原勉 | レスリンググレコローマンスタイルフライ級 | |
中谷雄英 | 柔道軽量級 | |
小野喬 遠藤幸雄 鶴見修治 山下治広 早田卓次 三栗崇 | 体操男子団体 | |
遠藤幸雄 | 体操男子個人総合 | |
岡野功 | 柔道中量級 | |
猪熊功 | 柔道重量級 | |
早田卓次 | 体操男子つり輪 | |
桜井孝雄 | ボクシングバンタム級 | |
日本 | バレーボール女子 | |
山下治広 | 体操男子跳馬 | |
遠藤幸雄 | 体操男子平行棒 |
最も注目を集めたのは「東洋の魔女」と言われたバレーボール女子。圧倒的な強さで勝ち上がり、5試合でわずか1セットしか落とさずに金メダルを獲得しました。
東京オリンピック後
東京オリンピックで躍進した日本は、その後も体操や水泳、レスリングなどで強さを発揮。しかし金メダルの数は少しずつ減っていきました。
1972ミュンヘン | 加藤沢男 中山彰規 塚原光男 監物永三 笠松茂 岡村輝一 | 体操男子団体 |
田口信教 | 競泳男子100m平泳ぎ | |
加藤沢男 | 体操男子個人総合 | |
柳田英明 | レスリングフリースタイル57kg級 | |
加藤喜代美 | レスリングフリースタイル52kg級 | |
青木まゆみ | 競泳女子100mバタフライ | |
中山彰規 | 体操男子つり輪 | |
加藤沢男 | 体操男子平行棒 | |
塚原光男 | 体操男子鉄棒 | |
関根忍 | 柔道中量級 | |
野村豊和 | 柔道軽中量級 | |
川口孝夫 | 柔道軽量級 | |
日本 | バレーボール男子 | |
1976モントリオール | 加藤沢男 塚原光男 監物永三 藤本俊 五十嵐久人 梶山広司 | 体操男子団体 |
加藤沢男 | 体操男子平行棒 | |
塚原光男 | 体操男子鉄棒 | |
二宮和弘 | 柔道軽重量級 | |
園田勇 | 柔道中量級 | |
日本 | バレーボール女子 | |
高田裕司 | レスリングフリースタイル52kg級 | |
伊達治一郎 | レスリングフリースタイル74kg級 | |
上村春樹 | 柔道無差別級 | |
1984ロサンゼルス | 蒲池猛夫 | 射撃男子ラピッドファイアーピストル個人 |
宮原厚次 | レスリンググレコローマンスタイル52kg級 | |
具志堅幸司 | 体操男子個人総合 | |
森末慎二 | 体操男子鉄棒 | |
具志堅幸司 | 体操男子つり輪 | |
細川伸二 | 柔道60kg級 | |
松岡義之 | 柔道65kg級 | |
斉藤仁 | 柔道95kg超級 | |
山下泰裕 | 柔道無差別級 | |
富山英明 | レスリングフリースタイル57kg級 | |
1988ソウル | 鈴木大地 | 競泳男子100m背泳ぎ |
小林孝至 | レスリングフリースタイル48kg級 | |
佐藤満 | レスリングフリースタイル52kg級 | |
斉藤仁 | 柔道95kg超級 |
1984年のロサンゼルス大会で人々を感動させたのが、柔道の無差別級決勝。右足を負傷した山下泰裕選手と決勝で対戦したエジプトの巨漢モハメド・ラシュワン選手は、彼の右足を攻めないフェアプレーを展開。山下選手が悲願の金メダルを獲得し、ラシュワン選手には後に国際フェアプレー賞が贈られました。
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【オリンピック】夏季五輪の日本人金メダル②:平成
平成のオリンピックでもさまざまなドラマが生まれました。
続いては平成の金メダリストをご紹介します。
1990年代
1990年代はまだ日本人選手の低迷が続いていた時代。金メダルは柔道を中心に少ししか獲得できていません。
1992バルセロナ | 岩崎恭子 | 競泳女子200m平泳ぎ |
吉田秀彦 | 柔道男子78kg級 | |
古賀稔彦 | 柔道男子71kg級 | |
1996アトランタ | 恵本裕子 | 柔道女子61kg級 |
中村兼三 | 柔道男子71kg級 | |
野村忠宏 | 柔道男子60kg級 |
1992年のバルセロナ大会の岩崎恭子選手は、競泳史上最年少となる14歳6日での金メダル獲得。レース直後のインタビューで「今まで生きてきた中で、一番幸せです」と答えて話題になりました。
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2000年代
2000年代に入ると、日本人の金メダルは急増。また多くの選手が「国のため」ではなく「自分のため」に競技に挑むようになっていきました。
2000シドニー | 田村亮子 | 柔道女子48kg級 |
野村忠宏 | 柔道男子60kg級 | |
瀧本誠 | 柔道男子81kg級 | |
井上康生 | 柔道男子100kg級 | |
高橋尚子 | 陸上女子マラソン | |
2004アテネ | 谷亮子 | 柔道女子48kg級 |
野村忠宏 | 柔道男子60kg級 | |
内柴正人 | 柔道男子66kg級 | |
北島康介 | 競泳男子100m平泳ぎ | |
冨田洋之 米田功 鹿島丈博 中野大輔 水鳥寿思 塚原直也 | 体操男子団体 | |
谷本歩実 | 柔道女子63kg級 | |
上野雅恵 | 柔道女子70kg級 | |
北島康介 | 競泳男子200m平泳ぎ | |
阿武教子 | 柔道女子78kg級 | |
塚田真希 | 柔道女子78kg超級 | |
鈴木桂治 | 柔道男子100kg超級 | |
柴田亜衣 | 競泳女子800m自由形 | |
野口みずき | 陸上女子マラソン | |
吉田沙保里 | レスリングフリースタイル女子55kg級 | |
伊調馨 | レスリングフリースタイル女子63kg級 | |
室伏広治 | 陸上男子ハンマー投 | |
2008北京 | 内柴正人 | 柔道男子66kg級 |
北島康介 | 競泳男子100m平泳ぎ | |
谷本歩実 | 柔道女子63kg級 | |
上野雅恵 | 柔道女子70kg級 | |
北島康介 | 競泳男子200m平泳ぎ | |
石井慧 | 柔道男子100kg超級 | |
吉田沙保里 | レスリングフリースタイル女子55kg級 | |
伊調馨 | レスリングフリースタイル女子63kg級 | |
日本 | ソフトボール女子 |
2008年の北京大会は、正式種目としてのソフトボールが最後となった大会。日本代表は悲願の金メダルを獲得し、上野の413球が感動を呼びました。
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2010年代
2010年代は柔道とレスリング以外で苦戦が続いた時代。その中で体操の内村航平選手が活躍しました。
2012ロンドン | 松本薫 | 柔道女子57kg級 |
内村航平 | 体操男子個人総合 | |
小原日登美 | レスリングフリースタイル女子48kg級 | |
伊調馨 | レスリングフリースタイル女子63kg級 | |
吉田沙保里 | レスリングフリースタイル女子55kg級 | |
村田諒太 | ボクシング男子ミドル級 | |
米満達弘 | レスリングフリースタイル男子66kg級 | |
2016リオデジャネイロ | 萩野公介 | 競泳男子400m個人メドレー |
大野将平 | 柔道男子73kg級 | |
内村航平 加藤凌平 田中佑典 山室光史 白井健三 | 体操男子団体 | |
田知本遥 | 柔道女子70kg級 | |
ベイカー茉秋 | 柔道男子90kg級 | |
内村航平 | 体操男子個人総合 | |
金藤理絵 | 競泳女子200m平泳ぎ | |
登坂絵莉 | レスリングフリースタイル女子48kg級 | |
伊調馨 | レスリングフリースタイル女子58kg級 | |
土性沙羅 | レスリングフリースタイル女子69kg級 | |
高橋礼華 松友美佐紀 | バドミントン女子ダブルス | |
川井梨紗子 | レスリングフリースタイル女子63kg級 |
伊調馨選手は五輪史上初の女子個人種目4連覇を達成。2016年のリオ大会では残り3秒での逆転優勝でした。
【オリンピック】夏季五輪の日本人金メダル③:令和
2020東京オリンピック
記憶に新しい2020年の東京大会では、日本史上最多となる27個の金メダルを獲得。多くの選手にとって最高の結果となりました。
2020東京 | 髙藤直寿 | 柔道男子60kg級 |
大橋悠依 | 競泳女子400m個人メドレー | |
堀米雄斗 | スケートボード男子ストリート | |
阿部詩 | 柔道女子52kg級 | |
阿部一二三 | 柔道男子66kg級 | |
西矢椛 | スケートボード女子ストリート | |
大野将平 | 柔道男子73kg級 | |
水谷隼 伊藤美誠 | 卓球混合ダブルス | |
永瀬貴規 | 柔道男子81kg級 | |
日本 | ソフトボール女子 | |
大橋悠依 | 競泳女子200m個人メドレー | |
新井千鶴 | 柔道女子70kg級 | |
橋本大輝 | 体操男子個人総合 | |
濵田尚里 | 柔道女子78kg級 | |
ウルフ・アロン | 柔道男子100kg級 | |
素根輝 | 柔道女子78kg超級 | |
宇山賢 加納虹輝 見延和靖 山田優 | フェンシング男子エペ団体 | |
入江聖奈 | ボクシング女子フェザー級 | |
橋本大輝 | 体操男子鉄棒 | |
四十住さくら | スケートボード女子パーク | |
川井友香子 | レスリングフリースタイル女子62kg級 | |
川井梨紗子 | レスリングフリースタイル女子57kg級 | |
喜友名諒 | 空手男子形 | |
向田真優 | レスリングフリースタイル女子53kg級 | |
乙黒拓斗 | レスリングフリースタイル男子65kg級 | |
須﨑優衣 | レスリングフリースタイル女子50kg級 | |
日本 | 野球男子 |
【オリンピック】夏季五輪の日本人金メダル記録
日本人選手やチームが獲得した金メダルはこれまでに合計169。
では最も多くの金メダルを獲得している人は誰で、競技は何なのでしょうか?
個人での最多獲得数
個人での複数獲得といえば、4連覇の伊調馨選手や競泳で4つの金メダルを獲得している北島康介選手が有名です。
しかし上には上が!
最高は体操の加藤沢男選手で、個人5個、団体3個、合計8個もの金メダルを獲得しています。
競技別の獲得数ランキング
競技別の獲得数ランキングは以下のようになります。
1位 | 柔道(48) | 男子33、女子15 |
2位 | レスリング(37) | 男子22、女子15 |
3位 | 体操(33) | 男子33 |
体操の金メダルは男子のみ。
男子の1位は柔道と体操が33個で並び、女子の1位は柔道とレスリングが15個で並ぶという結果になっています。
2020東京大会で達成した記録
2020東京オリンピックでは、長年待たれていた快挙が達成されました。
それは、全都道府県出身者による夏季大会の金メダル達成。
実は2020東京オリンピック開催前の時点で、鳥取県と沖縄県の出身者だけが金メダルを獲得していなかったのです。
しかし鳥取県出身の入江聖奈選手がボクシングの金メダルを獲得。さらに沖縄県の喜友名諒選手が空手男子形で金メダルを獲得し、ついに47都道府県の出身者全てが夏季大会の金メダルを獲得したのです。
まとめ
これまでに日本人が169個獲得している夏季大会の金メダル。
開催地となった東京大会以上の数を望むのは期待しすぎかもしれませんが、ぜひ1つでも多くの金メダルを獲得してほしいものです。
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